Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

会社のヤバい徴候

全体的に人材不足が続いているが30歳未満の社員の不足が特に顕著で問題となっている。さいわい現時点において20代社員の退職は止まっているが(30歳未満社員が0人になったため)、皆さんには同じ轍を踏んでほしくない。今日は特別にこのような事態を招いたと僕が考えている《会社のヤバい徴候》を列挙する。皆さんの職場でこのような傾向がみられるようになったら早期の解決をはかってもらいたい。

 

①毎年度行われる「抜本的組織改革」

 

②トップ現場視察直後即日おこなわれる人事異動

 

③エアリプ、クソリプを繰り返すだけの公式ツイッター(その後中の人は休職。理由はお察しください)

 

④第二体操まできっちりやる朝礼時のラジオ体操 

(社業に寄与しないという理由で2014年廃止)

 

⑤「バラバラになった社員の気持ちを一致団結させるため」というトップの熱い気持ちで復活する朝礼時のラジオ体操(2016)

 

⑥賞与前年比減の年にだけ豪華に開催される社員旅行

 

⑦「社員旅行は強制ではないが強制ととらえてもらって構わない」「準強制」(人事談)

 

⑧仕事をしくじった若手社員に社訓と反省を叫ばせる。

 

⑨⑧の社訓が社訓でないことが判明 ※社訓はなかった!

→社長室に掲げられた文字列は孫娘様の「習字」

 

⑩忘年会においてトップ命令で強制的にやらされる集団宴会芸 

 →参考)「ランニングマン(2014)」「集団五郎丸ポーズ(2015)」

 

⑪創業50周年記念事業として社歌制定(作詞/社長 作曲/社長ご学友)「相模の地に~ 利をもとめて300年~」

 

⑫会議の際、トップの意見に賛同するときは社員証を目線より上に掲げる 類)朝鮮労働党


13 マラソン大会で激走する社長の耳にどれだけ声援を届けられたかで評価される完全実力主義。

 

以上である。一つでもチェック項目に該当したらすでに末期なので退職を含めた命を守る行動をとってほしい。これらの事例と人材流出の因果関係は不明だ。経営学、社会学に精通している方々に解明していただき労働者社会の維持と発展に役立てていただくことを草葉の陰から祈っている。(所要時間11分)

転職バタンキュー

営業課長という役職についているが営業の仕事自体外注に出しているのでやってることは専ら、アルバイトの穴埋め、契約解除交渉といった誰もやりたがらない汚れ仕事ばかりで、そんな新規開発営業とかけ離れた姿を同僚たちから「特命課」と揶揄されてムカついている。

 

連休中のアルバイト穴埋めが一段落して待っていたのは相手が望んでいない契約解除交渉だ。それは某老人ホームでの食事提供業務で先方の満足度も高いし利益も事前の予想通りに出ているが弊社トップの経営判断で撤退が決まり契約通りに3ヶ月前解約通告を行い今月末に業務終了と相成るはずで、今日は先方と引き継ぎ業者を交えて打合せをする予定だった。私事だが僕はこの打ち合わせを終わらせて転職にともなう面接を受けなければならなかった。

 

相成らなかったのはウチの会社の後に業務を行う会社が見つからなかったからである。先方担当者は「一生懸命探したんだけどねー」と言っているが人に裏切られ続けた結果猜疑心が強くなってしまった僕は契約解除を申し入れてからの2カ月何もしなかったのではないかと疑っている。嫌味で「2ヵ月あれば秀吉なら50は城を建てられますね」と言ったら「立派な城をつくるには何年もかかりますよね」と返してくるからたまらない。そーいうことではないのだ。単なる引き継ぎの打ち合わせのはずが。僕には大事な面接が待っているというのに。

 

このままでは老人ホームの食事提供が滞ってしまう。迫るタイムリミット。事態を収束させるために県だか市だかの役人さんも来ていた。先方の担当者と口裏を合わせていたのだろう、お年寄りの食事が止まってしまったら困りますよねーと二人は僕に言った。まったく困らない。むしろ、無事に最終日に撤退できないこと、この打ち合わせが定刻で終わらないことのほうが困る。正直に僕はその旨を伝えた。だって困らないし困るから。すると彼らは、それって人としてどうなの、と僕を責めるような口調で言ってくるからたまらない。

 

《まさか、お年寄りに酷いことをするような非道い人じゃないよね。そんなことできないよね。》こういう自分の能力の無さや仕事の未熟さを棚にあげて、人の善意に付け込んで困難を脱しようとする輩が僕は好きではない。ルール通りにやっているのだから。ムカつくのは僕が良心の呵責から自発的に契約を延長を申し出るように差し向けようとしている虫のよさだ。なぜ、アタマを下げることができないのだろう。不思議だ。なにより迫る面接の時間。

 

役人さんは、ウチの会社の契約延長以外のカードを持っていないらしく、アホのように、お年寄りが、福祉が、と言うばかりでいい加減ムカついたので「黙れ公僕!」と一喝して沈黙させた。このままでは埒があかず転職が遠ざかるので、先方の担当者に僕が同業他社にコンタクトを取りますから、あとはよろしくお願いします、つって知り合いの営業マンに連絡をとった。驚いた。親しくしている4人の営業マンのうち、2人は業界に絶望して転職(または転職間近)、残り2人はまったく乗り気ではなかったのだ。

 

なぜ乗り気ではないか、その理由は慢性的な飲食業界の人不足で、この状況の先行きが見えるまでは新規事業所を増やさないよう上からお達しがでているからであった。その状況を先方の担当者に伝えると、彼は意を決したようにテレビのコントローラーを手に取り、スイッチを入れ、夕方のニュース番組を見ながら、アメリカ大統領誰になるのでせうね、と文語体で言った。絶望のあまりおかしくなったようである。

 

実際問題、お年寄りたちの食事提供を止めることはできない。誰かがやらなければならないのだ。僕は本社に持ち帰って一ヵ月だけ業務の延長が出来るよう上に掛け合ってみることを約束した。このときの僕にはどういうわけか打ち合わせを速く切り上げて面接に向かいたいという気持ちはなかった。うまくいくかどうかはわからない。五分五分といったところだろう。縁もゆかりもない老人が困ろうと僕の知ったことではないけれども、なかなかビジネスライクにいけないところが僕のダメなところだ。

 

結局、事態急迫のため本社に戻らなければならなくなったため、面接はキャンセルせざるを得なくなってしまった。辞める会社の仕事に巻き込まれて面接活動も共倒れ。転職バタンキュー。こんな損しかない実のない戦いをするのはこれで最後だ。今度このようなことがあったら老人だろうが子供だろうが人柱にして自分の城を立てる。共に戦ってくれる仲間が欲しいところだけど特命課と揶揄されている僕には頼れる相棒が一人もいない。(所要時間30分)