Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

一人でディズニーランドに行ったよ



 一人で東京ディズニーランドに行ってきた。前にTDLに行ったのは、遥か昔、高校生のころ。あの頃のTDLのスターといえば、キャプテン・イーオーだった。時は移ろって、マイケル・ジャクソンはネバーランドへと帰還し、ジャック・スパロウなるパイレーツがスターになったけれど、TDLは日本の代表的なレジャー施設として君臨し続けている。大衆の欲望と消費の集積場。そこに単身で乗り込む。いかにもハードボイルドな、僕らしい休日の過ごし方ではないか。とにかく、だ。平日の昼間だから空いているだろうと高をくくって、僕は出かけた。



 TDLに着くや否や、僕は打ちのめされた。どこを見ても人、人、人。人の山。アトラクションはどれも100分待ち。ハードボイルドの余裕なし。人ごみは、ハロウィンのイベント期間だからなのかもしれない。この、数万の人の海のなか、単身で来ている男は、恐らく僕だけではないだろうか。身軽さを生かして、次々と、アトラクションの列に並んだ。寂しい思いをするのは目に見えているので、食事は摂らなかった。



 困ったのは、首から一眼デジカメをぶら下げて歩いていると、暇に見えるのか、カメラに詳しい人に見えるのか、実にたくさんの人から、撮影のお願いをされることだ。大いなる勘違いだが、大いなるココロの持ち主たる僕は、いつもより1オクターブ高の声で「ハイ・チーズ」パシャリ。少なくとも十組は撮ったと思う。今日、撮ってあげた人たちに幸あれ。


 それと、アトラクションに乗る際、スタッフの人に「お客様何名さまですか?」と尋ねられ、「一人です」と答えるのだけど、あれは拷問に近い。「一人です」「一人です」「一人です」人差し指で一人であることを強調しながら答えるたび、スタッフの人は、僕の顔と、僕の胸の位置にある一眼デジカメをさっと見て、その瞳の中に暗い影を落とす。その繰り返し。雰囲気を読んで、察してくれるようには、出来ないものなのだろうか。そんな接客マニュアル、公園のベンチの下に捨ててこい。君らにだって一人になりたいときや、触れてほしくないときはあるだろう?


 結論をいうと、TDLは一人で遊びに行く場所じゃない。打ちのめされる。悪いことは言わないから、やめておけ。僕の教訓を無駄にするな。それだけだ。まあ、せっかく、TDLに来たので、記念写真を撮っておいた。気の弱そうな二人組の少年にお願いした。本当はもっと目立つ撮影スポットがよかったのだけれど、カップルやファミリーやグループばかりで、とても入り込める雰囲気じゃなかった。チビっこの場所を占領するのが、今の僕には精一杯。この鬼気迫る表情。本当に走っているみたいだろう?キッズも羨望の眼差しで僕を見ていたよ。



ぶいーん!