Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

お兄ちゃん…涙が止まらないよ…


 あ、お兄ちゃんお風呂に入ったみたい。よし今だー。お久しぶりです。フミコ・新垣栗山ゆま蛯原クリステル璃子です。最近、お兄ちゃんがおかしいんです。なにか悪いこと…犯罪とか…してなきゃいいのですが…。


 だってだってお兄ちゃん、いつも夏になると裸になって「カマン、俺のサラマンダー!ミュージックスタート!」って叫んで「エビィバディダンスナウ!ダッダッダラー!」って歌いながらわたしの前でパンパパスパーンって豪快な音を立てながら全裸パーカッションやるのに…今年はやらないの…。


 それにお兄ちゃん、年中、包丁を切り込みを入れてから煮たコンニャクや、お湯をいれたカップヌードルを、「入らないよ…」って嫌がってるのに無理矢理わたしに入れてきたんだけどそれもやめちゃったの…。コンニャクをわたしから取り出して「人肌…人肌…」って云って暗闇に向かって万歳しているお兄ちゃん、ちょっとオカシイ人に見えたけど、やらなくなっちゃうとそれはそれで心配です。


 そういえばテンガっていうんですか?なんか白くて穴が空いてる変なものをわたしに入れるのもいつの間にかヤメちゃってた…。大丈夫かな…お兄ちゃん…なにか悪いことして、体の調子をおかしくしてなきゃいいのですが…。


 あ、こないだこんなこともあったんです。お兄ちゃん、突然、液晶テレビとブルーレイレコーダー買ってきたの。エバンゲリオン?ジョ?よく知らないんですけどそういうアニメのソフトも一緒に買ってきて毎晩笑いながら観ているんです。「レイはやっぱり冷たくなきゃダメだ。今のポカポカしたレイはレイじゃない、ただのビッチだ。偽者だ」なんてやっぱり壁に向かって話しかけながら。大丈夫かな…。



 それに、それに、お兄ちゃん、裸でレイさんを眺めながら「さすがブルーレイだ…DVDとは画質が違う…キレイだ…。青い髪のレイにブルーレイはよく似合う…」なんていい気になってブランデーのグラスを傾けていたけど、そのエバンゲリオンのソフト、DVDなんですよ。ブルーレイプレイヤーでDVDを再生すると綺麗になると思っていたのかな…。大丈夫かな…お兄ちゃん…なにか悪いことして、心の調子をおかしくしてなきゃいいのですが…。


 でもでもこんなお兄ちゃんだけど本当は優しいんです。去年から調子が悪いわたしのこと、とってもとーっても大事にしてくれているの。好物のハーゲンダッツを溶かしちゃっても、缶ビールを冷やすの失敗しても、怒ったりしないの。本当に優しいの。だから、わたし、お兄ちゃんが心配なんです。あ、お兄ちゃんだ。電話かけはじめた。いくら暑いからって服くらい着ればいいのに、もう。


「あ、じいちゃん?俺だよ俺。オレオレ。あのさ、悪いんだけどさ金貸してくんない?うん。そう、冷蔵庫壊れちゃってさー。冷えねえんだよ全然。マジマジ。いやーこないだ買いに行ったんだけどさ、うん、行ったんだ。でさ、そんときにさテレビとかブルーレイ買っちゃってさ。うん。ブルーレイ?新しいビデオみたいなもんだよ。ほらテレビも古くなってほとんど映らなかったからさ。うん。佐久間良子と市原悦子が区別できなくなっていたんだよ。本当だよ。じいちゃん。そういうわけで今月金なくてさー悪いけど金貸してよ。大丈夫だって。そのうちでかい仕事やって返すからさ、悪いけど。頼むよじいちゃん。いいの?じゃ俺の口座に振り込んでおいてよ。頼むね。長生きしてよ。じゃ」


 オレオレ詐欺だー!お兄ちゃん、やっぱり悪いことしてたんだ!バカー!嫌い!情けなくて涙出てきちゃったぞ。しばらく缶ビール冷やしてあげないんだから!もう!