Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

私の異常なお見合い・武将風雲録 または私は如何にして戦国娘をたぶらかし母親との同居をなしえたか。


 シノさんと同居しはじめた。シノさんは僕のお見合い相手で元・レイヤー現・戦国大好きっ娘西軍派、天使のブラ着用時はDカップである永遠の25才。愛称はノッピー☆。

 同居といっても籍を入れたわけではないので、世間体から、しばしの間、つまり「正室として迎えるべきかどうか慎重によく考えろ。経済的に困窮しキャバクラに行けなくなっていいのか。困ったらお金を借りればいいよ車の免許で借りれるよ」とガイアとアコムが僕に囁いているうちは、週に何日かやってきて一緒に過ごすことになる。「親と女と同居とはださいぜ。ロックな僕としたことが」そんな自嘲をきいてくれるのはコケシのディルド君だけ。


 祖父死去。叔父溝に落ちて顔面骨折。叔母転倒して右手小指骨折。そのような負の連鎖の只中にね、こんなご時世にね、浮かれてね、幸せにね、なってはね、ダメなのね、という我が意は汲まれず、催された両家合同劇場版戦国バサラ観賞会とその後の食事会、通称ロクヨン事変を経て同居は決まった。


 事の次第は以下のとおりである。メンバーはシノさん、妹のリノちゃん(大学生)、聖麗院(僕の母)、シノパパ(巨根)、シノママ(眉毛なし)に僕を加えた六名。「コジュウロウたん萌え〜」。バサラ談義についていけないシノパパと僕は最近どうよ的な会話を続けていた。至極つまらん。中ジョッキ追加。


 突如パパが切り出した。「病気のほうはどうだね?」インポか?インポテンツのことか?それとも秘密のはずのクラミジアか?クラミジアなのか?謀ったなシャアもといシノ!中ジョッキ追加!ハカッタナハカッタナ苦悶している僕にパパが追い討ちをかける。中ジョッキ追加。「オヤカタサマが立たないんじゃお家断絶じゃないかフミコ君」。容赦ない巨根だぜ。「すみません。まあ愛があればですね…」 「ほう…」パパが目を細めて僕の答えを待つ。


 答えを待つ。待つ。待つ待つ待つ。待たれてもー。でまかせなのでマジになられても困る。中ジョッキ追加。パパも執拗に、ほう…ほう…やってくるので窮鼠ピカチューとなって僕は口をひらチュー。「父上…愛があれば…真ん中にある…足なんて飾りですよ」「なんだねそれはフミコ君…」「ガンダムです」と言える雰囲気ではありませんでした。中ジョッキ追加。


 「君は娘をどう思ってる?たとえば娘の好きな今日の映画を理解できるのか?」バサラわからん。仕方なく「サムライトルーパーみたいでしたね」と言うと場が、しんと静まりかえった。シノさんがいう。「サムライトルーパー…」目がマジだ…地雷踏んだか。「さすがオヤカタサマ…軍神の眼はすべてお見通し…サムライトルーパーウテナは私の原点ですうー。初めて鎧擬亜を着た日のことは終生わすれませんよよよよ〜」シノ涙目。つーか着たのかよ。「君はシノのことをよくわかっているようだ」とパパ。重圧に負けて…中ジョッキ追加中ジョッキ追加。


 そして泥酔して前後不覚のうちに「ウチの馬鹿息子はいかがですか?」「よござんす。差し上げましょう」「キャー!パパー!」「キター!おねーちゃん良かったねー!」と話は弾み(想像)、目覚めると同居が決まっていた\(^o^)/。


 仕事を終えて僕は家に帰る。シノさんと母親も帰ってくる。若い女性がいる慣れない時間。ぎこちない。ペースが乱れる。三人で食卓を囲み液晶テレビを眺める。リオから取り寄せた珈琲豆をひく。ペーパーを敷く。豆の濃い香りが立ちこめる。浅草のサンバに思いを馳せる。ミネラル水をヤカンで沸かしコーヒーを煎れる。麦茶がいいといわれてコーヒーをシンクに流す。順番に入浴する。トップバッターの僕はあとの人のために陰毛を湯船に浮かべる儀式をする。反応がなくて凹む。ラジオの電源を入れたり切ったりする。液晶テレビでニュースを見ながら就寝の準備をはじめる。シノさんが十時の時計を見て「あっ」と呟く。お別れの時間。時の涙がみえる。シンデレラの帰る時間だ。


 僕が帰る。疲労で死んでれら。実家を出て亡き祖父の家へ。祖父の家で僕はひとり暮らしだ。亡き祖父の古い家が僕に残された最後の砦。ア・バオア・クー。こうもあっさりインポと二万円退職金という障害を乗り越えてくるとはな…暗い部屋でブリーフ一枚になり蒸れた股間に空気を入れながらスノコとコケシに自嘲する。


 シノさんは「オヤカタサマは上杉謙信公のようにおひとりでお月様を見ながら塩辛を肴にお酒を飲むのがお好きですね。そして軍略を練る。本当に毘沙門天の生まれ変わり…」と勝手に妄想と僕を重ねて今の生活に理解してくれている。おかげで僕は相変わらずのペースでアダルトDVDやゲームも楽しめている。


 電話が鳴る。泣き声のような着信音。シノさんだ。「今、セイレイたん(母65才)とガールズトークをしてますうーオヤカタサマも来ればいいのにー」「疲れたから寝るよエル・プサイ・コングルゥ」「エルぅ?」 電話を切る。ガールズトーク…とっくに生理あがってるだろうに母ちゃん無茶しやがって


 シノさんと母親は同居している。シノさんと母親が同居している。よく、そんな生活でいいのかと言われる。いいんだよと即答する。だって可哀想だろ。彼女に触れたときに僕のぺニスがピクリともしなかったら可哀想だろ?だから、今はこれでいいんだ。欲しがりません。立つまでは。



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