Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

パワハラで訴えられた。

 パワハラなんて僕には関係ない、別の惑星の話だと思っていたらパワハラで訴えられた。理不尽で納得がいかない。悔しい。


 僕をパワハラで訴えたのは業務上ほとんど接点がない、昨年同業他社からやってきた女性である。僕は彼女のことをほとんど知らなくて、少々年上の、会議でよく発言をする人、という印象しかない。顔を合わせれば挨拶を交わす程度の関係。2月末。昼休み。たまたま休憩スペースで二人きりになったときに共通の話題「風邪でダウン明け」で盛り上がった。直後、彼女は総務にパワハラを訴え、僕からの謝罪と改善がなされるまでは出社できないとして以降数日間にわたって社に姿を現さなくなる。意味がわからない。


 総務部長から、きっかけとなったやりとりについてヒアリングされても「風邪をこじらせて風呂に入っていないんですよ。洗面台で頭は洗っているけれどなんだか洗いきれていない感じがする」「課長もですか。私も風邪をひいていてお風呂に入れていないから臭いが心配ですよ」「全然気になりませんよ。臭い同士頑張りましょう」というやり取りしかないので、本当にそれだけかと疑ってかかる総務部長にはなんだか申し訳ない気がした。まさか、そのやり取りが彼女の中で変換熟成され「風邪をひいて体力が低下している私に対し頭が臭いと執拗に侮辱して無理な労働を強いた」「あの営業課長のオーデコロンの臭いを嗅ぐと身体が硬直してしまう」としてパワハラに相成るとは青天の霹靂。セクハラで訴えられたほうが納得できる。無理な労働もなにもそもそも彼女と僕は同じ課長職であって僕の指揮命令下にないし。


 彼女は弊社初のヘッドハンティング人間だけあって、ってこんな印象すらもバワハラになるのかもしれないが、訴えたあとも用意周到であった。出社出来ないとして自宅に引きこもりながら、社内関係各所に連絡を入れて仕事の遅滞に詫びをいれながらも被害の酷さを訴えるやり口。本当に迷惑かけてごめんなさい→詳しいことは言えないけど営業課長からのイヤガラセで会社に行きたくても身体が拒否反応しちゃう→周りに迷惑かけてる人がいたらお手数だけど説明しておいて的な。


 それこそパワハラなんじゃないかと思ったけれども、訴えた側・被害者の強さという力は確実に存在し、僕の勉強不足からなる《これもしかしてパワハラ》感がそれを補強し、更にパワハラという事件の特性によるセンセーショナルさもあって社内拡散の速さは光のごとくであり、それらは僕を確実に一方的に追いつめていった。土俵際の粘りは胃薬が効かなくなるレベルに達した胃痛持ちの僕にはもう残されてなかった。


 遂に社長が介入することになった。「あのさ〜こういう仕事と関係ないことでトラブってるのやめてほしんだよなあ」と仰る社長に僕はただすみませんというしかない。合間にあのさーあのさー口を挟む社長に経緯を説明すると「わかった。今回の課長のパワハラについては俺がなんとかしよう」とのこと。だからパワハラじゃないですよと訴えると社長は「あのさ〜パワハラがあったとかなかったとかどうでもいいのよ。俺のまわりがそういうくだらないことで騒々しいのがたまらないんだよ。君もすみませんって言ってるように認めてることだし今回は君がパワハラ野郎ってことにしておこーよ。それが一番ソフトランディングだろ?」と持論を語り、それから、すみませんはお騒がせしたことについてのすみませんであって…と説明する僕の話を切るように肩を叩いて「今回のことは誰も悪くない。君が少しだけ悪いだけで。これを契機に足下をしっかり見つめて上を向いていくといい」と言った。ただパワハラ野郎、ソフトランディングという言葉のインパクトだけが残った。僕は上と下、どちらを見ればいいのだろう。会社こわい。


 社長が介入して問題は解決した。社長の処分の詳細は知らされていない。謝罪はしていない。だが察しはつく。僕は悪者にされたのだと。職場復帰した彼女は社長により部長に昇格することになった。社長により給料据え置きのまま。社長により一層ハードな業務、悲観的絶望的な事業の黒字化に就くことになった。僕が現れると戒厳令下にあるように静かになる社内。《いったい誰がパワーハラスメントをしているんだ?》強がる僕には味方がいない。僕は一匹の獣。パワハライオン。言わせとけ。やらせとけ。本日、総務から『わが社においてパワーハラスメント問題は存在しない』という公式見解が出された。


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