Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

秒速でメイワクな上司を撃退する方法

イヤだイヤだと拒否してるのに妻に聴かされているミスターチルドレンの「彩り」という楽曲の歌詞に、その歌詞をここに転載すると著作権侵害にあたり反社会的勢力にされかねないのでニュアンスをだけを書かせていただくが、「私たちが苦虫を噛み締めながらやってる単純作業でも世の中人のためになっているから素晴らしいんだよ。尊いんだよ」という上から目線のものがあって、高額納税者印税生活者のミスターチルドレン氏が上から目線で語ることについて多少の苛立ちを感じつつも、それを素晴らしいと思ってしまったのは僕のサラリーマン生活の長さゆえ。

 悠々自適の印税生活に比べたら全く素晴らしいものではないけど、汗水糞尿を垂れ流して働くことは本当に素晴らしいことだ。けれども、そういう最初は皆が持っていたはずの労働に対するピュアな気持ちは、ネガティブな要素に阻害されがちだ。その結果、ある者は鬱になり森田童子が流れる部屋で夜な夜な壁に貼られた広告写真に向かって笑い、またある者はお局様となられて後輩をいびることと東方神起のドームツアーで奇声をあげることに生を見いだすようになるのだ。本当に残念なことだ。悲しいことだ。

 ネガティブな要素の最たるものはアホーな上司だろう。アホーな上司の撃退は人類共通の願い。人類の役に立ちたい。そんな切なる願いが僕がこの比較的マジメな文章を書いた理由だ。


  基本的なスタンスはアホーな上司をバカにしつつ気持ちよくさせることである。アゲることである。


1「教科書みたいですね」

上司が四苦八苦して書いたと思しきとんでもないドキュメントをあなたのところに持ってきた。「私の妻の配偶者が亡くなるので今から僕は休みますよ」のような文章がひたすら続く紙を渡されたあなたは吐きそうになる。アホーな上司は意見を待っている。どうする。間違った答えを出せば秒速で社内失業、面と向かってバカとも言えない。こんなときは「教科書みたいですね」と言うといい。教科書という言葉にはポジティブな意味だけでなく杓子定規、退屈という意味も含む。イイ意味しか取らないアホーな上司のテンションはアガり、アホーな上司をバカにすることであなたの心は守られる。超オススメ。


2「全然レベルが違いますから」

アホーな上司は慣れとルーチンでこなしていることを己の才能と勘違いしている。そんなアホーな上司はいつでも、あなたたちの仕事より自分が上等の仕事をしているとドヤ顔であなたの賞賛を待ちかまえている。そんなドヤ顔には「~さんと私では全然レベルが違いますから」と言うと上司はアゲアゲになるよ。ポイントはレベルが「違う」のであってレベルが「高い」わけではないこと。一見すると誉めているようで、あなたよりも私のレベルはずっと上なのだと堂々と宣言しており、あなたの魂は救済される。

ワンパターンを続けているとアホーな上司でも、あれボク馬鹿にされてる?と疑念を抱きかねないので、時折「どうすればこんな仕事が出来るのですか(信じられない)」というフレーズを異物混入させるとバレにくくなり「シーザーお前もか!」とアホーな上司が気づくのを阻止できるはず。


3「無礼講なんて」

アホーな上司から誘われる飲みニケーションほどの苦行はない。断ると、無礼講だから、無礼講なんだよ、無礼講なのにと壊れたチンパンの玩具のように白目で繰り返すから厄介だ。結論から言うと断ったら左遷か社内失業で部屋で森田童子だ。この場合は「無礼講なんてとんでもないです」というフレーズを使い上司をアゲることに徹すること。「無礼講なんてとんでもないです」には「友達でもないテメーとフレンドリーに話したくねーんだよ」というリスペクトの気持ちを込めるのを忘れずに。最悪な答えはノリノリで「今日は飲みたい気分だったんす!」と魂を殺して言うことだ。あれ。こいつ。もしかして。俺に…と調子に乗ったアホーな上司は飲んだあとで繁華街裏にある宿泊料が店先に明記された宿にあなたを連れ込みかねないので本当に危険。


4「見せてもらおうか連邦のモビルスーツの性能とやらを」


さて、ここまでのフレーズはアホーな上司をかわすことばかりを目的にしている。けれども二日酔いや女の子の日などアホーな上司の対応はおろか仕事もしたくないときもあるはず。そんなときはアホーな上司をアゲて代わりに仕事をさせることだ。そこで使うフレーズは「見せてもらっていいですか。~さんの仕事ぶり…」。バインダーを両手で抱きしめるようにして目線は上目がちはまばたきをせずいかにも真剣に仕事について考えてますという表情をすること。

残念ながらこれは女性オンリーのフレーズだ。男性のあなたがバインダーを抱いてあなたより背の低い上司を見下ろしてしまうと、敵を試そうとして返り討ちにあう赤い彗星のシャアになるだけだ。


以上のフレーズをつかってアホーな上司たちを退け、本来のやるべき仕事に注力していただければ幸いである、というのは嘘であり、自分自身で頭を使ってサバイブすること、それこそが大事なのだったりする。


そもそもビジネス書のように「何々をしたほうがいい」「しなさい」というのは傲慢以外の何でもない。それならば「何々はするな」の方が余程信頼できるし好感がもてる。かのモーゼの「十戒」ですら十分の七は禁止をうたっているのだ…。


とここまで書いて聡明な方はお気づきだと思いますが上記のアホーな上司とは実は僕のことです。四十才になったのを機に、二十年弱のサラリーマン生活のなかで部下や後輩から言われてきた言葉を検証したところ、僕は馬鹿にされ続けてきたのだという悲しい結論にいたった。

被害妄想かもしれない。けれども回想の中にいる奴らのどこかバカにした目、目、目。僕はただでは終わらない。これを教訓にうまいことをいう年少者に騙されないようにこれからの余生を生きていくつもりでございます。では。