Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

すき家はイスラム国に学べ。

イスラム国には感謝している。テロリズムを賛美するつもりは全くない。「ショッカー戦闘員にはどこでどうやったらなれるの?」という子供の頃からの疑問を解決してくれたからだ。古本屋に貼られた戦闘員募集ポスターを見た現実逃避願望のある若者がショッカー戦闘員になるのだ。イーッ!

 

S.H.フィギュアーツ ショッカー戦闘員

 

 

 

 

同時に僕は戦闘員を集めるのに苦労しているある企業に思いを馳せている。すき家。すき家に戦闘員?そもそもイスラム国とどう関係あるのよ?という人は、すき家の教育訓練について調べてみるといい。新人教育では海兵隊の新兵訓練メソッドを採用して、個人のプライドを粉砕。配置後は秒単位で行動を規定され、本社からカメラで監視される。軍隊そのものではないか。深夜営業も自爆テロもワンオペだし、双方ともにブラック体質なのは言うまでもない。

 

すき家はショッカー戦闘員募集に難儀している。戦闘員不足で店舗を閉店せざるを得なくなるなど企業活動に支障が出るレベルだ。同じブラックでも、かたやイスラム国はポスター1枚でショッカー戦闘員を確保している。イスラム国のことだ。おそらく、全国の古本屋にポスターを配布し、一個中隊のショッカー戦闘員をシリアに送り込んでいることだろう。
 
 
なぜ、すき家にショッカー戦闘員が集まらないのか。それはやることが明確でないからだと僕は思う。現実逃避したい若者に対するアピールがダメよダメダメだからである。すき家の店舗に貼られたスタッフ募集のポスター、あるいはウェブサイトには、「I’m SUKIYA」というスローガンが記載されている。僭越ながら英検3級の英語力を駆使して日本語訳させていただきますと、ワタシハスキヤ。意味がわからない。仕事に対するイメージがわかないし、ちょっと洗脳的な怖さまである。
 
 
一方イスラム国のポスターにはただ一言、仕事/警備員、勤務地/シリアのみ。イメージしかない。その上、シンプルな記述はハローワークの求人のようで安心感すらある。職種は同じワンオペありの戦闘員だ。どちらが現実逃避したい、導かれたいと思っている若者に対して訴求力があるか言うまでもない。
 
 
すき家の人事担当には心を入れ替えてもらって、イスラム国のプロモーションのように敵を明確化、「ワンオペで打倒!吉野家」「プレミアム牛丼を提供する富裕層向けの松屋は粉砕すべし」というわかりやすいスローガンをぶち上げ、1人でも多く現実から逃げたい若者を確保してショッカー戦闘員に仕立てあげてもらいたいところなのでございます。
 
 
まあ、昨今の全体的な能力が低いために相対的に意識が高くなってしまっている若者が、各国からアレな人材が集まりグローバルに成長しているイスラム国と、ただブラックなだけで落日なすき家のどちらを選択するのか結果は目に見えているかもしれない。それはそうなんだけど1人の日本人としては、イスラム国ですらたった1枚のポスターで戦闘員を確保しているのに、すき家ときたら…と寂しい気持ちになってしまうのだ。
 
 
いつか、それはちょっと先のことかもしれないけれど、すき家が企業体質を改善して勢力を取り戻すことを信じたい。そのとき僕はあたたかく受け入れずに今と同様に吉野家に寄り添っていたい。改めて、そう思わせてくれたイスラム国には感謝している。イーッ!
 
 
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・「かみぷろ」さんでエッセイ連載中。
「人間だもの。」
 
・ぐるなびさんの「みんなのごはん」にてエッセイ連載中。
「フミコフミオの夫婦前菜 」