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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

オレオレ詐欺にでも遭った気分だよ。

日記
過日、普段ほとんど鳴らないスマートフォンが鳴った。見慣れない番号なので、凶悪なヤクザか、悪質な外国人窃盗団か、って恐る恐る応じると可愛げのない子供の声。「ボク、ボクだよ」イスラム国では子供も自爆戦士に仕立てている、そんな恐ろしい時代。年端もいかぬ子供をテレホンアポインターに抜擢しても何もおかしくない。気を許せば売れ残った仮面ライダードライブのグッズが送りつけられるのだろう。警戒を解かずに「どちら様でしょうか。ご用件を手短かにお願いします」と事務的に対応した。

「クリスマスには、トッキュウジャーね」声の主は甥であった。僕の弟の4歳になる三男坊。なぜ、見慣れない番号なのかというと10年前、義理の妹に着信拒否されたことに憤りその番号を削除していたからだ。近しい親戚だけで行われた弟夫妻の結婚式に招待されなかった悲しみが僕の心から消えることは決してないだろう。

子供の頃、両親以外からクリスマスプレゼントを貰ったことがない僕は、甥からのリクエストをリアルにとらえることが出来ず、そのまま黙殺し平和な時間を過ごしていた。しかし、クリスマスから一週間が経とうとする今日になって親から「なぜクリスマスプレゼントを贈ってやらないのか。ひとでなし」と詰められた。そのやりとりを妻に愚痴ったら「それだから殿は大きくなれないのですよ…」と呆れられた。詰られたり、呆れられたりする意味がわからない。大きくなれないはダブルミーニングなのだろう…


経済的な理由でキャバクラのお姉さんにもトッキュウジャーを贈っていないのに、なぜ、日々可愛げがなくなっていると思われる、1年も顔を合わせていない甥にトッキュウジャーを贈らねばならないのか。ギブアンドテイク原理主義者ではないけれど、基本的には与えられたものに対してだけ返せばいい、そんなスタンスで生きてきた。なぜ叔父叔母伯父伯母からクリスマスプレゼントを頂いた経験のない僕が甥にトッキュウジャーを贈呈しなければならないのか。悪質なオレオレ詐欺と変わらないではないか。

もしかするとプレゼントを「両親から限定」と定めていた我が一族だけがおかしく、他の家は両親に加えて叔父叔母伯父伯母などからプレゼントを貰い、暖かいクリスマスを送っていたのかもしれない。両親や叔父叔母伯父伯母が会談し「経済的に大変だからやめようね」と密約を交わしたのかもしれない。真実を知りたい。教えてほしい。

もちろん僕は両親たちを信じている。叔父叔母伯父伯母からのクリスマスプレゼントなどファンタジーで、実態などない、内田裕也のヒット曲のようなものだと信じている。けれども、もし、僕が信じ続けてきたクリスマスプレゼントの流儀が世間様と異なるのであれば、僕は貰うべきものを貰っていないわけで、不惑を迎えた今になって叔父叔母伯父伯母に請求しようとは思わないけれど、今後、彼らに対する見方を変えなければならないだろう。