Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

実録・月1時間残業するとこうなる

「私は何百時間残業しているスーパー社畜だ!」「僕なんか何十時間の残業でこうなってしまった!」そういう社畜自慢が流行っているみたいなので、営業課長である僕もそのビッグウェ―ブに乗ってみたいと思う。結論からいうと僕はカラダを壊して5月から8月までの3か月間休んでしまった。もっとも僕の場合、残業自慢のスーパー社畜の方々に比べれば圧倒的に恵まれた職場環境にあるため、脆弱な僕自身サイドにかなりの問題があると思われるけれども、まあ、それは。

 

会社からウチの会社には残業というものは一切ありませんといわれる。

前提条件。会社は所定時間での退勤を命じているのに所定時間以外に働いているのは個人の自由、会社は一切関知しないことになっているそうである。見え隠れする「ノルマが過大なのではなく、能力がないのだ」という素晴らしい思想。むしろ残業はルール違反であるのにスルーしてやっているのだよと恩着せがましくいわれる。サイコー!

 

残業のおかげでリッチに

「残業は存在しない。ゆえに残業代も存在しない」が人事の公式見解。会社の財布に優しい。もはやサイコ。

 

生産性が大幅に向上、職人技も習得

「君は明日から海の家の店長代理だ」社長の鶴の一声で海の家に就任したのが昨夏のこと。参考までに申し上げると昨年の8月、僕は海の家の店長代理をやらされたときの僕の勤務は6時から19時までなので8時間を基準にすると毎日平均5時間オーバー、月に換算すると140時間超。その大半の時間、摂氏50度超のカラダに優しい真夏の鉄板の前という素晴らしい環境で焼きそばを調理していた。店長に残業はつかないうえ、後半になると眠りながらでも超速で焼きそばをつくれるようになったので一円当たりの生産性が大幅にアップ。ただで営業に役立つ焼きそば調理技術も習得。コストパフォーマンス最強。ちなみに体重は8キロダウン。ライザップも要らないのでラッキー。いいことしかない。

 

酒量の増大

ハードかつ充実した現実をより彩鮮やかにするために酒量が増えたうえ、酒の種類が変わる。ビールやワインといった庶民の酒から、大五郎4リットル、ビックマン5リットルという高級酒を買ってきては空ける生活に。頭の回転が異常に早くなり今まで必ずひっかかっていた九九の七の段をミスしなくなった。

 

イケメンに

体重減とともに白髪が増大。枯れ専の女性から「前よりいい」と言われるようになる。ただし枯れ専ガールのほとんどがメンヘラで残りはBBAだったので実利はなかった。

 

家庭円満になる

 「なかなか家に帰ってこないし、最近充実してるみたいでホントによかったです」と妻に褒められ家庭円満。ちなみに弱音を吐くと「武士の末裔のくせに情けない」の一言で終了~。

 

職場が明るくなる

世にいうところの残業をしているのが当たり前になると、残業という概念そのものが蒸発する。「世間でいうブラック企業に比べれば俺たちまだマシじゃね?仕事も命もあるし」というポジティブシンキングが浸透して職場が明るくなる。笑顔が凝固している同僚がいたけど気のせいだと思う。残業?はあ、なにそれ?って悟りの境地。

 

体を壊して自分を責める日々を過ごす

そんな日々を数年ほど過ごしながらの今年の5月。ある朝突然に眩暈と吐き気と頭痛がひどく出勤が困難になり3か月休むことになる。内臓が壊れたくらいで、充実した職場環境を放棄してしまったクッソーという罪の意識でさいなまれる日々を過ごす。もっと働ける強い体と精神力を得るために写経をはじめたのもこのころ。自分の脆弱な心身が憎い。

 

まとめ

以上のことはすべて所定時間内に行われたことになっている。残業なんてないよー!なので1時間たりとも僕は残業していないことになっている。1時間でも残業したら…考えるだけで恐ろしい。けど考えてしまうドエムな僕。仮に一時間でも残業をしたら理由書や始末書を出さなければならず評価は地に落ちるだろう。恐ろしい恐ろしい。

僕から言わせれば、残業何時間とアッピールできるのはまだマシで、残業そのものがなかったことになることの方が闇なんだよ。特に僕のような管理職になると、残業代が発生しないので、世間でいうところの残業をいくらさせても会社の財布は痛まないしね。それでは皆さん、僕に負けず劣らずの充実したサラリーマンライフを送ってくださいね!

(この文章は胃痛にたえながら20分間で書かれた)