Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

いま求められているのはパクる力かもしれない。

五輪エムブレム、Copy_writing、元セクシー女優現女流漫画家…最近、パクり行為が原因で炎上して滅亡する人をよく見かける。パクり行為がなぜこれほどまで叩かれるのか。著作権を侵害している、倫理的に許せないあたりが表向きの理由で、それは間違いのないところだけれども、実のところは「ズルをして楽をしやがってムカつくわー」そんな、庶民にありがちな妬みに似た感情が大きいのではないだろうか。

生活保護の不正受給に対する反感を思い出して欲しい。人は有名人であれ、一般ピーポーであれ、他者が楽をして金を得たり功名することに対して異常にムカつくようである。パクりに対しても、楽して儲けやがって有名になってズルい!ムカつくわー的な感情から反発がなされ、炎上につながったのではないか。恐るべしムカつきパワー。

しかし、確かに著作権侵害は許される行為ではないが、上記のパクリエイターの彼らは、本当に楽をしているといえるだろうか。僕にはとてもそうは思えない。あなたがパクり行為に手を着ける瞬間を想像してほしい。平均的な人間が持ち合わせているであろう「こんな恥も外聞もないみっともないことは出来ない」という美意識や倫理観。「パクりがバレたときにどんな事態が起こるのか」を想像する力。それら平均的な人間が持ち合わせているものをメンタルトレーニングによって克服して、パクっている彼らの涙ぐましい努力を想って僕は涙が出そうになる。とても楽をしているなんて言えない。尊敬…いや畏敬の念を持ってさえいる。パクリエイターが乗り越えたであろう葛藤、言い換えれば面の皮の厚さに。

パクリとは、己の上昇志向に才能と努力が追いついていないことのあらわれにすぎないのだ。なんて哀しい行為なのだろうか。僕はパクリエイターを批判するつもりはない。ただ、才能と努力と美意識と想像力と倫理観と知性が足りないだけなのだから。ひとことでいえばおバカさん。

特に、具体的な代表作品名をここに挙げるのは問題なので匿名で「女パクり飯」とさせていただくが、その作者の方は、自作をパクった相手を徹底的に糾弾したあとで己のパクり行為が露見するという、元セクシー女優らしい体を張った、ブーメランのような自傷行為まがいのエンターテイメントを見せてくれたので、もういいではないかという気持ちになる。僕は、作品のパクリ元ネタを探すという新たな楽しみ方まで提示してくれた某先生には感謝しているくらいだ。

僕もパクッて楽をしたい。それも徹底的に楽をして生きていきたい。楽をするというのは、言い換えれば、時間や手間をかけないということである。悲しい宿命というべきだろうね、僕はクオリティは別として、他人の創作物を乞食のように漁ってパクるよりも自分でクリエイトする方が断然速いし手間もかからない。また、美意識や倫理観がパクろうとする自分にストップをかけてしまう。つまり僕にとって楽をするというのは自分自身で考えて作り上げることなのである。いいかえれば僕にはパクる力がない。くっそー。上記のパクリエイターの方々が体を張ってパクりメソッドを開発していただいたのに、それを活かせないことについては大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

僕はパクるよりもパクられる人間でありたい。とりあえず女子大生扮するミニスカポリスにパクッていただけるよう、これからは前を見て、ただ前を見て進みたいと思いますのでみなさんよろしくお願いします…というSMAPのパクリでこのまとまらない拙文を締めくくりたい。

(この文章はパクり行為なしで18分間で書かれた)