Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

会社で嫌われてしまいとても悲しい。

同僚から嫌われてしまった悲しみが、世間的には黄金週間だが、弊社的には五月病やウツを患うどころか半勃起する暇すらないほどの繁忙期に働き続ける僕の中から消え去らない。黄金週間前の、一年でもっともウキウキする季節にトイレの個室で用を足しているときに自分の悪口を耳にするほど切ないこともないのではないか。「人をバカにしやがって!」「あの嫌味ジジイ」「同じ会社じゃなかったら殴ってる」などと僕を詰る若手同僚たちの声、声、怖えぇ。命が危ない、絶対に存在を悟られてはならぬ。肛門からブブブ音が漏れないよう細心の注意を払いながら悲しみと便意と若手同僚たちをやり過ごした、あの、耐え難い時間を僕は生涯忘れないだろう。


人に嫌われるのは構わない。ただ、僕がバカにするような態度や口ぶりをしたというのは完全な事実誤認なので納得いかない。発言の撤回を執拗に求めたい。なぜなら僕は若手同僚をバカにしたことなど一度たりともないからだ。人をバカにするとは相手を軽んじること。僕は神に誓ってそんなことはしていない。同僚たちに対してだけではなく、今までの人生においていつも全力で真摯に相手に向き合ってきたつもりだ。悪意の塊のような上司。ゆとり世代の後輩。いつも相手のレベルに合わせて真摯に真正面から向き合ってきた。相手の土俵に立つとでもいえばいいのか、相手が優秀であれ、劣悪であれ、対象に合わせた対応をしてきた自負が僕にはある。


たとえば僕はものすごい早口なので、それなりの人に大事な話をするときは意識的にゆっくりと話をするように心がけている。それなりな人には出来るだけ難解な言葉を排し、わかりやすい日本語を使うようにもしている。《きみの…おしごとの…すすめかたは…コウリツテキではないから…あ、コウリツテキではないってわかりやすくいうと、ものすごーくヘタクソって意味なんだけど…とにかく…なおしたほうがいいと思うよー》そのような僕の細やかな気づかいに基づいた話し方や態度を受け取る側が「バカにしている」と感じたのなら残念でならない。


厳しい言い方をすればバカにされていると感じたのなら、それは鏡に映る自分の姿を見るように、己の程度を目の当たりにしているだけなのだ。僕にバカにするような意図はまったくないのだから。しかしそれは言い訳だろう。相手がバカにされていると感じてしまったのならば、自分の失敗を認めたくはないけれども、僕のやり方、対象の評価が間違っていたと認めなければならない。つまり当該人物にミスマッチな対応をしてしまったということだ。不快な思いをさせて本当に申し訳なかったと反省している。反省しているから殴らないでほしい。


解決策としては、当該若手同僚一同をより低く評価し、さらにレベルを落とした対応をしていくしかないだろう。四十才を超えて相手にお付き合いして小学生レベルに落として対応しなければならない僕の苦労も知らずに陰口を叩いてしまえる、そのお気楽さが僕にはうらやましく、たまらなく悲しい。(所要時間23分)