Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

インターネットのおかげでLJDと知り合えた。

42年間罪深い人生を送ってきたので、これからは人の為に生きていきたいと真剣に考えている。具体的に申し上げると女子大生を守りたい。彼女たちの翼になりたい。そういう純粋な気持ちに衝き動かされた午前3時の僕はほとんど無意識のうちに米大手検索サイトの日本向けサービスで「女子大生」「助けて」と検索していた。するとどうだろう。困り果て救いを求めている女子大生たちが大勢いるではないか。僕は今までこの声を聞き逃してきたのだ。本当に、本当に、申し訳ない。こういうとき誰に謝ればいいのだろう、そういう人生において必要なことを教えてくれない学校に意義はあるのだろうか。その掲示板サイトは女子大生の他にも女子高生やOLや主婦が悲痛なSOSを発していた。女子大生以外に救いの手を差し伸べる義務や義理は僕にはない。残酷な言い方になってしまうが僕の目の届かないところで自力で頑張ってほしい。

 

一人の女子大生が悲鳴をあげていた。「横浜住みの学費に困っているLJD21歳です。意味わかる人助けてください」ラスト女子大生からの文字通り意味のわからないSOSメッセージからは必死さがうかがえた。一人の人間として見捨てられない。すかさず僕はメールした。そのメールアドレスはauキャリアメールだったので僕はそのLJDを情報弱者と判断した。困り果てたあまり精神の余裕を喪失しているのだろう、彼女は「とりまダラメなしで即決したいのと詐欺防止のためにLINEでやり取りをしたい」と申し出てきた。これだから情弱は。LINEはもはや現代人の生活を支える大切なインフラ。そのアカウントを見ず知らずの女子大生に易々教えるわけがない。僕はLINEの代わりに自分の携帯番号を教えた。

 

続けざまに届いた彼女からの「2時間2万円でお願いします」というメールの文面は僕をひどく悲しくさせた。僕は誇り高い中間管理職、課長だ。家の清掃。家庭教師。運転代行。どのような助けを望んでいるのかわからないが、僕の2時間をたった2万円で買収しようとは、随分と安くみられたものだである。それに僕は純粋に女子大生を助けたいだけなのだ。金をもらうわけにはいかない。僕は金はいらないと申し出た。「えっ何で?意味わからない」金は貰えない。なぜなら僕は君を助けたいからだ。「意味がわからない」 世の中は金じゃない。「お金がすべてですよ」違う。僕がそれを証明する。だから金はいらない。「マジでキモイ」

 

彼女のメールアドレスで検索をかけてみると、相当困窮しているらしくいろいろなネット掲示板でSOSビジネスを展開していた。ある場所では中古下着販売ビジネス、また別の場所ではプロマイド販売ビジネス。商取引に信頼感を得るためにいちいちアッピールする《成人済み》の四文字が無理に背伸びをしているようで悲しかった。しかし、ビジネスとしてはどれも酷く拙いものだった。僕は20年の営業経験で身に付けた商売のノウハウを授けた。サンプルがないのは絶対にダメ、商品を渡す前段階でのアマギフ先払いでは顧客のハートは掴めない、なぜプロマイドを売るのに顔の上半分隠していてはダメだ、それらを一方的に送りつけた。フェイスブックで彼女のメールアドレスを検索したら神奈川県のヤンキー学園を卒業されたヤンママのページが出てきた。赤ちゃんビジネスもやっているのかもしれない。

 

彼女からの連絡は途絶えてしまった。でも僕は信じている。彼女は今自分の力で這い上がろうと戦っているのだと。いつかそう遠くない未来、彼女は僕に電話をかけてくるだろう。それが僕へ救いを求めるものなのか、感謝を伝えるものなのか、わからない。願わくば後者であってほしい。だが僕は知っている。彼女は救いよりも父親の存在を望んでいることを。その証拠に彼女は様々な場所で父を欲し、父性を求めていた。パパ募集。パパ募集。パパ募集と。父親を求め、父性を欲する彼女の強い願いが種無しの僕を父親へ生まれ変えてくれるかもしれない。(所要時間28分)

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