Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

リストラという名のやりがいある仕事を紹介します。

会社からリストラを任されているけど、斬鉄剣で社員を左から右へシュパパーンって切るような心の無いリストラ・マシーンにだけはならないように気をつけている。うん。僕はリストラ執行人、正義の味方リストラマン。リストラマンになる前はずっと営業マンとして営業畑を耕してきたので、いざリストラ!ってなっても事業所の細かい数字や業務の細部はわからないことも多い。だが2ヶ月ほどリストラってみてわかったことは、業務や現場のディテールを突き詰めることは大事だけれども、それによって見落としてしまうこともある、ということだ。ディテールにとらわれずに大枠で把握することも大事なのだ。現場で業務に当たっているスタッフは基本的に真面目でよくやってくれているけれども、ともすると大局的な見方を失いがちだ。なので査定する僕はあえて意識的に大枠で捉えるようにしてリストラってる。とある営業所に僕はメスを入れた。その営業所は営業時間が7時から20時までと長く、そのせいで労務費がかかりすぎており、想定の利益が出ていなかった。慢性的な人不足もあり、スタッフにも負荷がかかっていた。僕は営業時間を短縮した。営業時間をランチタイムだけに絞ったのだ。売上高は下がったが、利益と利益率は上がったので大成功だったと自負している。営業時間短縮に伴い、何人かのパートスタッフを切り捨てることにはなったけれども、僕はリストラマシーンではなく心優しい正義の味方リストラマン、該当するパートスタッフたちには営業マン時代の横のつながりを駆使して同業他社の同様な仕事を紹介、面接の設定までは世話をした。おばはんに感謝されたいとは全く思わない。JD以外の人間にどのような感情を持たれても僕には無意味だからだ。僕を動かしたのは怨まれたくないというネガティブな気持ちからである。些細なことで包丁で刺される悲しい時代だ。痛いのは嫌だ。だが、怨まれた。「余計なことをしないでほしい」「あなたが来なければ皆幸せだった」「死神」いろいろなことを言われた。僕は与えられた仕事をこなしていただけだというのに。きっつー。ディテールまで精査してみたところ厳しい現場で黙々と真面目に働いているように見えたスタッフは残業代目当てでたらたら働いていた。僕はこういうタイプの人をサイレントクズと呼んでいる。真面目に働いている善良なスタッフと巧妙に働いているように見せているサイレントクズを見分けるのは非常に難しい。善良なスタッフをサイレントクズと誤って見てしまうこともあるかもしれない。またも恨みを買ってブスっ!である。民衆の中に紛れたテロリストを見つけ出すのはCIAでも至難の技だ。僕に出来るわけがない。誰が敵で味方なのか…疑心暗鬼になって心身ともに磨り減るくらいなら、善良なスタッフもサイレントクズも関係なく切ってしまった方が気分が楽だ。こうしてリストラマンの僕は血も涙もないリストラマシーンへとジョブチェンジを果たしたのである。全員、首チョンパ!サイレントクズの方々は組合的な組織を介して会社や僕に働きかけてくるらしい。分かり合えやしないことを分かり合うしかないし、それを割り切りというのだろうけど、最近割り切る機会が増えてきた気がして、なんだか寂しくもある。(所要時間16分)