Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

試用期間中の僕にもたらされた非情な通告に戦慄しています。

新しい職場で働きはじめてから3週間、おかげさまで充実した時間を過ごせている。とはいえ絶賛試用期間中。8ヶ月に及んだ苦しかった失業期間。一族郎党からの冷たい視線。減っていく一方の預金残高。書きっぱなしで放置した履歴書。あんなツラい思いをするのは二度とごめんだ。そんな強い悔恨と大きな反省から、僕はこの試用期間を無事にやり過ごすことだけに集中している。「自分ならこれくらいは出来ます。費用対効果を見てください」つって自分を売り込んで決めた手前、一層の慎重さが求められている。元ロッテ・オリオンズの愛甲選手が執筆された名著「球界の野良犬」で学習した《エサは貰っても尻尾は振らねえ》精神を表に出さないよう、常に上役の目を気にしながら仕事に当たっている。ミスしませんように。輪を乱さないように。丁寧な仕事を心がけるように。そう、毎日、祈るような気持ちで出勤している。40代半ばに差し掛かった僕には次はあるかどうかわからないのだ。だが、そんなささやかな祈りに耳を傾けてくれる神はいなかった。試用期間を必死に生きる僕に悪魔の通告が来てしまい、今、僕は頭を抱えているところである。上を見て仕事していたせいだろうか。悪魔は下からやってきた。具体的には下腹部からやってきた。

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診断/前立腺肥大症。早期の入院と手術が必要。試用期間も終えていないのに一時離脱を余儀なくされてしまった。「健康面は問題ないよね」「まったく問題ありません!」ボスとのこんなやり取りが悔やまれる。「年齢が年齢なので相応にガタがきてますが、なんとか誤魔化しています」と言えば良かったか。人生に正解はないと思い知らされる。ドクターからは先っちょから管を入れてチョンチョンやるだけと言われたが何の慰めにもならなかった。仕事出来るマンをアッピールしながら、いきなり前立腺肥大マンに堕ちてしまうとは、この世に神はいない。病気とはいえ試用期間に一時離脱するような人間を果たして雇い続けてくれるだろうか、不在の間にやっとの思いで得た席を誰かに奪われてしまうのではないか、不安で仕方ない。今、僕は不確かな将来を前に不自由な前立腺と戦慄している。(所要時間10分)