あれを見つけたのは去年の夏のことだ。会社でへとへとになり缶ビールをちびちびやりながら帰ってくると夕暮れのなか家の前にぼうっと白く浮くようにそれはあった。ウンチ。それは桃色のティッシュに包まれて。ティッシュは埃と湿気を孕んだ夏の風に揺らされて。冗談みたいだけどそれはまるで小さな天使の羽根がゆっくりと羽ばたいているようで。ウンチの傍らにはファンシーな便箋が置いてあった。あたかも天使がイタズラ描きを残したように。試作品626号の柄がプリントされた便箋にはひとこと。可愛らしい小さな文字で。
あれを見つけたのは去年の夏のことだ。会社でへとへとになり缶ビールをちびちびやりながら帰ってくると夕暮れのなか家の前にぼうっと白く浮くようにそれはあった。ウンチ。それは桃色のティッシュに包まれて。ティッシュは埃と湿気を孕んだ夏の風に揺らされて。冗談みたいだけどそれはまるで小さな天使の羽根がゆっくりと羽ばたいているようで。ウンチの傍らにはファンシーな便箋が置いてあった。あたかも天使がイタズラ描きを残したように。試作品626号の柄がプリントされた便箋にはひとこと。可愛らしい小さな文字で。