Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

オッサンTV3/平民新聞とファミスタ対決篇+1986年、僕らはファミコンキッズだった


 ゴールデンウイーク真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今日はゴールデンウイークなのに部屋でインターネットを眺めてる寂しい皆様のために、平民新聞id:heimin)の平民金子氏とのファミスタ平成の名勝負(@平民金子宅)の模様をお送りいたします。酔っ払いのオッサン二人による熱いバトルをお楽しみください。



求ム対戦相手!ぐだぐだな動画だけをお見せするのもなんなのでオマケの文章を。


※1986年、僕らはファミコンキッズだった


 久しぶりのファミスタ対戦プレイは楽しくて、帰りの電車のなかで僕は元祖ファミスタが出た頃に思いを馳せていた。1986年。すなわち昭和61年は僕が中学生になった年であり、すこし前に発売されたスーパーマリオが空前のヒットを記録、今でも続篇がリリースされ続けているドラゴンクエストゼルダの伝説悪魔城ドラキュラたけしの挑戦状がこの世に産み落とされた記念すべき年だ。今でもムズムズと僕の指先を疼かせるのは最新のゲームではなくてこのころのファミコンソフトのリメイクを見かけたときだったりする。名作バースデイのオンパレード。ついでに高橋名人が十六連射でアイドルになったのもこの年。ついでのついでに毛利名人と橋本名人。橋本名人、マイナー過ぎるね。でも。でもね。ファミスタなのよ。プロ野球が好きだった僕にとっては何といってもファミスタ。俄然ファミスタ。断固ファミスタファミスタ前と後ではスポーツゲームの歴史が変わった。ま、任天堂のベースボールもそれなりに面白いゲームだったけれど、なんていうか、画面のなかでボールを追っかけているキャラクターが無個性で感情移入しきれなかったのだ。僕らはベースボールで遊ぶとき、ボンクラ少年なりにイマジネーションを最大限に発揮して、頭のなかで勝手にジャイアンツやタイガースのスターティングラインナップを名無しのキャラクターに貼り付けて「原タツノリまたもチャンスに凡退!」「西本のカミソリシュート!」なんてワイワイと騒ぎながら遊んでいた。オリオンズが好きだった僕は(トイレが男女共用だった、ワケのわからん蕎麦だか饂飩が名物だった、いつも観客が少なかった、素晴らしき今は亡き川崎市民球場)「打ちました落合!」「勝ちましたサンデーチョージ!」なんて大声を出していたけれど当時パ・リーグは今よりもずっとマイナーな存在で誰それ?って感じでイマイチっていうかイマサンくらい友達にウケなかった。まあ、ボンクラ少年の涙ぐましい創造力で補完しても画面のなかのキャラクターはいつまでも無表情で、無愛想で、いつの間にか僕らのベースボール熱は冷めていった。そんなときだ。ファミスタがやってきたのは。もう、レボリューションだった。当時流行っていた渡辺美里のヒット曲で覚えた単語、レボリューション。そのとき僕はマジでレボリューション!て叫んだ。ここで「トップ・ガン」でトム・クルーズが着ていたジャケット(名前なんだっけ?)に夢中になった人間と、ファミスタに夢中になった人間、二種類の人間が生まれて後々の人生の大きな分岐になったような気がしないでもない。で、ファミスタ。セ・パ両リーグのチームが、選手が使える!選手の能力値が設定されている!変名だったけれど、我が愛しきオリオンズはフーズフーズなんてダサい名前の球団に編成されていたけれど、僕らには十分だった。連日のように放課後はファミスタでトーナメントやリーグ戦、僕はフーズフーズを駆使して偽ジャイアンツ、偽ライオンズと激戦を繰り広げていった。弱体投手陣をカバーするために、奇声を発する、相手の視野を遮る、といったゲリラ戦法が僕の常套手段だった(今も変わらない)。さすがに必殺!対戦中のポーズボタンは友情に多少のヒビを入れる結果を招いたけれど。クラスにひとりはプロ野球選手を夢みている時代の愉快な時間だった。こんな時間があの頃、日本中の至るところで流れていたんだ。昨日、ファミスタで遊ぶ前に平民君と「あのころのファミスタの選手データで遊びたいっすよ」「マキハラからバース、掛布、岡田のバックスクリーン三連発をかっ飛ばしたい」「マサカリ投法」「ドラクエ3で行列に並びました」「ドラクエ抱きかかえ商法で飛龍の拳がついてきたよ」なんて話をした。あのころ、僕と彼は何百キロも離れた町で暮らしていたはずだけれど、ファミスタで対戦しているとき、まるで当時一緒にファミコンをやっていた友達のような感覚がした。ファミスタを媒介に僕らは過去を、時間を共有できる。そんなファミコンファミスタのある世界を僕は素敵だと思う。

※追記 平民君が最高のアンサー日記を書いてくれました。
Everything You’ve Ever Dreamed 〜2009年のファミコンオッサンたち - 平民新聞
http://d.hatena.ne.jp/heimin/20090505/p1