Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

妻が出ていった。


 妻が家を出て一週間が過ぎた。理由は姑とのトラブルと推測されるが、検証と気持ちの整理のために日記という体裁でここにまとめておこうと思う。正直いって理由がわからず、不安でたまらず、若干改善が見られていたEDに影響が出かねないので、先達のご意見やご指導を頂戴できれば幸いである。
 

 妻にとって母との同居は想像以上にストレスフルであったようである。妻は僕と2人でいるとき時々「楽しいけど息苦しいときもあるよー」と息苦しさの原因を明かさずに漏らしていた。原因が母にあることは想像にかたくない。否、母以外に考えられない。母の無言の重圧。それに尽きると僕は思っている。


 たとえば家事。妻が家を出る直前の我が家の主な家事、炊事、洗濯、掃除を平日は母、休日は妻が担当していた。母は時折「休みの日にシノちゃんが家事をやってくれて助かるわ」と言い、妻は「オカーサマが仕切ってる台所や洗濯機を使わせていただき恐縮ですー」と言う。

(追記)
たとえば五年来僕が患っている病。「スカイツリーだって三年で立ってるのにだらしのない」と母が切り出せば「せめて一夜城でも…」と妻が返歌。「立たぬなら殺してしまえバイアグラ」と妻が切り出せば「気合が足りないからダメなのよ。添え木を当てるなりセメントを塗るなりして立たせなきゃ」と母が返歌。


ことあるごとにそれが一番大事と言わんばかりに二人で合唱。インポ、インポテンツ、インポ、インポテンツ、インポータント。僕をネタに連帯してくれればそれでいい。僕のなかに鬱屈とした感情が蓄積していったのはともかくとして。(追記ここまで)


 表面的にはうまくいっているように見えるが、「平日:休日=5:2であるし、裏では…」と案じた僕がその都度「母さんも、シノさんも、お互い実はそんなに相性がよくないんだろう?無理しないようにな。無理をしないことは大事だけど空気を読んで、その、人を寄せつけないオーラ、わかりわすく言うとATフィールドのようなものを醸し出さないように」と的確な助言をする…というようなことを繰り返しているうちに事態は悪化していたようである。家事が火事にクラスチェンジ。ただ、不思議でならないのは、家を出るという大きな決断をするのに、きっかけとなるようなことがあるはずだが、それが僕には皆目検討がつかないことだ。


 家族を維持するには、維持しようという意思と弛まぬ努力、それとちょっとだけの幸運や奇跡が必要だと僕は思う。


 一週間前の夕食時。事態の打開をはかるべく僕は妻と母に言った。難しい言葉はいらない。「僕らは家族だ。言いたいことはなるべく言うようにしよう。母さん、今日の味噌汁はとびきり不味いね。あっ。言いたいことを言うときは冷静でなくてはいけないよ。興奮してはいけないよ、シノさん。僕が君に対して性的な興奮をまったく覚えないようにね」。翌日、妻は出ていった。理由はわからない。他者がわからないほどに嫁姑の確執は深いようである。僕は出ていく際の妻の言葉とちょっとだけの幸運を信じて待つつもりでいる。「嫌いじゃないけど、今は無理ですー。これは戦略的撤退なのです」。


ツイッターやってるよ!→http://twitter.com/Delete_All/