Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

ボーナスが出たよ(^_^)v

 諦めかけていたボーナスが出た。ありがたい。金額についてはマル秘なので明かせないが0.0Xヶ月ベース。有り難い。理由がないと暴動が起きるところだけれども、幸せなのは全社員納得の明確な理由があることだ。朝礼でトップの人が「この冬のボーナスはアベノミクスのせいでこれしか出せません」と言っていたからだ。

  昨年は「政府が無策なせいでこの額に相成りました」と仰っていた。現在猛反発を食らっている麻生太郎副総理の「儲けられないのは経営者に能力が足りない」発言に一理あるように思えてしまう。円安とか消費停滞とか関係ない。能力不足、責任回避がその理由。気付きを与えてくれたタロー・アソーには感謝しかない。頑張ってほしい。

  トップの人が「なお、本年の仕事おさめは社会的事情を鑑みて例年より半日早く、12月31日午前とします」と聞き捨てならぬことをサラッと言い終える前に、同僚たちの何人かは「うわっ。もうこんな時間だー」「電話かけねば」と口々に言い、外回りに出かけたり、どこかに電話をかけだした。その様子は僕に沈没船から我れ先にと逃げ出すネズミの群れを思わせた。

「子供の頃、ガンバの冒険好きだったなー」と現実逃避をしているうちに「今こそ、カネではない、本物の会社愛が試されている」というトップのトップによるトップのためのワンダーな訓示はクライマックスを迎えていた。

 「拍手!」人事部長の言葉にあわせてパラパラとまばらな拍手が起こった。人事部長は続いた。その話の内容は、このしょぼいボーナスで退職を考える人がいるかもしれないが少し考えて欲しいというものだった。少し待て?何を退職の抑止力にするつもりなのか。営業のいいところはポータビリティーとでもいえばいいのか、仕事の出来る営業マンならどの業界にでも転職出来るところにある。僕も40才なので時間的猶予はさほどないけれども、将来的なビジョンが示されるのなら、少し足を止めて考える価値はあるかもしれない…。僕は期待と興味を持って耳を傾けた。

 人事部長はこう言葉を紡いだ。辞めるのは労務費の圧縮にもなるので一向に構わない。但し、今やっている業務で引き継ぎ等の不十分により会社に損失を与えたら、その額の大小に関わらず損害賠償を起こすので覚えていて欲しい。そんな夢に溢れる脅迫であった。

 確認したところ、営業職で数千万の案件をかかえている僕が今辞めた場合、その額を請求する可能性があるらしい。まったく有望な案件を持っていない同僚は請求されることなく辞められる。仕事をしない、出来ない人だけが自由に海へ逃げられる。実に素晴らしい少数精鋭組織の作り方だ。

 沈みゆく船から脱出しようにも周りは火の海。溺死か焼死か。そんなビジョンが僕の頭に浮かんだ…。僕がガンバになって仲間たちと共に戦えばいいのだろうけど、そんな仲間はもういない。