死んだ上司(部長)は相当にヤバかったけれど、時代が追いついたのだろうか、今振り返るとかなりカッコいい言動をしていた。今日は特別に、部長が次世代に遺してくれた言葉の中から、カッコいい、明日への活力になるものをご紹介したいと思う。
1.「これは見なかったことにしてください。改めてご期待に応えられるブツをお持ちします」
企画見積書に相手が難色を示すや否やそれをビリっと破きながらの超カッコいい言葉。再提出するのを忘れなければ本当にカッコ良かった。
2.「当たり前田のクラッシャー!」「バッチコーイ!」
景気づけのシャウト
3.「映画みたいなことは言いたくないが…いいか、事件は現場で起こっているんだ!!」
超かっこいい言葉ナンバーワン。現場からの緊急連絡に対して「現場で対処しろよ。うるせーな」と突き放すクールさに震えるしかない。
4.「俺に民事不介入の原則を破らせる気か?」
いつの間にか国家権力になっていた部長。
5.「必要悪は俺ひとり十分だ…」
部長対必要悪君、善と悪をめぐり、スーパーマンVSバットマンより早い戦いが行われていた。ウチの会社で。
6.「最後に…私事になりますが、先日一年間別居しておりました妻との協議離婚が無事成立いたしましたことを皆様にお伝えして、これを新郎新婦へのお祝いの言葉に代えさせていただきます」
僕の結婚パーティーでのクレイジーなスピーチ。おめでたさしかない言葉。
7.「結婚生活には三つの袋がございます。一つは給料袋、二つ目は堪忍袋、三つ目は、えっと、玉袋だったか…まあ、いいでしょうそんなつまらん話は」
同僚の結婚パーティーでの部長の熱いスピーチ。その結果ごく短期間で同僚は離婚。祝儀を返せと執拗にせまる上司に刻の涙をみた。
8.「たとえ法律が許しても俺が許さない」。
犯罪者に対する厳しい言葉ではなく、年休取得しようとする部下に対する部長の厳しい言葉。きっつー。
9.「真実を明らかにするとかただの世間知らずだろ…」
刑事ドラマを全否定。かっこよすぎる。
9‐B.「努力も何もしてないけど負けると悔しいから次は頑張ろう…と思うけど明日になると忘れてしまう」
人間の美しさや強さを的確にあらわしていて感心する。
10.「腹を切って話し合いましょうや」
切腹マニア。愛読書はもちろん三島由紀夫。
11.「よく誤解されますが私たちは商品を売っているのではございません…商品がもたらす気持ちのいい時間と経験、言い換えればぬくぬくに心地のよい暖かい春を売っておるのです…ぬーくぬく」
全体的にアウト。
12.「負けたときの悔しさを少なくするために努力はしないことにしている」
真リスクコントロール
13.「そんな仕事をしか出来ねえなら会社ヤメろ。俺たちはプロなんだからよ」
カッコ良さの極北。問題はただひとつ、これ、失注を告げる顧客に対する言葉という点。事実が小説よりもクレイジー。
14.「勝負はスリーアウトからだ」
口癖。当時はバカにしていたけれども、人生にはこういう心意気が必要なときもあるのだと最近になってわかった。
15.「九回裏ツーアウトフルベース、フルカウント。同じ押し出しをするならフォアボールではなくデッドボールを喰らわせたい。試合に負けても相手の選手生命を奪えればいい…」
リアル・アストロ球団、「殺人L字ボール」ここに爆誕。
16.「謝罪を執拗に求めてくる奴らは…謝れば謝ったで今度は謝り方が悪いといって謝り方に対して謝れといってくる…謝る対象が増えるだけで永遠に終わらないのだから謝らない方がいいんすわ…」
意外と真理をついているような、そうでもないような…。
17.「俺たち営業部はチームだ…俺のワンマンチームだ…」
18.「随分と民度が低いな…要再教育だ…」
得意先の受付嬢に冷たい対応をされたときの、未来の日本を嘆く言葉。
19.「いや~ちょうどこちらからお断りの電話を入れようと思っていたところです」
契約解除を告げる電話に対してのカウンターパンチ。自称、世界一の負けず嫌いのカウンターは鋭く、「電話代まで持ってくれて申し訳ございませんが、多忙なので切らせていただきます」と話をブチ切る姿に濡れる。
20.「見ろ…あの女、さっきから俺を見ているぞ…見ろ…俺に向かって歩いてくーるー」
仕事がデキる男は、居酒屋で注文を取るときもとことんポジティブ。居酒屋ワンダーランド。
21.「なるへそ。あなたの言い分はわかりました…。で、いくら?一丁前の御託並べても結局は金なんでしょ。めんどくせえなぁ…」
クレームに対しても堂々とした態度で対応。悲しいのはこの発言が問題となり新たなトラブルに発展したこと。具体的にいえば某団体による会社前でのシュプレヒコール。
22.「気にするな…「頼れる上司」を実践したまでだ…」
居酒屋で部下に金を出させるなどして気楽に部下に頼れる上司をアピールしたあとの御言葉。昨今の「ら」抜き言葉に対しての警鐘。
23.「課長の立場で部長にクソ生意気なことを言う…これは組織を揺るがしかねない問題だ…」
クライアントの担当課長に対する宣戦布告。
24.「ご粛正ありがとうございました」
ただ、「ご静聴」の間違えで片付けるには惜しい、凛として美しい日本語。喪われた日本の美徳。
25.「悔しい思いをしたくないから、人は怠ける。やればやるだけ、投資すれば投資するだけうまくいかなったとき損をする…。俺から言わせれば、たやすく努力すると口にする輩は人生を生きていない…」
深い。そしてひたすら不快。
26.「とりあえず鬱で」
上司が会社を休む理由。
27.「この件はお前らに任せた…ただし!責任の所在は曖昧にしておけ…」
自称撤退戦のプロの言葉は重く、ひたすらファジー。
28.「誤解しているようだが、元来、やらなきゃいけない仕事なんてない…」
世の仕事論を根こそぎ否定。
29.「責任は俺が取るとわざわざ言うのは自己満足にすぎない…責任は黙って取るもの…それゆえに俺が取っている多くの責任は日の目を見ない。無論お前らボンクラ部下たちの目にも映らない…」
まったく気づかなかった。ステルス責任所在。部下だけがストレスフル。
30.「別れた女房にも聞かせたい話でございました…」「お話が心地よくて思わず居眠りしてしまいました。イビキはかいておりませんのであしからず…」
得意先の偉い方の後援会のあと、感想をもとめられての言葉。ほめているのかバカにしているのかわからない。
31.「社長のお嬢さんはお二人もおられるのですか、で、どちらのブスがお姉ちゃんです?」
得意先へのテロ行為→これがきっかけで取引縮小。
32.「報告は飽きさせないように起承転結を入れて十秒で」
部下を鍛えるために厳しいルールを設定。
33.「やっと弊社も御社のようなブラック体質になれました…」
得意先にて。グローバルに黒字化をブラックと表現。ワタミで乾杯。
34.「労使混同はヤメろ…お前らはただの下っ端だ…」
言葉巧みに部下を調教。デキる男は違う。
35.「強いていえば、人間の業…ですかね…」
クレーム処理の場でトラブルの原因を問われて、根源的かつ哲学的な問題を提示。かっこいい。
40.「お喜びください。虫も思わず食べたくなるほどの美味さと品質でございます」
商品(食品)に対するクレームに対するベストなアンサー。契約問題に発展したのは不幸なことであった。禍転じて大惨禍。
41.「今日頂いた貴重なご意見をしごいて、しごいて、しごきヌイて次回の提案にイカします…」
企画にダメだしをされたときの心が折れてないアピール。ただでは沈まぬ太陽。エロティックに聞こえるのは聞く側の問題。
42.「事故の原因?弊社の怠慢とチェック機構の不備、それといちいちうるせい客ですかね…」
クレーム対応の場での革命的な発言。頻発する食品事故の原因を鮮やかに指摘していてかっこいい。
43.「《速い》《安い》を追求すれば《安全》は損なわれる…当然の結果でしょう…。もうヤメにしませんか、こんなことは…。これからは《遅くて》《高くて》アーンゼン!」
日本の安全神話の闇を鮮やかについた勇気ある発言。発言通りに遅くて高額なサービスを提示して一時取引先と揉めることになったのは、たぶん、部長が未来を生きすぎているから。
44.「わかりました…原因を徹底的に究明されますか…。もし弊社の手落ちでなければ、御社は木っ端微塵だが、それでもよろしいか? 」
クレーム対応。謝罪の場のはずがイエスかノーかを問いかける場にクラスチェンジさせる、なかなか出来る芸当じゃないぞこれは。
45.「俺はチャンスをピンチに変える男だ…」
説明不要。勢いがあって元気が出る言葉。
46.「喪服を…貸してくれ…」
冠婚葬祭で休むことが多いのだが、実母の葬儀の際に喪服を所有していないことが判明。
47.「私情は動く」「動いている私情にどう対応するか」。ホワイトボードに書きなぐった魂の言葉。当時は「市場:の間違えと思ったけれども案外ガチかも。
48.「この件はお前の好きにやって構わん… 俺は一切感知しない…うまく行きそうだったら声をかけてくれ…」
チーム第一主義。何よりもチームの輪を大事にするリーダーの言葉。
49.「刺身が生なんだが」
もうね。最強でしょ。
以上である。これらのかっこいい言葉を、明日を生き抜く力にしていただけたら嬉しい。それではまた。