Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

人の結婚を笑うな

「まだ結婚しないの?」「どうして結婚しないの?」と言われるのがハラスメントなら、僕が公私及びリアル&ネットで毎日のように言われている「本当に結婚しているのか?」などは最強最悪のハラスメントになるのではないか。


そう言われても仕方ない。独身を満喫していた僕は、三十代も終わりに差し掛かったある日、突然、誰にも相談することなく、結婚したからだ。先日めでたく、どうしても前髪に注目せざるを得ない俳優と結婚された堀北真希さんと同じように交際期間ゼロでの結婚。交際ゼロ、交配ゼロ。そのような結婚が理解されないのも、キモがられるのもわかる。もし自分でなければ僕でもそう思ったはずだ。


しかし、その結婚を信じられない、認めたくないというのは僕の理解を超えている。僕に言わせれば皆様は結婚を美化しすぎてはいないか?「結婚かくあるべし」と形式化しすぎてはいないか?こんな説教じみた提言をするのは結婚出来ずに悩んでいる五十才の知人男性から「お前の結婚はウソなんだろ?」と言われたからである。僕は老婆心で以下のように申しあげておいた。「他人の結婚についてあれこれ言う前に棚にあげたままになっているありのままのご自分の醜悪なお姿を見つめなさい」それを聞いた知人はブチ切れていた。なぜキレたのかわからないが、キレる男は大概モテないものだ。


人をあれこれ評価するのは評価されるよりも簡単だ。最近は、安全地帯から言及出来るインターネットだと顕著だけれど、人を評価したがる人が本当に多い。評価出来ないもの、理解を超えたものは攻撃、あるいは否定。他人を許容出来ない人がとても多いように僕には思える。結婚や出産といった人生において大きな出来事についてになると「譲れないもの」「認められないもの」が特に強固になりがちだ。まあそれがどれだけ強大であっても別に構わないけれどもそれを他人に押し付けるなと僕は言いたい。それが正論であれ、正しく使えない正論は人を追い詰めるだけなのだ。


僕は自分の結婚スタイルを誰にも押しつけたくないしオススメもしない。12才年下のスタイル抜群の由緒ある血筋の桐谷美玲似のお嬢様とのお見合い結婚(妻検閲済み)。僕にはベリーイージーだったけれども、人の結婚すら受け入れられない人たちにとってイージーかどうかはわからないからだ。


僕と妻は子供を持たないと決めた。二人きりの部屋を少しでも賑やかにするために僕は必要以上にしゃべりまくっている。しゃべり疲れてしまうと沈黙がやってくる。当初はその沈黙が耐えられなかったけれど、最近の僕はその沈黙を楽しめるようになってきている。それのどこが楽しいの?と笑われるかもしれない。笑われても、理解されなくても、全然、構わない。僕の結婚はそういうものなのだから。

(この文章は20分間のタイプと1時間の検閲を経て世に出された)