Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

コンサルタントが会社を滅ぼすってマジかも

昨日、社長が闇コネクションを活用して召喚したITコンサルタントと会社ウェブサイトリニューアルについての打ち合わせをした。現在ウチの会社ウェブサイトの閲覧者は月千人に満たない。コンサルタント召喚は惨状を嘆いた社長の、1日経てば忘却される思いつきからのアクションである。営業課長の僕がその打ち合わせに参加することになったのは、ウェブサイトを管理する部署の唯一の社員がコミュ障であるため対話の出来る人間が必要とされたこと、数年前、僕が社長の個人ブログの更新を代行していた実績が評価されたからである。生命保険やリース会社の若いお姉さんに囲まれてバーベキューやハイキングに興じる社長の写真をアップしてインターネットを汚していたのがやっと報われたのだ。仕事に貴賤なしって本当なのだね。

 

コンサルさんは何か凄そうなキャリアを一方的に話し終えると、いきなり「御社のトータルソリューションをアピールする攻めのホームページを作りましょう」と言った。大きなお世話である。こちとら人不足で現にある仕事を回すのが精一杯、むしろトータルソリューションされたいくらいなのである。

 

コンサルさんが提案したのはホームページの全面的な刷新であった。意気揚々のコンサルさん。跳ね上がるコスト。ガタ落ちのテンション。コンサルさんは情報の無償提供の重要性を説き「数年前御社と同じ業界でウェブ上で革命的な情報提供を行い大ヒットした企業があります。ご存知ですか?」と言った。食品業界で?心当たりも興味もなかったのでスルーしているとコンサルさんが心肺停止のごとく全く動かない。仕方なく「情報といえばベネッセさんですか?」と言った。コンサルさんは僕のギャグを無視して「キーエンスさんです」と答えた。まったくの別業界であったが彼によれば大きな意味では同じ製造業らしい。グローバルに仕事をしていた人物は違う。

 

テキスト中心の内容をイラストや写真中心へと刷新。集客用のブログの設置。会社経歴から都合の悪い記述を削除。フェイスブックページの開設。様々な目新しくもないアイデアがぶち上げられた。コンサルさんにどれだけ集客出来るコンテンツを持っているかたずねたところ、彼は自身のブログのPVを「少なめにいって月に一万程度」と答えた。ピュアに少なかった。とりあえず会社の経営理念を全面的に打ち出そうということになった。議論の末、社長に動画で語ってもらおうとなって内線ピポパで社長に打診すると肖像権を理由に頑なに固辞。仕方なくアメーバピグのようなアバター的な社長を作成、社長イメージとし経営理念の脇に貼ることにした。

 

肝心の経営理念がよくわからなかった。だがそれらしきものはあった。社長室に飾ってある社長が書いたと思われる拙い習字がそれだ。多分それが経営理念に間違いない。問題はその拙い習字が時々変わっていることだった。僕が入社した頃は「みらい」。それから「青空」「一期一会」「対決」「弱肉強食」「卒業」と激しく変遷。今現在の会社理念がわからないのでふたたび内線ピポパで社長にお尋ねした。「理念などない」と社長は言った。社長室に掲げられた習字は社長の孫娘が書いた落書きであった。「じゃくにくきょーしょく!」「いちごいちえっ」一時期朝礼で唱和させられていたのは何だったのだろうか。虚しくなる。

 

結局2時間の打ち合わせで決定したのは社長をモデルにしたアメーバピグを作ることだけだった。追い討ちをかけるようにコンサルさんは「では今日まとめあげたプランを貴社とお付き合いのある業者さんに持ち込んでみてください」とだけ言い、請求書を置いて帰っていった。なんて気楽な商売なのだろうか。こうして2時間もの貴重な時間が無駄に消えたのである。(所要時間23分)

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