結婚すると喜びと悲しみは２分の１になる。これは僕の持論であり「結婚どう？」とくだらない質問をされたときのお決まりの答えでもある。だが現実をありのまま真摯に答えているのに「そんな言い方をするもんじゃない」「人でなし」と若干非難されることが多く、不思議でならない。「結婚すれば喜びは２倍！悲しみは半分！」そんなギャンブル的な結婚観をぶつけてくる人もいた。喜び倍増のはずの彼の人がパチンコ依存症が原因でわずか数年で離婚したのは捨て身のギャグなのだろう。その女性は結婚した当時を振り返り泣いていた。アホか。泣きたいのはたいして親しくもないのに相応の祝儀と貴重な休日を犠牲にした僕の方である。
結婚すれば喜びは２倍。そんな受動的な甘えたことを言っているからダメなのだ。僕が超現実的に結婚すると喜びや悲しみは半分、下手をすると苦労や出費は２倍になると言っているのは戒めである。特に僕のような天の邪鬼でだらしのない人間が人並みに婚姻関係を維持していくためには厳しい戒めが必要。酒を飲んで暴れて前歯を全損するような過去とはおさらばしなければならないのだ。素晴らしい何かを得るためにはそれなりの犠牲を払わなければならない。その犠牲を払うべき素晴らしいもののひとつが結婚なのだ。
そんな戒律を己に課し毎日通夜のような顔をしているせいで「結婚して面白くなくなった」「結婚ってつまらないんだね」と言われるようになってしまった。僕の身の上を心配するあまり、一歩踏み込んで「貴様の結婚は失敗だ！」「離婚しろ！」「そんなつまらん結婚はいますぐやめろ！」と実にためになる助言をくれる心優しい人もいる。ありがたい。ただ、厳しい助言をくださる方々が己の結婚生活をベースに助言してくれているのなら心の底から喜べるけれども、なぜかそのうちのほぼ全員に結婚経験がなかったりするので素直に喜べなかったりする。僕ひとりだけが幸せになんてなれないよ～。
もしかしてただの妬み嫉み恨み辛み？まさか結婚を知らずにそのような助言を？そんなことはありえないので、恐らく結婚詐欺や重婚といった口外出来ない裏社会的な結婚経験があるのだろう。僕の結婚について別れろ！失敗！と断じる方々が信念を持ってあえて結婚していないのか、ただ結婚出来ないだけなのか調査分析したい誘惑にかられるが、幸か不幸か、あいにく僕はそこまで冷血ではない。（所要時間１４分）
