Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

事故被害者なのに加害者から謝罪を求められている。

示談金だか、慰謝料だか、治療費だか、名称は知らないが、それなりの大金を手に入れる見通しがついた。昨年8月の交通事故で堕った全治2ヶ月の左脛骨高原骨折、リハビリ6ヵ月の怪我に対する相手方からのマネーである。この件は、法律の専門家の先生に一任しているので金額については割愛させていただくが、国産車を一括で買える程度の金額、と思っていただければ間違いないと思う。国産車ときいて、大衆車をイメージするのか、レクサスを頭に浮かべるのか、はたまた軽自動車か、あるいは中古車か、これを読んでいるあなたの人間力や生活レベルに依存するということである。相手は泥酔して自転車に乗っていた80代の年金生活者のジジイで、道路交通法違反の分際で、生活がきつくて、つい…とか、一日一日生活するのがやっと…などどちょいちょい社会的弱者アッピールするところが気に食わないので、餓死するくらいまでムシりとって欲しいのが僕の本音ではあるけれど、正直なところ、示談金的なものについては半ばあきらめていた。金額についての評価はちょっと少ない気もしないではないが、まあ、これで良しとしよう、という気持ちになりつつある。ところが、先生の仰るところによると、強制ではないが、相手が条件を出してきたというのである。なんと謝罪を求めてきたのだ。ついにボケたかあのジジイ…と思ったが、どうやら違うらしく、事故直後、僕は痛さのあまり覚えていないのだが、相手のジジイをひどく罵ったらしいのである。死ね。クソジジイ。ぶっ殺す。テメー。というような美辞麗句を投げつけられて、心が傷ついてしまい、あの事故のあった通りを通るたびに気が滅入るそうである。まったく覚えていないが、なんつーか、すげー言ってそうである。さらに、病院に担ぎ込まれて精神が落ち着いたときに、相手からの謝罪の電話に対して、暴言を吐いたというのである。これは記憶にある。すみませんでした。今度からは気をつけます。というテンプレ謝罪のあとに「こんな歳になるまで、自転車に乗って走り回らなきゃならない社会をつくった世の中が悪いのだ」などとふざけたことをぬかしやがったので「あんた、80ですよね。今の世の中をつくったのはあなた方の世代じゃないの。無責任すぎやしないか。むしろ僕の世代があなた世代がつくったこのクソみたいな世の中のせいで酷い目になっている。バカなんですか。アホなんですか」と言った記憶はある。年金の受け取りにいくたびに、この僕の言葉がフラッシュバックして倒れそうになるらしい。事故を起こしたのは悪かったが一連の暴言についての謝罪文がほしい、さもなければ支払いたくない、と主張しているのである。迷惑な老害である。事故直後の美辞麗句は無意識な叫びにすぎないし、テメーが作ったこの社会の責任くらいテメーで負え、というのも事実を乱暴なオブラートに包んで言葉にしているだけである。なんで被害者の僕が謝罪をしなければならないのか。意味がわからん。僕は思うのだけれど、あの世代は日本が調子良い時代しか知らない世代なので、負け方が分からないのではないか。はっきりいって勝つときってのはどんなウスラバカでもそこそこ勝てるのである。そういうしょぼい勝者のメンタリティーがバカなことを言い出す原因なのではないか。いずれにせよ、謝罪のかわりといってはなんだが、無料で説教をプレゼントして差し上げるつもりでいるし、金はきちんとお支払いただくつもりである。一連の精算の後は付き合うつもりはないけれども、恨みっこなしで、加害者の彼が、どうか不元気で、どうしようもない人生を孤独に終えてくれることを切に祈っている。(所要時間17分)