Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

ヒトにはオススメしないけれど40代で無職になって良かったと思っている。

前の会社を勢いで辞めてから今の会社に入るまでの約8ヵ月間は(短期間バイトはしていたけれども)無職で、精神的に辛い時期ではあったけれども、40代前半で夢や目標もない「明日はどっちだ?」期間を経験しておいて良かったと今は思っている。感謝すらしている。あのハロワ通いをした時期はこれからの僕を突き動かす燃料になってくれるだろう。無職になる前の僕は、実力もないくせになぜか強者の立場から、仕事をしていない人間、いわゆる無職を一緒くたに見下していた。「いろいろ理由をつけて仕事をしたくないだけなんじゃね?」「努力不足の怠け者じゃね?」と。だが、自分が40代で無職になり、無職の彼らと同じ目線で世の中を眺めてみて、いや、かつての僕みたいな人間から、怠け者に見られてみて、初めて見えてくるものが多々あった。僕の認識は間違っていた。それも完全にだ。まず、当たり前だが、無職の人は必ずしも仕事をしたくない人、怠け者というわけではないことがわかった。僕がそうだったように働きたくても働けない人間もいた。もっとも悲惨なのは、無気力といえばいいのか諦めといえばいいのかわかりかねるが、求職活動を通じて働くこと職を探すことに関心を失っていく人たち。ハロワで知り合った人たちとハロワから直で安居酒屋に行って酒を飲んだことが一度だけある。みんな僕より10歳ほど年長の、いわゆるバブル入社組より少し上の世代(50代後半?)だったけれども彼らの口を突いて出てくる言葉は「こんなはずじゃなかった」という後悔と「もうダメかも」という絶望一歩手前しかなく、その後、彼らをハロワで見かけることもなかった。今、彼らがどういう状態にあるかわからないが何とか生きていて欲しいものだ。そういう頑張っている人たちを目の当たりにして僕が「無職でもみんな頑張っている…僕らは働いていようがいまいが皆同じ人間なんだ…」「ビバ人間!」と人間の素晴らしさに目覚めるようなことは一切なかった。思っていた以上のクソみたいな怠け者もいたからだ。ハロワの失業認定日にいいかげんな求職活動を報告をして基本手当で飲む・打つ・遊ぶ、そういう人間は予想よりも多かった。無職は怠け者という僕の認識は間違っていた。無職のなかには無職の品格を貶めるような本当のクソ無職がいるのだ。僕はそういったクソ無職を今まで以上に見下していこうと心に決めている。そして、仕事をしていない無職に「大変だねー僕には無理だよー」つって同情しているようで上から見下している、かつての僕のような輩も同じように軽蔑していこうと決めている。結局のところこうやってひとつひとつ生真面目に対応していくと敵ばかり増えて戦場じみていくのだけど人生とはそういうものなのだろう。これが常在戦場ってやつか…。僕が今の仕事にありつけたのは、たまたま、ラッキーなだけであって、もしかしたら今もあの安居酒屋で酒を飲んだ彼らと同じように絶望一歩手前にいたかもしれない。残酷だけれども今の日本ではある程度の年齢に達してしまうとスーパーな能力がないかぎりタイトロープから落ちてしまうと這い上がるのはなかなか難しい。前の職場のラスト半年間、僕はボスからリストラ担当をまかされて、なるべくスタッフの職は守ろうと努めたけれども、何人かは辞めてもらった。一応、全員の次の職は見つけたが馴染めずに辞めてしまった者もいると聞いている。当時は、自分の責任は果たした、彼らがその先をどう生きるかは関係ない、とドライに考えていたけれども、決してスーパーな能力を持っているとはいえないリストラ対象の彼らが、サクセスしている姿を想像するのは難しい。もっと自分に出来ることはなかったか?と今振り返るのも自分自身が無職になったからだ。だからこそ「仕事がつまらないなら今すぐヤメればいい!」と無責任に言う人間が許せないのだ。責任を取らないでいいならどんなことでも言える。悩んでいる人間に無責任さは威勢の良さに見え、魅力的にみえることもあるだろう。だが無責任に人の人生を狂わせてはならない。以前の僕なら謎の強者ポジからそういう無責任人間に近いことを言っていたが、今はとても言えない。仕事を辞めろという前に、一度、無職になってハロワ通いを経験してみるといい。おすすめはしないけどね。(所要時間21分)