Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

「仕事を任せられる存在をつくれ」「部下に仕事を落として楽をしろ」の本当の厳しさがわかってしまった。

夏休みを7、8月中に取得できなくて社長から注意されてしまった。遊ばずに働いて叱られるのは、正直いって面白くないし、納得できないが「しっかり休もう」が会社の方針だから仕方ない。要因はわかりきっていて、仕事が予想以上に順調であったところに、ベテラン営業マン3人の退職が重なったこと。営業部長の仕事として、部下に優先して休みを取得させるようにしたので、結果的に自分の休みを取れなくなってしまった。社長(ボス)からは「管理職は部下に仕事を落とすのも仕事」といわれている。自分としては管理職としての仕事(管理業務)と自分でやらなければならない営業リーダーとしての仕事、ひとことでいえば部長としての仕事とそれ以外の自分でなくてもいい仕事を分けて、後者は基本的にすべて部下に落としていた。ボスは問題が大きくなるまえに対処するのをポリシーとしている人だ。僕の夏休み未取得問題についても、ボスは僕個人の問題ではなく、組織の問題としてとらえていて、ヒアリングがおこなわれた。ボスは僕の見解をきくと、仕事の好調ぶりについて褒めてくれたあとで、僕の仕事のやり方については不満を口にした。「それじゃダメだ」と。仕事の落とし方が足りないというのだろうか?ボスに尋ねると、「落とすだけではなく、分けることも必要だ、そう、水のようにね」とブルース・リーの禅問答みたいな答えになってない答えが返ってきた。当惑していると「右手、片腕、副官と呼べる自分の分身をつくれ」とボスは少し答えっぽい答えを教えてくれた。ボスは、部下に落とすべき仕事を落とすのは当たり前で、部下に落とせない仕事を任せられる『右腕』をつくるのも管理職として必要だと仰った。前職で同僚同士の足の引っ張り合いや謎の下剋上未遂を見てきた僕には、自分のやるべき仕事を他人に任せるという発想はなかった。もし自分の仕事を任せたら自分の居場所がなくなる、奪われてしまうと考えてしまう。ボスは、自分がやるべき仕事を右腕に分けることによって生まれる余裕を活かして新しい仕事をしろ、常にアップデートしろ、といった。確かにそうやって自分の立場を常にアップデートしていれば、居場所を奪われることはないだろう。だが、実際問題、僕の右腕になる人間となると難しいなとも思う。僕のもとで働いているスタッフは皆、仕事が好きすぎて盲目になりがちなのだ。僕が部長になって以来、仕事の効率化をはかろうと努力しているのは「出来るだけ楽に仕事をしたい」「早く家に帰って後ろ指をさされるような動画を視聴をしたい」というプリミティブな欲望に忠実に行動しているだけであり、効率化してもっと仕事するぞーというモーレツ社員精神はソコには一ミリもないのである。ボスは今のスタッフの中から右腕を育てるのも僕の仕事というけれども…。そのためには、名作漫画「寄生獣」でもミギーが泉進一より目立っていたように、もし有能すぎる右腕がモーレツな働きぶりを示したら本体の僕が劣って見えるのではないか、という恐怖感をまず克服しなければならないだろう。ボスはけっこう厳しいことをいっている。「仕事を任せられる右腕をつくれ」は、楽をしろと言っているようで、新しい仕事と居場所を見つけ続けろ、さもなければ存在価値はない、と言っているのだから。今の職場は待遇が抜群にいいし、少々、仕事を好きすぎる人が多すぎる点に目をつむれば、精神的にも落ち着いていられるので、結果の出ている今のやり方を続けながら、ボスのいう「右腕づくり」に取り組んでいくしかない。頑張ろう。まあ、右利きの僕は左手をつかって本体を握った方がぎこちなさと他人にされてる感の相乗効果で気持ちいいときもあるけれどね。まあそれは別の話だ。(所要時間20分)