Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

入社8ヵ月で管理職になって1年、出来たこと出来なかったこと反省も含めて全部話す。

昨年4月に現職(食品関係会社の営業部長)についてちょうど1年なので振り返ってみたい。数値/ノルマについては、おかげさまで預かっている部署の数値目標はクリアすることができた。売上と利益については(細かい数字は出せないが)ノルマの130%弱達成。初年度で目標が低かったことを差し引いても、及第点といっていいのではないか。数値的な目標よりも、僕は入社する際、ボスに「自分に任せてもらえればこれだけは絶対にやる」とハッタリを決めていた。それは「営業主導の商品開発」と「環境の整備=無駄の削減」。このふたつを達成できたかどうかが、僕にとって、この1年の評価のすべてといっていい。

 2年前の夏、駐車場の切符切りのアルバイトから中途入社したとき、驚くことなかれ、我が社には営業セクションがなかった。営業は各事業部に担当者がいるような体制だったのだ。商品開発も現場(生産)サイドの声ばかりが反映されて、顧客や見込み客の声を反映できるような体制ではなかった。僕は営業畑を20年以上歩いてきた。顧客の情報を握っているのは前線にいる営業セクションであり、その情報を活かして商品やサービスを開発するのが、僕が携わってきた運輸業界と食品業界では当たり前だった。だから今の会社を受けたとき、「営業部がない」といわれて驚いてしまった。

それなら、つって、営業主体の商品をつくりましょう、とアッピールして入社した。それが出来なかったら1年で辞めるつもりだった。ダメだったら駐車場で切符をもぎる生活に戻ればいいだけのこと。営業主導、営業主体といっても難しいことはない。入社から半年かけてボスを説き伏せて、各事業部の営業マンを集めて営業開発部を創設して、各事業部と同じ地位にしただけだ。多少の抵抗はあったけれども、皆さまよく言えばフェア、悪くいえば喧嘩慣れしていないので、前職のブラック環境のような裏切りや不意打ちがない分、楽勝であった。「ウチにはウチのやり方があるんだよ」と耳が腐るほどいわれたけれど、絶対に結果が出るから、出なければ営業部は解散させるから、といって納得させた。

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営業部を独立させて、売る側目線で「売りたいもの」「やりやすいサービス」を商品にしていた流れを、買う側目線から「買いたいもの」「欲しいサービス」を商品にした。今のところはお客目線で、パッケージ変更やロット縮小程度しか変化はないけれども、それでも売り上げは向上した。この4月から営業部主体で開発した新商品を投入していくので、営業部の存続をかけた営業主体の商品開発はこれからが本番である。売りやすい商品ならば、楽に売れて営業が楽になっていい。

 

営業セクションの環境の整備については、ムリムダムラをなくすように営業のやり方を決めてしまった。ウチの会社は中小なので「足で稼ぐ営業」をまんまやっていたら、パワーのある大手競合に勝てるわけがない。だから、大原則としてまず「営業開発エリアを絞る」ことにした。限られた力を地元に注力。地方は見捨てるつもりかよ、という声もあったけれども、地方に実績ありますか、ほとんどないですよね、だったら今は地元の地盤を固めましょうよ、と説得。社長からも地方展開については注文をつけられたが、1年間猶予をもらった。結果、130%達成なので勝負に勝ったのは僕であった。イチ営業マンとしても遠距離の出張はしんどいので地方展開がなくなって良かった。

環境の整備を列挙すると、

  • 「目標の細分化」(ノルマ以外にも細分化した目標を設定して日々クリアしていくようにした。訪問件数や営業にかける時間というプラスの目標だけでなく、事務作業時間の上限を設けるなどマイナスの目標も設定した→営業にかける時間を最大化するため)
  • 「チーム制」(案件のブラックボックス化と特定の人物の離脱による案件の流出の防止のために、案件には必ず3名以上が担当するようにした)
  • 「報告方法の改訂」(形骸化していた営業日報の廃止、その代わりに個別に週1回ミーティングして案件の進捗をチェック)、
  • 「会議MTGの終了予告制度導入」(ダラダラした打合せを排除するため 45分)
  • 「営業支援ツールの刷新」
  • 「営業代行サービスの導入」(アポ取り外注/営業活動の効率化)
  • 「熱中症対策」

を上半期に実施して概ね結果が出ている。僕はビジネス書を読まないので、もしかしたら、当たり前の施策かもしれないが、ブラック環境にいたときに、「こうすればやりやすいのになあ」「ああやればもっと人の行動を管理できるのに」と考えていたことを字実施しただけである。アポ取り外注のように、一見、仕事が楽になったように見えるけれども、その浮いた時間で、企画や商品を考えて、確実に契約を取ならなければならないので、実際、仕事的にはキツクなっているはずだ。これらは全部、作業的なものを出来るだけ排除して、本来の営業の仕事に注力してもらうためである。端的にいえば、すべて効率化と明確化。「所定労働時間内はフルパワーで働いてもらうため」のものだった。部下たちは相当キツかったと思うが、結果が出ているので今年度も継続するつもりでいる。

 反省もある。ボスから厳命されている「営業事務スタッフのRPA化」はまだ目途が立っていない。営業事務スタッフが納得のうえでやらないといけないので慎重に進めている。作業的な仕事がなくなったら、楽になるのではない。逆だ。仕事を創造していかなければならなくなる分、キツくなるのだ。おそらく、営業をバックアップする仕事がウチのような規模の営業チームには重要なのではないかと考えている。イメージ的にはタクシーの配車係みたいにリアルタイムで受注して営業マンを派遣するようなスタイルを考えている。法人から個人向けにサービスをシフトしていくには必要不可欠だと思うけどどうだろう?漫画見すぎ?

ボスからは仕事上の右腕・片腕をつくれともいわれているが、こちらも目途が立っていない。部下の皆さんたちは基本的に優秀で、丁寧な仕事で応えてはくれているが、どうにも大人しいのと、もともと所属していた他事業部(つまり元の上司たち)と折衝が出来るかという点で不安が残る。これからの課題だ。

それと、最大の反省は4名の退職者を出したことだ(14名→10名)。退職するのは個々の事情なので申し上げることはないし、変化についていけない人は去ってもらうしかないけれども、ちょっと早急すぎたかな、もっとうまくできたかもしれない、という心残りはある。退職代行を受けたのも勉強になった。ただ、意図しないリストラによって浮いた人件費で営業一部外注化と営業ツール刷新が予定より早く1年前倒しで出来たことは、良かった。チーム制によって顧客や案件を引き抜かれることもなかったし、今、部署前提で抱えている見込み客を見る限り、営業効率化と商品開発の改善の効果で人数が減る前よりもいい数字が出る模様。だから問題ないって割り切れないのが僕の弱さだろうなー。

僕のやり方はブラック環境で培った他人に対する猜疑心をベースに、ブラック時代にこりゃダメだろうと感じたことの逆をやっているだけにすぎない。どうしてもあの頃の基準で他人を見てしまう傾向があって、少々、キツく当たってしまうときがあるのは認める。現職についてちょうど1年、次の1年は自分の中にあるブラック要素をうまくコントロールして、部下の人たちが働きやすい環境をつくって、より大きな成果を出せるようにしたい。誰のためでもなく、全部、自分が今の会社で生き残るためなのは、言うまでもない。では1年後。(所要時間37分)