Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

神奈川県における新型コロナ感染自宅療養について経験したこと全部話す。

私事だが新型コロナに感染して10日間自宅で療養生活を送っておりました。明日から復帰である。感染して発症したものの、不幸中の幸いで軽症で済んだ。感染したタイミングがたまたま神奈川県が方針を変更したときと重なって、自宅療養をどうすればいいのか(届け出等)試行錯誤したので、のちのちの参考のために僕の経験をここに残しておきたい。

0日目(発症)

2022年1月29日土曜日。就寝前に歯磨きをした際に喉に違和感を覚える。たまたま、昼寝をしたときにイビキをかいていた(奥さんに「うるせー」とケリを入れられた)ので、「喉が枯れたのではないか?」とそのときは思った。それくらい「よくある」喉のイガイガだった。いつもなら龍角散をキメているレベル。振り返ってみると、これが一連の出来事の発端だった。もうひとつ、仕事が重なって疲労が溜まっていたのも感染の要因であったと思う。とにかくノドの不調に要注意だ。

・体調の変化に注意(僕の場合はノドの違和感)

 

1日目(症状が強くなる)

1月30日日曜日。早朝5時。人生で感じたことのないレベルの喉の痛みで目覚める。唾液を飲むだけで激痛が走る。火傷のような激痛と、ヒリヒリした痛みがしばらく残る感じ。この時点では発熱や頭痛、咳はなし。声が出なくなる。同居する奥様にガラ声で「だぶん(コロナに)ががっだ」とカミングアウトして部屋にこもる。会社から支給されていた抗原検査検査キットで陽性判定。奥様は陰性判定(症状もなし)。その後しばらく喉の痛みにもだえ苦しむ。寝室が別で良かった。

午前8時すぎ。神奈川県のホームページに「まずはかかりつけ医に相談」と書かれていたので電話をするものの残念ながら休診。管轄保健所への電話は繋がらず。諦めて、神奈川県のコロナ関連のホームページに記載されていた相談窓口に電話をする。対応してくれた男性(おそらく中高年)は何を聞いても「私は医療従事者ではないのでお答えできません」「管轄保健所にお問い合わせください」しか言わなかった。この窓口に何の意味があるのかよくわからない。好意的にとらえれば、喉痛に耐えて必死に話しているうちに冷静さと思考力を取り戻すことが出来たことくらいだろう。あくまで市民ひとりひとりが責任を負う…これが神奈川モデル…。

昼過ぎから微熱と頭痛に悩まされる。激しい喉痛は変わらず。体温37.5度。奥様から「しんどくても食べないといけない」と言われ、強引にパンを小さくちぎって食べるが、喉を通過するたびに、電流イライラ棒をつっこまれたような猛烈な痛み。パンを諦めてゼリーを食べる。ゼリーは食べやすいのでおススメ。あとプリンも。だるいので早めに就寝。なお、僕はリビング、奥様は寝室で家庭内別居体制。キッチンダイニングは基本的に使わず、トイレや風呂をつかうときは、使用後に取っ手や触れた箇所を消毒。一日に着た服はすべて洗濯するなど出来ることをする。食事はもともと別にとることが多いので功を奏した…。

・生活スペースを分けて、共用スペースの消毒の徹底等。
・非常食は役に立つ。
・保健所はつながらない

 

2日目
1月31日月曜日。自宅療養2日目。朝。熱が高くなる。38度。それにともなって頭痛と悪寒、喉痛は一段階強くなる。息が通るだけで「ぐわー」と身を悶えてしまうくらい。会社に連絡を入れる。保健所とコンタクトを取って復帰時期の見通しが立ってから連絡をしたかったが仕方がない(保健所つながらず)。会社の規程で自宅療養になるのに、「自宅療養は在宅勤務だろ?」と上役(高齢上層部)から謎の言葉をぶつけられる。軽度の認知症だろうか。反論したかったが、こんなことで体力をロスして免疫と抵抗力を失い症状を悪化させるわけにはいかないので断念。

9時半。かかりつけ医に電話が繋がる。数日間は予約でいっぱいのため診察は出来ないとのこと。そのかわりに提携している医療機関を紹介され、そこで翌日午前10時の発熱外来とPCR検査の予約を取る。この時点まで保健所に何回か電話をかけていたが、医療機関とコンタクトできたことで打ち切る。体調は悪化。38.5度まで上昇。喉の痛みで水分と栄養を補給できないのがしんどい。布団で横になっているうちに寝落ちする。風呂に入るのは無理だった。

・かかりつけ医は重宝する。
・保健所は繋がらなかった。

 

3日目(PCR検査で陽性判明)

2月1日火曜日。自宅療養3日目。朝。熱は下がる。37.8度。頭痛と喉の痛みもいくぶんやわらぐ。倦怠感は少々。車で紹介された発熱外来へ向かう。指示された場所で車で待っていると防護服を着た看護師が対応してくれた。ドライブスルー方式で簡単な問診とPCR検査と薬の処方(4日分)。人生初のPCR検査であるが、棒を鼻の奥の奥の奥まで突っ込まれて苦しかった。結果は当日15時すぎに電話連絡をくれるとのこと。PCRの結果って時間がかかるものだとばかり思っていた。

ただし、検査数が多いので連絡が遅くなる可能性はあることを了承してほしいとも言われた。また、陽性の場合は病院からは間違いなく保健所に連絡しているので保健所からの連絡が遅れたときは保健所サイドの問題であることも強調された。きっとトラブルが起きているのだろう。帰宅して夕方まで待っていると16時すぎに医療機関から連絡があった。結果は陽性。保健所には連絡を入れておくので、保健所の指示に従ってほしいと言われた。ただし、保健所は混雑しているので連絡が遅くなる可能性はあるが我々は間違いなく連絡を入れているので心配しないように、と、朝と同じ話を繰り返される。どれだけ保健所は混乱しているのか。大丈夫か神奈川モデル。

職場に連絡して経緯と検査結果を説明した。上役(会社上層部高齢者)が自宅療養と在宅勤務を混同しているうえ、PCRを受ければ治るものだと思い込んでいることが判明。疲れるので話を打ち切った。夕方、ふたたび発熱したり、だるかったり。軽い症状は続いた。風呂に入ってから横になるが、カラダを動かしていないせいか、深夜まで眠れなかった。

・PCRの結果は当日中に出た(陽性)
・保健所への届けは医療機関から(保健所はつながらない)。
・保健所からの連絡が遅れがち。

 

4日目(保健所からコンタクト)

2月2日水曜日。自宅療養4日目。朝。熱は37度弱。咳と軽い喉の違和感のみ。少し身体を動かすと関節が痛むのでパソコンで文章を書いたりゲームをしたりして過ごす。症状がおさまっているのは処方された薬が効いているだけかもしれない。ネットで調べてみると僕は47才で基礎疾患がないので、神奈川県が推し進めている「自主療養」の対象になることもできたらしい。抗原検査キット等の判定だけで「医師の診察なし」で自宅療養に移行するシステムで、食料や薬の調達は自分でやらなければならないという素晴らしい仕組みだ。

保健所からの連絡はこの日の夕方5時前にあった。実に発症から4日が経過している。連絡があったときは症状はおさまっていた(ときどき咳がでるくらい)。現在の症状と経緯を確認された。時系列で症状の変化と現在の状況になるまでを説明。

職場復帰については、29日を発症日として(0日目)、10日経過後の翌日(2月9日)から可能とのこと。ただし、自宅療養最後の3日間(2月6~8日)で症状がでないことが条件になる。奥様(濃厚接触者)については僕より3日間短い2月6日から復帰可能ということになった。

あと食料品や日用品の買い出し調達は必要最低限で会話をしないならオッケーらしい。陽性者である僕でも公共の場所へ出かけられるのね…。つか保健所サイドで食料を手配するという選択肢は提示されなかった。市民ひとりひとりの無理と自己責任が神奈川モデルを支えている。僕のような症状の軽い陽性者が市中を歩き回るのはある程度仕方ないということなのだろう。見た目健康より「バイオハザード」のゾンビみたいにわかりやすいほうが回避できて良い気がする。誰が感染しているかわからない…リアル・人狼ゲームみたいだ。

LINEへの登録を要請されたので登録してみた。これで保健所から毎朝電話ではなくラインで健康チェックがされるらしい。現代的で素晴らしい。この日は症状もほぼなかったので、家庭内でのディスタンスを保って生活した。トイレと風呂がとにかく大変。奥様にはすべてが終わったあとで何らかの褒美を考えなければならないだろう。

・保健所とコンタクトできたのは発症4日目。
・発症日を0日として10日経過後の翌日から復帰可能とのこと(ただし療養ラスト3日間に症状がないことが条件)。
・家族(濃厚接触者)の自宅待機は感染者より3日短い。
・食料品や日用品は自分で買い出しオッケー(サポートはなし)。
・検査キットが送られてくることもなし。
・ライン登録を要請される。

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▲ライン登録。

 

5日目(ラインのやりとり始まる)
2月3日木曜日。自宅療養5日目。朝。熱はなし。症状もほぼなし(咳がときどきでるくらい)。油断大敵なので、家庭内ディスタンス体制は保持する。別室生活。触れたものは消毒。1時間おきの換気等々。もともとソーシャルディスタンスをとった夫婦生活をしていたとはいえ、奥様に感染による症状が出ていないのは予想外であった。食事も別。会話最小限。ことあるごとにファブリーズを噴射、アルコールで除菌という彼女の常日頃からの生活スタンスがウイルスを打ち負かしているのか、それとも持ってうまれた免疫力の強さなのか、狭く限定されたマンションで2人暮らしなのに、よくわからない。

僕は病院で診察と検査を受けたときをのぞいて一歩も自宅から出ていない。体調もほぼ元通りである。はっきりいって元気である。変調といえば、アダルト動画を視聴する気力は失われてしまった。以前インフルでたおれたときは、朝から晩まで猿のようにアダルト動画を視聴した。これがオミクロンのせいなのかは研究の結果を待ちたいところだ。そうそう、あまりにもヒマなのでリスタートしていたドラクエ3でゾーマを倒すところまでやった。ドラクエ3といえば転職と賢者だけれども、まさかコロナで賢者モードになるとは…。

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保健所で登録した神奈川県療養サポートのやりとりはこんな感じです。パルスオキシメーターはありますか?いいえ。それだけー。どんだけー。期待していたのとはちょっと違うが、おそらくAIで学習してよりよい対応がなされていくのだろう。それが全国の先を走る神奈川だから…。

・症状がなくなると自宅療養は退屈さとの戦いになる。
・保健所からの電話確認はない。ラインで健康確認をしているからと思われる。
・パルスオキシメーター

 

6日目(そんな装備で戦えるのかとゴーストが囁いている)
2月4日金曜日。自宅療養6日目。朝。症状はなし。油断大敵なので家庭内ディスタンス体制は継続。元気だ。元気ではあるがあらゆる欲望がなくなってしまった感がある。まったくアダルト動画な気分にならな。先日ネットニュースで見かけたコロナ感染でアソコのサイズが小さくなるという報告と相関関係はあるのだろうか。続報を待ちたい。

昨日は暇すぎたので本日行われる予定である会議向けの資料を作成した。自宅療養中に仕事をしていると会社の上のほうがますます在宅勤務と混同するのでもうしないことにした。というわけでヒマつぶしも兼ねて発症からの記録としてこの文章を書き始めた。やることないので始めたドラクエ3で隠しボス『しんりゅう』に挑戦するも全滅。この何もない、部屋にこもっている生活はネガティブにとらえがちだが、定年退職後の毎日サンデー状態の予行練習だとポジティブにとらえることにした。職場復帰したいというよりは、自由に動き回りたい。本日の神奈川県療養サポートのやりとりはこんな感じです。

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パルスオキシメーターはありますか?いいえ。もはやエルシャダイのそんな装備で戦えるのかみたいだ。

・高齢者に在宅勤務と自宅療養のちがいを理解させることの難しさ。
・パルスオキシメーターは届くのか。

 

7日目(パルスオキシメーターをください)
2月5日土曜日。自宅療養7日目。朝。症状はなし。平熱。処方された4日分の薬(咳・痰・痛み止め)が終わる。換気をしたときなど、室温に変化があると、咳が出てしまうくらい。この咳がおさまらないと復帰は難しいだろう(保健所からも復帰予定日前三日間に症状がおさまっていることを復帰の要件にされた)。

布団からでてリビングでボーっと安静にしているのはつらいものがある。五輪中継があってよかった。ヒマつぶしにはなる。本日の神奈川県療養サポートのやりとりはこんな感じです。

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パルスオキシメーターはありますか?いいえ。いえ。このやりとりからパルスオキシメーターが送られてくるようなことがないのがワンダー。これが神奈川モデル。

・パルスオキシメーター

 

8日目
2月6日日曜日。自宅療養8日目。朝。症状はなし。平熱。ほぼほぼ健康、元通りの体調に戻っている。一週間ほとんど歩いていないので足の筋力が落ちてしまった気がする。早朝か深夜の散歩を奥様に訴えるも「自宅療養期間だから」と却下された(当たり前)。あいかわらず、僕がリビング、奥様が寝室を基本スタンスにして、ダイニングキッチンは奥様のエリアにしている。僕がトイレや風呂といった水回りをつかうときは、奥様は寝室に引っ込んで、使用後は念入りに消毒するという方式でずっときている。今のところ奥様に症状は出ていない。このままでいけばよい。

新型コロナ(オミクロン)は「重症化しない」といわれているし、「ただの風邪」という極端な意見もある。実際にかかってみると確かにそのとおりと思うところもある。だが、発症したときにいつもの風邪にかかったときとは様子がちがったので(激しい喉痛。咳の出方)、「これは新型コロナだな」とわかったのもまた事実。基礎疾患をもっている人や体調を崩している人は注意したほうが良い。本日のやりとりはこれです。

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・パルスオキシメーター…。

 

9日目
2月7日月曜日。自宅療養9日目。朝。症状、発熱なし。ヘルシー健康体。復帰に向けて生活リズムを元に戻すべく活動。奥様は規程?では本日から復帰可能であったが、職場の判断で9日からの復帰になる。念のため抗原検査の陰性も必要とのこと。どこで感染したのか、行動を振り返っているが、特定できない。在宅勤務が基本で、出勤しても職場と自宅の往復で寄り道はしていない。謎だ。本日のやりとり。

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パルスオキシメーター!メーター!

 

10日目(パルスオキシメーターとは何だったのか)

2月8日火曜日。自宅療養10日目。朝。症状なし。ボスに連絡して明日からの復帰を告げる。神奈川県とのやりとりは自宅療養最終日まで変わらなかった。

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パルスオキシメーターという言葉が刷り込まれた。奥様の代理で買い出しと、たまっていた用事を済ませるために少しだけ外出した。健康体に戻ったのでいよいよ明日から仕事に復帰するが、話をするとノドがイガイガするのでしばらくはノドを使わない業務に従事することになるだろう。

10日間の自宅療養生活でわかったのは、公のサポートはあまり期待しないほうがいいということだ。僕の場合、家庭内でソーシャルディスタンスを保っていたこと(別寝室、室内でのマスク着用)、奥様の衛生意識の高さ(コロナ前からアルコール消毒をさせられていた)、非常食の備蓄(買い出しを最小限にできた)、僕と奥様共に基礎疾患がなくラッキーなことに軽症で済んだ、といった自宅療養に移行できる条件が整っていたから良かった。神奈川県は自主的に食料品を調達しなければならない(市町村で対応は異なると思われる)が、上にあげた条件が整っていなければ少し難易度は高くなるだろう。この体験談を参考に準備してもらえたら嬉しい。あと軽症とはいってもノドの痛みは半端なかったので二度と経験したくない。気を付けてほしい。(所要時間10日間)

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