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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

会社からカネを借りてはいけない。

日記
人間が出来ていないので借財をしても、すぐ、忘れてしまう。もし、生まれ変わったら真人間になりたいと思うが今はまだ現世。その現世で、会社を辞めると決めた瞬間に感じた宿便のような違和感。その正体は会社から借財していたという事実であった。数年前。家のリフォームをする際にまとまった金が必要となり、苦悩しているところを会社に付け込まれ金を借りてしまった。低金利、テーキンリ、どこよりも低金利という悪魔の囁きに負けたのだ。守秘義務が形骸化しているハードコアな会社なので、僕が会社から金を借りていることは経理部内ですぐに公となり、以来、数年間、金融機関で金を借りられないヤバいヤツと笑われながらも、おめおめと生きながらえてきたのでございます。会社の貸付制度が市場よりも低金利に設定されているのは、社員を金銭トラブルから守るため、というのは表向きの目的で、実は、金銭的に困っている社員を誘い入れ、嘲笑うためなのだろう。くっそー。騙された。

退職にあたりこの金を耳を揃えて返さなければならぬ。しかし、僕の表向きの財力では到底無理な話だ。裏金を使えばたちまち家族に露見し今後の人生に支障が出る。そんな、裏金的なもの、ないけどね。不義理のあまり金を借りれそうな裕福な友人からは縁を切られ、残っているのは金に余裕のないアテにならないならず者ばかり。返済の相談を妻に持ちかけたら、妻は下顎を突き出した人殺しのような顔をしたため、僕は「聞かなかったことにしてくれ」と言うしかなかった。僕は金の奴隷だ。金を稼ぐため、返すため、生きているようなものだ。金を返さなければ自由に会社も辞められないなんて。きっつー。

僕は悪魔になるしかない。不義理に加え、人でなしの悪魔になるしか。僕には親がいるではないか。七十過ぎの、シワだらけで、白髪の、年老いた、親の、カネを、借りる。なんて最低なのだろうか。しかし背に腹はかえられぬ。親の余生よりも自分の返済。善は急げ。僕は会社から電話を掛けた。お袋ぼくが有り金全部出せっていったらどんな顔するだろう?

「もしもし俺だけど。ちょっと会社でトラブってしまって…悪いけど金を貸してもらえないかなっ。今から…」と僕が手続きについて説明するのを遮るように母は「息子はまだ小学生です!」と言って電話を切ってしまった。この世には悪魔と人でなしばかりで、どうやら神はいないらしい。金の奴隷はもういやだ。もし、生まれ変われるのなら、人間でも真人間でもなく、私は金になりたい。金輪際借財に困ることのないよう、金になりたい。

(この文章は泣きながら13分で書かれた)