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ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

ブラック企業チェックリスト2018

おかげさまで素晴らしい環境で働くようになり、勤めていたときにはわからなかったかつての勤務先の異常なブラックぶりがよくわかってきたので、来たる2018年のためにブラック企業チェックリストを作成してみた。ブラック環境で働いたことのない学者のような人がつくった「こんな企業がブラックだ」チェックリストはよく見かけるが、それって「ブラック企業ヤバいわ~」「ブラック滅ぼすべし」という世論は生み出すかもしれないが実際に働いている人の役に立つかといえば微妙だったと思う。このチェックリストは実際にブラック環境で働いていたものの目線、いってみれば下からの目線でつくられているので、自分の職場はブラックではない、と信じている人も今一度活用して身の安全を確保してもらいたい。

・賞与がゼロ(0ヵ月)。ストロングゼロ。例)2016年夏期

・0.02カ月の賞与を達成。 例)2005年冬期

・年休取得に詳細な理由を求めてくる。例)「休みます」「就職活動しているのか?」「風邪をひきました」「体温は?」「歯医者に行きます」「どの歯を治療するのか?」

・頻繁に組織改革がおこなわれる 例)「一年ぶりに組織の抜本的改革を行う…」

・役職が多くて上下関係がわからない 例)「副部長、次長、部長代理」「課長代理、課長心得、課長見習い、課長補佐」

・苦境に立たされたときにトップが「社員一人一人が経営者」と言い出す。

・全員が管理職。

・仕事ができない人物の出戻り入社が多い。

・「どんな仕事でもあるだけ幸せ」という宗教が浸透している。例)「みなさんは働けているだけ幸せ。その仕事に文句をいうのは幸せの放棄に他ならない」

・負の能力主義が蔓延している。例)ノルマ達成時「その成果は100%キミの成果と言えるのか?運の要素を考慮するとキミだけの成果とは評価できない」ノルマ未達時「不運を言い訳にするな!」

・速攻で幹部に登りつめたコネ入社社員が光の速さで退職する。

・若年層の離職率ゼロを無慈悲に達成する。例)3年以内に新卒が離職するなどして本社から20代が絶滅したため。

・「我が社では残業を完全に禁止しているので残業という概念は存在しない。ゆえに残業代というものも存在しない」と人事が真顔でいう。例)無慈悲な追記→「時間外で働いている社員は、規程違反なので本来なら処罰対象、罰金ものだがあえて見逃してやっている」

・台風上陸時に「業務に支障が出ないよう、各員、自己責任で出勤するように。出勤できなかった者は欠勤扱いとする」というメールが届く。

・「仕事がきついと思うときは、己の能力のなさを自覚しなさい」と訓示で言われる。

・退職金がない。正確にいえば「退職金をなくせば社員たちは今よりも真面目にこの会社で働くようになるだろう」というトップのワンダーな経営判断で退職金がなくなる。例)基金的なものの廃止を独特の言い回しで表現して炎上。退職者が加速。

・どれだけ業績が悪くても社員旅行だけは必ず実施される。

・「社員旅行への参加は自由だが不参加には相応のペナルティがある」と人事部から非公式の通達が回ってくる。

・社員旅行の費用は自己負担である。ちなみに役員はタダ。

・ツイッター公式アカウントのフォロワー数が一桁である。

・パートスタッフが社員への登用を拒否する。例)「だって残業代出ないんでしょ」

・退職の申出は退職希望の6ヵ月前まで。例)就業規則が法令違反

・社内に各結婚相談サービスのポスターが掲示されている。

・悪い意味で地域別最低賃金を頑なに守っている。

・トップの個人的なイベントに参加させられる。例)フルマラソン応援。例によってペナルティありの自由参加。自由の意味とは?

・「憎まれたくない」という理由でトップがリストラの責任を負わない。

・役員会で「2倍計画」が策定、発動される。例)売上は半分になっても従来の営業利益を確保する革命的な計画。労務費が半減されて何人か死ぬ。サービスのクオリティが下がって契約そのものが消える。0×2=0。ミッションコンプリート。

・トップ判断で断行された人事がうまくいかなかったときに替わりに切腹する人間が必要となる。例)「俺が決めたことだが実行したのはお前たちだろう」「御意!」

・震災時。本社への帰社を命じられて戻ったが命令を下したトップは帰宅済み。

・朝礼でラジオ体操を強制される。第二体操まできっちりやる。

・利益追求を謳いながら、変なところで人情派経営を出してくる。例)「今、キミに辞められると困る…」「わかりました」半年後「今すぐ辞めろ!何でお前が会社にいるんだ!」

・同僚に退職者が出ると同じ部署の者の責任が問われる。斬新な連座制。

・「社長室直行箱設置」密告ゲームが始まる。例)このゲーム開始直後に僕は一時期静岡支社に飛ばされました。

・上司が結婚パーティーでワンダーな祝辞を述べる。祝いが呪いに。例)「え~。私事ですが先日ようやく別居中の妻との協議離婚が成立したことをこの場で皆様にご報告させていただき、これを新郎新婦へのお祝いの言葉にかえさせていただきます。ガンバレ!」

・名刺の配布枚数を厳密に管理される。

・会社の蛍光灯ソケットの3分の2に蛍光灯がない。

・2016年時点でウインドウズXPが主力。

・上司がiモードで販促をはかろうとしている(2015年)。

・退職後も戻ってくるよう執拗に誘われる。

・執拗に誘われるが雇用条件は厳しい現状を考慮して在籍時より落ちると正直にいわれる。

・所定時間内に終わらないのは能力と仕事のやり方だけが悪いという宗教が浸透している。

・トップの孫のために妖怪ウオッチを買いに走らされる。例)入手に失敗→系列の海の家に飛ばされる。

・辞めていく人間が「今度会うときは客だ…」という捨て台詞を残して退職する。

 以上42項目である(42にしたのは不吉な数だからである)

0~5「ブラック予備軍」 5~30「ブラック企業」 30~「今すぐ命を守る行動を取ってください!」と考えていただきたい。

 僕が昨年まで勤めていた会社は上記すべての項目に該当していた。それでも勤め始めた当初数年間はブラックに務めているという感覚はなく、自分の力が不足しているからこんなにきついのだ、と思っていた。おそらくだが、執拗に、やる仕事があるだけハッピー、仕事がきついのは当人のやり方の問題と言われ続けていたのでおかしくなっていたのだと思う。僕のように時間を無駄にしないでほしい。このリストが皆様のよりより労働者ライフに役立つよう草葉の陰から祈っている。ではまた。(所要時間29分)