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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

株式会社を退職しますやめます

 昨夜、友人たちと少子化問題や孵卵器ビジネスについて飲みながら議論しているときに、ふと思いついたのだが、平成14年から11年間勤めた会社を今月末をもって辞めようと思う。そこでIT系に勤めていた人が辞める際にブログ等で「退職しました」なる文章を残す例に倣い、僕も始業前のこの時間を利用して自分の考えを文章し整理しておくことにした。なのでこの文章は読みにくいだけでなく、相当に長いものになる。

 

僕の仕事

 最初に関係各位に迷惑がかからない程度に僕の勤務している会社と仕事を説明する。僕は非正規雇用も含めれば500人規模の食品・外食企業に新規開発営業職として勤務してきた。ここ数年は営業課長についている。課長手当は社内の他の課長職より著しく低く抑えられており月1500円。部下はいない。

 

 食品外食産業というと「ブラック企業」を連想される方も多いかもしれないが、後で述べるとおり、ウチの会社は決してブラックではない。確かにハードな職場ではあるがオフィシャルには残業は存在しないし、会社の管理下を離れて自主的に電車がなくなる時間まで仕事をしてタクシーで帰宅してもタクシー代は会社から貰える。初乗り料金までという限定付きだが。つまりブラックな要素が理由でこの文章を書いているわけではない。

 

僕が今の会社でやったこと

 十数年間で僕がやった仕事は、朝礼時のラジオ体操模範演技から、会長個人のための洋物煙草の購入と会長自宅までの納品まで多岐にわたるが、特筆すべき実績として挙げるならば、既存事業に加えて病院関係の販路を新規開発したこと、特別養護老人ホームをはじめとする福祉関係との取引を増やし売上を約二倍にしたことだ。これらの数字面だけを評価され、11年で8回社長賞をいただいた(11年のうち1年は倉庫に出向→2003年 参考「「追い出し部屋」に飛ばされたことありますか。」 http://delete-all.hatenablog.com/entry/20130719/1374206676)。

 

 余談になるが社長賞は地元の銘菓鳩サブレー8枚入りと社長直筆の色紙である。本当にありがたい。多謝。そういったこの身に相応の評価よりも、食事を食べていただいたお年寄りから「美味しい」の一言をいただいたとき、どれだけ嬉しかったか…そのときの充実感は言葉に出来ない。

 

反省点

 反省点は多々あるが、全てを記すと僕の人格面に対する毀損に繋がりかねないので割愛し、ひとつだけ挙げさせていただくならば、後進を育てられなかったこと、それに尽きる。僕より後に入社して営業部に配属された20人のうち19人がすでに辞めている。うち17人は入社1年以内の退職。一年未満離職率89.5パーセント。数字からはブラックにみえてしまいがちだが、公式な見解では残業も残業代も存在しないし、新卒でも入社早々に係長や主任といった役職を与えてその能力を最大限に生かせる環境にあるので、決してブラックではない。

 

 

 色々あったけれども上司や先輩諸兄には感謝しかない。数々の尻ぬぐい、個人名でかかってくる電話対応等、本当にお世話しました。業務上で教わること参考になったことも多々なかったけれど、カラ出張のやり方、交際費の有効活用、カラ休日出勤か~ら~の~平日代休取得、部下の数字の盗み方、部下への責任のなすりつけ、報告の歪め方、宗教への勧誘、サイゼリアでの接待など、書籍では学ぶ機会のない生のビジネススキルを肌身で教わることができたのは僕の一生の宝になると思います。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

 

 当初から折り合いが悪く、ことあるごとに罵り合うほど関係が悪化していた某上司と静岡県出張の合間にホームセンターに行き、「大人一人が入れられるスーツケース」を購入し、それをトランクに入れたまま数時間無言で浜名湖岸をドライブしたのもいい思い出です。

 

 

理由

 退職の理由は、おそらく、辞める際に「退職しました」「転職しました」と称してネット上に実績や感謝や今後についてを発表する方々と同じく、ステップアップ、キャリアアップ…と見せかけての待遇面での不満である。イヤラシイ話ですが金です。ゴールドではなくマネー。円。「金の亡者め」とお叱りになる前に次の数字を見ていただきたい。0.7  → 0.5 →  0.07。

 

 この三つの数字が何を意味するかおわかりだろうか。私の直近賞与の支給ベースである。三つの数字はそれぞれ昨冬、昨夏、今冬の賞与を示している。「何を!0.7ヶ月分でも賞与が出ているだけマシではないか」と激高する前に、この数字の示すものが月給に対する倍率ではなくパーセントという事実を咀嚼していただきたい。

 

 具体的な数字で申し上げますと、今冬賞与は月の給与に対して0.07パーセント、金額にして数百円。貰えるだけ贅沢なのかもしれない。だが牛丼大盛に味噌汁とコールスローを付けたら蒸発するような金額を頂戴しただけで、賞与が支給されなかったお隣の事業部の面子から、親の仇のような口調で話され、憎しみを込めた目で睨まれるのは割りがあわない。

 

 金の亡者と言われたくないのでもう一つの理由をあげておく。体調の悪化である。直近の健康診断で血圧以外の結果は全滅、要精密検査であった。近日中に肛門から内視鏡を入れるか、肛門からバリウムを注入するか、重い決断をしなければならない。僕もまもなく40歳。加齢もあるだろうが職場での過度のストレスが原因と思われ、早々に退職してストレスから解放されなければ死んでしまう。

 以上二点が退職の理由である。

 

今後

 このように会社に対しては本当に怨念しかない。立つ鳥跡を濁さずというが、退職することによって会社や残る人たちにダメージを与えて怨念を少しでも晴らしたい。跡を濁したい。幸い、後進の育成にしくじったので、僕が窓口となって進めてきた老人ホーム等福祉施設向けの事業は僕の退職により空白が生じて混乱することは目に見えている。沸き起こるクレーム。引き続く契約解除。僕への課長手当をケチったばかりに…と上層部は悔み、僕の怨念はわずかに晴れる。win-winの関係成立。

 

 

 だがここで僕は気づく。晴れる怨念の小ささと、40歳で「フォークリフト免許」と「玉掛け作業者資格」しかない男の転職先の少なさに。この文章を書きながらネットで調べてみたところ【固定給なし完全歩合営業】の仕事しか見つからなかった。このまま退職すれば「ゼロ・グラビティ」の宇宙飛行士のようにフラフラと不安定な生活の宇宙を漂い、妻からは離縁を突きつけられ、僕は怨念を政治や社会へと転嫁、爆発させ路上でシュプレヒコールをあげるにちがいない。不憫だ。僕がシュプレヒってる一方で会社が受けるダメージはなくなり、僕のことなどすぐに忘れ去られてしまうだろう。懸念事項があって退職にとまどっている人がいるなら、躊躇なく、即、辞めることをおすすめする。いなくなってしまった人のことなどすぐに忘れられてしまうのだから、気にするだけ無駄だ。哀しいけど替わりはいるものだ。それが誰であれ。

 

 だが、10年に渡り蓄積した怨念を退職によって晴らすのは難しい。また、最もダメージを受けるのはウチの食事食材を楽しみにしてるお年寄り達だ。それは嫌だなと僕は思う。極端にいえば明日があるかわからない人たちの信頼を裏切りたくない。取り返しのつかないことは回避したい。つーか裏切れないよ…決断が鈍る。

 

 

 退職への決意がブレ始めていくので怨念を思い返す。僕は怨念を晴らしたい。それだけは間違いがない。だが、怨念を晴らすには、組織に仕返しをするには、悲しいかな、組織にいなければダメなのだ。辞めてしまえば僕と僕の怨念は忘れられるだけなのだ。怨念と退職…。会社には三人、どうしてもやり返したい人間がいる。そんな素晴らしい人たちを会社に残してどこか別のところになんていけない。

 

 以上、長々と書いてきたけど結論としては、怨念を晴らすこと、退職するための後進の育成をモチベーションに、しばらくは今の場所で頑張っていきたい。断じてお年寄りが気になったわけではないので誤解のないようにお願いいたします。無駄に長い文章になってしまったが僕のような意識が低い人間にとって退職エントリーというものが意味がないことがわかったので由としたい。フミコフミオの次回作にご期待ください。ピース!

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