Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

ドローンを所有している立場から一連のドローン問題について

ドローンを所有している一人の人間として、おバカな人がドローンを飛ばしちゃいけない場所で飛ばす騒ぎを起こしてしまったのは悲しく、そして迷惑な話だ。一連の問題でドローンへの規制が議論されている。もしこのままドローンが徒花のように散ってしまったら大きな損失だと思う。

ドローンは本当に便利なツールで、たとえば、人材不足に嘆く農業分野なら農薬の散布や種蒔きに活用できるだろうし、福祉医療の分野なら高齢化した過疎地への医療物資や食料の配送や、泌尿器科の医師でさえ出来ることなら触れたくないものをアップダウンさせるなどED治療にも役に立つだろう。

僕個人としても僕が留守をしているあいだの妻の追跡や、こっぴどく僕を振っておいてSNSで幸せを振りまいている過去の女性への望まれないお届け物など、ドローンの活躍するステージはいくらでもある。一部のおバカな人たちのせいでドローン普及のスピードが鈍化したら、それは悲しむべきことだ。

一方で僕は楽観的に事態の推移を見守ってもいる。電気アンマ。携帯マナーモード。冷ましたカップヌードル。優れたツールは、たとえ本来の用途とは違う良からぬ用途で使われる方が多くとも、生き延びられるものだと僕は強く信じているからだ。

僕の所有しているドローンは自律的に動くタイプなのだが、経年劣化と整備不良のせいで調子が悪く、最近はほとんどまともに動いた試しがない。それでも愛着のある機体なので毎日手に取って弄ってはいるが、悲しいかな、素人の僕に出来ることはなくお手上げの状態だ。それでも僕は僕のドローンが映画「レナードの朝」のレナードのように復活して大地に種を蒔くときが再びやってくるのを信じている祈っている。

僕もドローンを持つ者なので、首相官邸、善光寺、浅草といった衆人の注目を浴びるのがわかりきっているところでドローンを出してみたい人の気持ちもわからないではない。女子大学のキャンパスでドローンと黒光りしたドローン、愛称グリフォンを出してブルブル動かしたら女子大生にキャーキャー騒がれて気持ちいいことはわかりきっている。あっという間に親族全員から縁を切られるスターになれることだってわかっている。

けれども僕はやらない。ドローンしない。ならぬことはならぬからだ。女子大生にキャーキャーされれば僕のドローンは復活してドローンではなくなるのは目に見えてる。それをならぬこととする今の日本社会では、僕は徒花となって散っていくしかないのだ。