Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

再就職したホワイト環境職場で苦悩しているが相談する相手もいない。

悩んでいる。猛烈に悩んでいる。悩みすぎて吐きそうだ。俗にいう職場の悩みというやつである。悩みからくるストレスからだろうね、腸内環境が悪化し、切れ痔になってしまった。再就職した会社は実に働きやすい環境で僕の職業生活上最高レベルの充実した毎日を過ごせている。所定時間外労働は皆無。座席でうずくまり突然の耐えがたき便意に悶えていれば「大丈夫ですか」と声を掛けられる。スポーツクラブは会社負担で通わせてくれる。何より嬉しいのはきちんと仕事をして実績をあげれば認めて評価してくれること。前の職場では考えられないことだ。仕事をして実績をあげると、それを良く思わない同僚に足を引っ張られたり、妨害を受けたりした。なぜなら当時のトップが、仕事の出来ない人間に対しキタチョーのような厳しい叱責制裁を食らわしていたからだ。「デキる人間がいるとデキない俺たちが目立ってしまう。死ぬ。ならばデキる人間を引きずりおろしてしまおう。頑張っても給料上がらないし。その方が省エネだし」そういう人間の醜さと愚かさ、エゴとエコがぶつかり合うような環境だった。だから今の恵まれすぎている環境にはまだ慣れないでいる。実際、理解のある上司や協力的な同僚はファンタジー上の存在に思えてならないし、仕事に対する評価にも何か裏があるような気がしてならない。協力的な態度を見せられるたび、「えー!会社が払ってくれるのだからスポーツクラブに入りましょうよー」などとポジティブな意見を言われるたび「こいつ何を企んでいる?」「裏で妙な動きをしているのでは?」そんなふうに想像して、警戒し、胸が苦しくなったり、変な汗をかいたりしている。戦地から戻ってきた帰還兵がキツイ体験のフラッシュバックなど後遺症に悩まされ普通の生活に戻れないという話を聞くが、僕もブラックな環境から普通の環境への順応に苦戦しているのかもしれない。前と比べて緩すぎるようにしか思えない環境、身内に敵がいない環境に慣れないのだ。いってみればブラックPTSD。だが、それが僕を苦しめている悩みではない。悩みはもっと深いところにある。というのも今の環境には順応していける自信があるからだ。時間はかかるかもしれないけれど、基本的にはいい方向に向かっているとわかっているからだ。入社一ヵ月の時点でボスと面談をした。内容は任されている仕事の進捗状況と僕が会社でやっていけそうかどうかの確認だった。「今のところ仕事も予定通りですし、皆ともうまくやっていけそうです」僕が答えるとボスは「まあ、それは結構なことですが…」とどこか不満そうであった。優等生な返答をしたつもりだったので、その微妙な反応に困惑しているとボスは「キミには我が社には吹いていない風、つまりウインドを期待していたんですが」などと詩的に仰るのでますます困惑してしまう。フラッシュバックする8か月もの長きに及んだ失業期間、炎天下の駐車場での切符もぎりのアルバイト。ボスの言いたいことを日本語と英語で要約すると次のようであった。《非常にブラッキーできっつい環境で長年働いてきたキミには、社員同士も仲が良く働きやすい環境、ともするとお友達サークルになりがちな今の会社に、ブラッキーな管理職として厳しい風を吹かせてもらいたい》《Wind is blowing from black company.》ボスはひとことでこうも言った。「嫌われ役になってほしい」。きっつー。新しい環境、働きやすいホワイトな環境で皆と仲良く心機一転やり直したい。ブラック環境を忘れたい。そう思っていた僕にボスよ。あなたはブラックで在り続けろと仰るのか。僕の悩みはボスの仰るブラック環境を僕が知らないことに起因している。ボスはブラックを厳しい環境ととらえている。違う。断じて違う。ブラックとは厳しいのではなく、ただただどこまでもヤバいのだ。僕はヤバい職場環境しか知らない。ボスのいう厳しい環境を知らない。僕は厳しい管理職ではなく、単にヤバい奴になってしまうだろう。このままではボスの期待に応えられない。同僚からも忌避されるだろう。脳裏をかすめる離職からの失業のコンボ。はたして僕にブラックの呪縛から逃れられる日は訪れるのだろうか。僕の見事にパカーンと割れた切れ痔は、映画「十戒」の海を割って民のために道を切り開いたシーンを想い起こさせるけれど、僕を安住の地へ導くことはない。(所要時間18分)