「ヤリ友とヤリモクで会ってきますー」と言い残して出かけて行く妻のやましい姿を想像しその背中を忸怩たる思いで見送ったのは平成28年3月21日振替休日早朝のことである。何を隠そう妻は片倉 景綱推しの歴女。その日は同じ趣味をお持ちの方と槍見物。共働きの我が家の家事は完全分担制。こういう妻不在の日の午前を僕は料理にあてている。一週間を楽に経済的に暮らすため、あらかじめお惣菜をつくっておくのだ。買ったばかりの圧力鍋が火をふくぜ!
僕が作ったおかずである。僕は画像をブログに掲載するのが好きではない。にもかかわらずわざわざこのような証拠写真を掲載するのは「料理好きをアッピールして女の子にモテたい」というピュアな想いからなのである(これは先週の写真だけども)。
炊事。洗濯。掃除。エロ動画鑑賞。妻不在のうちに出来ることは全部済ませておく。午後六時、ヤリ友と一戦交えてきた妻が帰ってきた。やるべき家事を完遂し、夕飯の下処理にシモの処理まで完璧に終えている僕は胸を張って妻を迎えた。しかし、このテロの時代、つかの間の平和はすぐに終わる。妻が僕の休日仕事にクレームを入れてきたのだ。妻曰く、「トイレットペーパーを買い忘れている」。もしトイレットペーパーが切れているのが事実ならばリビングに張った荒縄で夫婦仲良く尻をこすり拭く地獄絵図だが、僕は自分の仕事に自信があった。トイレットペーパーの備蓄が十分にあることを確認し、あえて購入を見送ったのだ。ここで一枚の画像を公開する。この画像が時代を動かすものだと、先日NHKで放映された「新・映像の時代」を視聴した僕は信じている。
我が家のトイレに設置された合板製の棚である。前列に8ロール、後列に14ロール、上段に4ロール、すでにホルダーにセットされている2ロールを加えると計28ロール、徳川二十八神将と同数のトイレットペーパーの備蓄があるのだ。圧倒的じゃないか我が軍は。しかも我が家は僕と妻の二人だけ。それなのに無慈悲な妻は2つの瞳で28のトイレットペーパーをみて42才の僕の仕事にダメだしをしてくるのだ。40ロールの備蓄がなければ不安で死んでしまう!と。12ロール入りトイレットペーパー追加購入を見送った判断が間違っていたのかどうか、僕は本気でわからないので誰か教えてくれ。この騒ぎで妻が備蓄トイレットペーパーを手前から使用しているのことも発覚した。それは補充したばかりの真新しいものから消費されること、後列は数年手つかずの状態にあることを意味している。僕だけが古いものから消費していてもあまり意味がない。いざ使用するときに紙質が劣化していて破れたら…考えるだけでホラーショー。
万事そのような感じの妻なので冷蔵庫のタマゴちゃんケースにぎっしりと並べられたタマゴちゃんも手前から使用していること、奥にいるタマゴちゃんは数年整列したままになっていることが容易に想像され、いざ、天災事変等が起こりタマゴちゃんの供給が止まったとき、奥のタマゴちゃんを食して死ぬのは若い妻ではなく抵抗力の弱い中年の僕。きっつー。タマゴちゃんで死にたくないー。僕が今週から朝食を全面的に引き受け、この命が果てるまでフライパン片手に毎朝タマゴ焼きや目玉焼きやスクランブルエッグをつくろうと決意を固めたのは、ただただ、生きるためなのである。(所要時間18分)