Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

会社を辞めるとき家族に相談しなきゃダメ?

 私事かつ唐突な話で申し訳ないが、今月末をもって仕事を辞めることになった。つまり10月31日、今日である。僕自身が一番驚いている。退職エントリーを書くようなポジティビティとナルシズムに貫かれ、夢と希望と感謝に満ち溢れた退職ではない。ここで個人名を出せないのが悔しいが、パワハラ、セクハラ、篠原、桑原に耐えかねての突発的な退職だ。配偶者に相談せずに辞めた。家賃や食費、光熱費など諸々の生活費は僕が負担しているが、貯金もヘソクリも十分にあるので金銭的・経済的に迷惑をかけることはない。心配をかけたくない。そう考えたからだ。
 
 
 けれども《配偶者、パートナーに心配をかけたくないから相談しない》という行為、それが正しい行為だったのか、それとも相手に対する誠意を欠いた行為だったのか、まだ僕は判断出来ずにいる。「金銭的・経済的に問題ないからいいでしょう」と妻はいうけれども、道徳的にはどうなのだろう…不義理にあたらないか…僕の悩みは深い。
 
 
 悩みを抱えて明日から会社員生活を送っていくのはつらいことだ。今朝も、朝礼で総務の人が「3連休中に社長が湘南国際マラソンに参加なされる。業務命令ではないが、定められた集合場所と時間に全社員個人の意思で参加すること」と理不尽な業務命令を伝達していた。オフレコだが、と前置きしてから、出欠は取りますからと小声で付け加えていた。3連休消滅。つらいなぁ。また、悩みによって集中力を欠いた状態にあるので今日の午後、半日間で通勤災害や労働災害に巻き込まれる可能性も大きい。命に関わる大問題だ。一刻も早く悩みに対する光が、答えがほしい。
 
 
 配偶者に相談せずに仕事を辞めるのは僕ではなく妻だ。諸々の生活費は僕が負担しているので生活が困窮することはない。相談をしなかったのは、心配をかけたくないという思いやりからだと妻はいうが、なんだかもやもやして納得できないでいる。「僕が辞めるときも思いよりの点から同様に相談しなくていいよね」と妻に訊いた。すると妻は「君のことが心配だから事前に絶対、絶対に相談してほしい。さもなくばリコーン」と極めてポップな調子で答えた。ポップさゆえに内容の深刻さが強調されて僕に響いた。なんだか不公平に思われ、納得できないけれども「自分自身の生活も心配だけれど君のことも多少なりともは心配なんだよ」と妻に言われてしまうと、そうだねえってなってしまう。愛は死よりも強く、過労死の恐怖よりも強いと僕は信じている。これからも信じ続けたいので答えがほしい。
 
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・「かみぷろ」さんでエッセイ連載中。
「人間だもの。」
 
・ぐるなびさんの「みんなのごはん」にてエッセイ連載中。
「フミコフミオの夫婦前菜 」