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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

五十才独身男に結婚出来ない理由を指摘したら超キレられた。

日記

 昼食時、五十才の元同僚A氏から「フミコ氏お願いだ。俺が結婚出来ない理由に心当たりがあるなら、遠慮なく言ってくれ」と言われた。じっと彼の顔を正面から見つめてみる。インターネットで人様の外見について述べるのはフェアじゃないので、僕が彼の顔についてどのようなジャッジをしたのか、敢えて言わない。ご両親と遺伝子を恨むしかない顔面と述べるにとどめておく。だいいち僕が言うと説得力が失われてしまうけれど、結婚と顔面はあまり関係ないし。

 
 顔の不出来よりも気になったのは、貧しい心と葬式が映し出されたような陰気な表情。自覚してる「結婚できない」要因を訊くと彼は顔が良くないからと答えた。そして「あとは収入が少ないことかな」と続けた。これだよこれなんだよ。僕はダイレクトに言ってやる。「顔が悪い。収入がよくない。確かに君の顔は悪いし収入は生活保護以下だ。将来もない。年金も貯金もない。けれどそういう自分の劣悪さを理由や逃げにしてるその卑しいマインドがダメなのだと僕は思う。君が劣悪なのは今に始まったことじゃないだろう?生まれたときから半世紀負け続けてきたじゃないか。負けから学べよ。それなりの戦い方を考えないのは、僕に言わせれば怠慢なんだよ。ちなみに仕事は?」「派遣に登録はしてる…」「お、おぅ…」
 
 僕は頭に来ていた。彼の言動から見え隠れする、楽に愛されたいという自己中心さが。結婚出来れば人生御の字というようなお気楽さが。甘い。二人一緒なら喜びは二倍悲しみは半分になるよ的な結婚は嘘だ。僕から言わせれば結婚とは悲しみだけでなく喜びも半分になってしまうことだ。ハードコアなんだよ。半分になった喜びや悲しみを、一枚のクッキーを二つに割って食べるように共有して味わう。楽しむ。それが僕の考える結婚だ。顔が…収入が…と陰々滅々としたネガティブ野郎と一枚のクッキーをシェアしたい異性がいるわけがない。
 
「そこまで言わなくても」と怯む彼を遮って続けた。彼のために。「僕が女性なら君のように若くもなく才能もなく金もないネガティブで不細工な五十才は選ばないよ」「頑張ってるよ。でも国と政治がダメなんだ」「出た。出ましたー。国と政治。結婚出来ないのは世の中が悪いから。それ言ったら結婚出来ますか?」答えはない。彼は政治的な意識が高いのかどうなのかわからんが、アベ、ノダ、カン、アソー、フクダ、コイズミ…彼は以前からハトヤマを除くその時々の政権を批判してきた。全部世の中のせいと考えれば自分の欠点から目を背けることが出来るからだろう。楽な生き方だ。
 
「いやー無理だ。その被害者意識を払拭しないかぎり金も才能もない君が結婚するのは無理だー。諦めなさい、悪いこと言わないから」僕は自らを悪者に仕立てて彼を奮い立てようとした。この心意気が僕を既婚者にする。「諦めますわ…」「えっ!」このままでは僕は悪者になってしまう。それはイヤだ。
 
「これくらいで結婚を諦めるなよ。金とか外見とか陰気な表情とかそんなのよりも決定的な要因を教えるから。それさえ直せば何とかなるかもしれないから」僕は前々から気になっていたけど言えなかった彼の欠点を言うことにした。「ぶっちゃけて言うけど怒らないでよ」「構わない」「君、ニオイがきっついのよ。ワキガ。口臭。あらゆるものがくっさー。先ずそれを治さないと結婚なんて数万光年先のことだよ。くっさー。きっつー」すると彼は「お見合い結婚のくせに生意気だ!」と大声をあげて思い切り僕の頭を殴った。何で激高したのかさっぱりわからないが彼が僕の言葉を信じて立ち直ることを超適当に祈っている。(このモテそうにない文章は18分間で書かれた)