ド派手なゲス不倫を通じて人類の可能性を拡げて見せてくれた乙武洋匡さんには感心するばかりである。しかし乙武さんの行為について妻と話をしてみたところ、男女の違いというべきだろうね、妻は感心するばかりの僕とはまるで正反対のスタンスであった。許せないそうである。万死に値するそうである。穏やかでない。
五体不満足だが仕事も順調で政界に打って出るような気概もある。著作は何百万部のベストセラーで数億円を稼ぎだしているように財力も申し分ない。奥様と三人の子供がいる良きパパである。映画にも出て芸能界や文化人などの人脈まである。そのうえ明るくて弁もアソコも立つ。若い女の子にモテないほうがおかしい。確かに家族に隠れて五人の若い女性と深い関係になっていたりダミーの男性(以降「ダミ男」)を伴っての旅行などは道徳的倫理的に誉められたものではない。どこの国会に出しても恥ずかしくないゲスよ。しかしそれが何だ。普通のリーマンより多額の金を家庭におさめ、家長の務めを完全に果たしていたのならそれでいいではないか。今回はマスコミにバレてしまったけれど、もし誰にもバレることなく完全無欠な乙武さんのままだったら誰も何も言わないではないか。ほとんど不可能だけれど、もし家長としての役割を果たしたうえで完璧に配偶者や家族に対して隠蔽出来るならそれでいいではないか。乙武さんよりゲスなのはそんな他人のプライベートに喜んでいる人の方でそっちの方がよほどゲスブスカスなのだ。
驚くことなかれ、このような極論を申し上げたのは僕ではなく妻である。許せないのは己のうまくいかぬ転職活動の憂さ晴らしで他人様を面白がる僕であり、その罪は万死に値するそうである。きっつー。一方でその方面に寛大なように思われた妻は「自称Perfect Bloggerの君が私を裏切っていたら即座に切腹してもらいます」とも仰ったりするので女性とはなんて難しいのだろう。このように妻は「人並みに夫としてのツトメを果たし、転職を成就させてから他人様に言及するべき!この未熟者!」とEDの僕にきつくきつく申し渡したのである。今思い出すだけで、やべー泣きそうだ。「足なんて飾りです」というガンダムのセリフがあったけれど、この僕の涙は飾りじゃないの。(所要時間12分)