Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

「ブログやってます」は就職の武器にならない。

あまりにもリスクが高いので自己責任になってしまうが、自分を見つめなおすために、一度、仕事を辞めてみるのも悪くない。昨年の一時期、僕は日払いアルバイト生活を送っていたのだが、後悔はしていない。むしろ無職に感謝している。自分の置かれている状況、立ち位置がよくわかったからだ。どんな事情であれ、40オーバーのいい大人が日中ブラブラしてる状態を、世間は良く思わない。そう、頭では重々承知しているつもりだったが、実際、家族に白け顔で溜息をつかれたり、知人友人から「自由でいいなー」「俺も無職になりたい」と嫌味っぽく言われたりするのとではまったく違った。無職きっつー、と思い知らされた。この実感は無職にならなければ経験できなかったものだ。正直いえば短期間のうちに再就職できるという勝算はあった。同じ業界で生きていくだけなら、前職でそれなりのポスト(管理職)までやったので、苦労しないだろう、と。ダメでござった。その結果が8カ月ものあいだ食器洗い、葬儀屋、屋外駐車場の各アルバイト生活である。なぜダメだったのか。前提として僕は家族プレッシャーにより収入ダウンは許されなかったので、再就職でも、それなりのポストに就かなければならなかった。ところが、同業他社で希望の収入を得られるポストは空いていなかった。また、同じレベルの能力なら若い方を選びます、と中高年全否定の理由で断られたこともあった。「ウチの社長より年齢が上だから」という理由で断ってきた会社もあった。そのときは器とアソコちっさ、とバカにしていたが、ふたたび管理職となった今、振り返ってみると、自分より年上で経験もある部下を持ちたくない、という心理はわからないでもない。久しぶりに求職活動をしてみて、昔と違うのは、SNSとの付き合いを質問されたこと。「ツイッターやフェイスブックをやっていますか?」「ブログを書いたことがありますか?」などなど。ツイッターのフォロワー数やブログのPV数など、突っ込んだ質問をしてきた会社もあった。それなりにやっているのでアバウトに答えた。フォロワーは2万人ほど、ブログは17、8年ほど書いています、月にこれこれくらいですかね、読んでくれている人は、つって。これらの数字の価値はわからないけど、長いことやっている事実に対する反応を期待していた。「ずいぶん長いことやられてますな」的な。ところが予想に反しリアクションは「そうですかー」と極めて薄いもの。それから「閲覧数100万といっても1万人が100回閲覧しているだけかもしれませんしねー」と言われた。話を訊くと、その会社はHPの閲覧数が売上に結びついていないらしい。うむ然り。そりゃ軽く見られるわな。国内1億人をターゲットにしている企業にとって1万人は0.01%。月10回更新するブログなら10万人が10回、20回更新なら5万人が20回閲覧しているにすぎない。日常的にネットやブログに接していると、ブログをやっていることが世の中からどう見られているかわからなくなりがちだ。雑な捉え方かもしれないけれど、普通の企業では、個人ブログなんてその程度の捉え方しかされないか、まったく評価されないのが普通なのだろう。再就職の決め手になったのは、自分をどう売り込むか戦略的に考え、どれだけの利益を会社に与えられるか費用対効果を明らかにしたプレゼンテーションだった。いずれにせよ、ブログをやっていることは基本的にブロガーやインターネットのごくごく一部の中だけの評価基準であって、就職するにあたっては、ブロガーであることを過信しないほうがいいのは間違いなさそうだ。少なくとも僕のブログとブログ歴は再就職には何の役にも立たなかった。内容を聞いてさえもらえなかった。こんな怨念と憎悪と恥辱に塗れたブログの中身を聞かれなくて良かったと今は思っているけれどね。(所要時間20分)