Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

現場で働いたら「年収の壁」と同時発生した「動く壁」のヤバさに気付いた。

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僕は食品会社で働く営業部長だ。人不足により、ヘルプで現場に赴く機会が増えている。昨日は、ウチの会社がマネジメントを任されている飲食店のヘルプだった。仕事自体は周囲の声を聞いて、決められたとおり、ちゃっちゃっちゃっと働くだけなので楽勝。運営部門の担当者からマネジメント業務も任されていた。そこで働いていただいているパートスタッフの労働契約更新に係るヒアリングだ。「基本的には皆さん継続と聞いています。問題ありません」と事前に聞かされていた。

出勤している6名のパートさんから話を聞いた。全員が現在の働き方を継続したいという希望を持っていた。予算作成のためには労務費をある程度確定させる必要がある。僕はそれぞれのパートさんにどれくらい働きたいのか訊ねた。全員が「年収の壁ギリギリまで働きたい」意向。年収の壁を越えて、たくさん働きたいという人はいなかった。メインは旦那の収入。「では年間で103万円を切るようにシフトを組むしかないですね」と軽い気持ちでいったのが失敗だった。6名全員が一斉に口を開いた。「どうして103万円になるのー」「もし壁が変わったら私たちが損するじゃないー」「ギリギリが希望なの。ギリギリが希望なのよー」「部長さんとちがって私たちは時給でギリギリ生きているから壁が死活問題なのー」「一年終わってハイ壁は上がったけどギリギリ103万しか稼げませんでしたー済まないのよー」、ギリギリガールズからの圧力で胃がギリギリと痛んだ。だが、ここから信頼を勝ち取ってギリハッピーに持っていくのがマネジメント業務の腕の見せ所なのだろうが僕は営業職。きっつー。いや、営業職でよかったというべきか。

「103万の壁が上がるのか、いつから上がるのか、確定しないことには生活設計ができない。ギリギリで決められても困る」という彼女たちの意見は正しい。壁が確定せずに動いているのが問題なのだ。ギリギリガールズは「103万のつもりで働いて、損をしたら責任を取ってもらえるのか、200万のつもりで働いていて壁が103万のままだったら補填してもらえるのか」等々勝手なことを言い始めた。「まあ壁が決まったら改めて働き方については話し合いましょう」と言って落ち着かせようとしたが「年末になって決まったり、あとから4月からよーと言われたらどう責任を取るの」となぜか年収の壁問題の全責任が僕にあるような言われ方をした。103万の壁撤廃を掲げて躍進した国民民主党の代表にはしっかりと責任を果たしてもらいたい。セクシーギャルとの火遊びでアレを壁のようにかたくしたならば、そのぶん、仕事をしてくれ。早く壁をかたくかためてくれ。僕自身は年収の壁がどうなろうと恩恵がないのに、パートさんからの圧力で胃を痛めている。「部長さん年収の壁がいくらになるのか決めてよ。そこに合わせるから」とひとりのパートさんが発言した。拍手が起きた。こわくて決められねーよ。

年収の壁のことを考えるだけで現場に行くのが嫌になりそうだった。僕は、パートさんたちが必要以上に大声を出している理由がわからなかった。声を大にすれば意見が通るという子供じみた考えからだと思っていたが、なんか変だ。ピュアな好奇心からたずねてみたら、その事業所の責任者(正社員)が(壁が確定していないのに)彼女たちを長い時間働かせるシフトを作ろうとしているから抗議のつもりで声を張り上げていたということらしかった。「ここの休憩室は壁が薄くてすこし声をあげると向こうの事務室に筒抜けなんですよ」とパートのリーダー格が教えてくれた。恐怖の透明の壁がそこにはあった。その場を取り繕うためにパートよりの発言を繰り返していた僕は、その後、責任者と話をしたとき、居心地が悪すぎた。そんな僕の傍らに、セクシーギャルはいない。(所要時間19分)