Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

トイレにとじこめられてます。


 私事で恐縮だが一身上の都合で本日午後7時くらいから自宅マンションのトイレに閉じ込められている。鍵がいかれたようだ。回してもツメみたいなのが引っ込まない。ドアの隙間はきっちりしていて向こう側の明かりもみえない。窓もない。iPhoneだけある。

 別居中の妻に助けを求めれば解決だと思うが躊躇している。躊躇している理由は僕のちっぽけな自尊心である。つまりそれはリビングで視聴していたアダルトDVD。視聴自体もまあ今そこにある危機の1つであるが、問題はジャンルといいますか、タイトルを挙げることで皆さんの想像にお任せして説明は省かせていただきますが、タイトルはズバリ「獣皇」。長谷川ちひろ主演。


また、不幸は連鎖するものでございまして最近の僕は全裸で自宅トイレに入ることで魂の解放と安らぎを得ることがマイブーム。そう。つまり今、僕は全裸。


(ドアノブに映る裸の男)

 リビングで流れる変態アダルト作品、テーブルの上にあるTENGA(ファンシーグッズという言い訳が出来そう)、伸び切って実にアレな感じに仕上がっているカップ麺とつまみの数の子、そして全裸の中年男。すべての 状況証拠が黒だと語っている。これらが別居中の妻を呼ぶのを躊躇する理由である。自力で出たい。ヘルプミー。


(追記)


 午後8時40分。天井はこんな感じ。不思議と寒くない。ここには用を足すことについてすべてがあるけど他のすべてがないよ…
などと途方に暮れているとあざけり先生(id:azakeri)から「詰みや!完璧な詰みや!」という優しい電話が!悪魔か!貴重なiPhoneの電池浪費!くっそ。


 自力は無理っぽい。道具もないし。つーわけで妻を呼んだ。9時半に来るよ。なんとかリビングの52型液晶テレビで流れている「獣皇」を妻に見られないようにしたい。52型アニマルセックスは全裸とのコラボで離婚されかねないよ。トイレからネゴシエーターとしての力量が試されているな…ところでDVDて再生終わったらも一度頭から再生されるのかな?それともタイトルになるのかな?タイトル画面なら、「天才!志村どうぶつ園」のDVDだよ、つって誤魔化せるのだが。


 手拭タオルを腰に巻いた。ターザンのようだ。さて、妻が来るのを待つとしよう。僕は現代のターザン。アーアアー!(嗚咽)


(追記2)


 午後9時半、別居中の妻がやってきた。しかし午後10時、ぼくはまだトイレにいる。結果からいうと妻による僕救出作戦は失敗した、奇跡は起こらなかった。


午後9時半。妻が来た。物音でわかる。妻をリビングに行かせてはならぬ。今、リビングの52型テレビでは犬たちが腰を振っているワン(想像)。僕はトイレから大声を出した。「アーアアー!」


妻「テレビ、ワンちゃんと女の子がお風呂に入ってますー」

僕「『どうぶつ奇想天外魔境』の録画だよ。知らない?はは。無理もないよ。テレビ神奈川の深夜だからね。先ずは僕をここから出してよ。どうぶつの森やりたい」

こうして妻による隙間に薄いものを入れてツメを引っ込める作戦がはじまった。クリーニング屋のスタンプカードらしい。

僕「ゆ、ゆっくりとね…」

妻「うまく、入らない…すごく、狭いよ…」

僕「落ちついて。ゆっくりゆっくり。痛いっ」ドアノブに頭をぶつけた。

妻「ごめん、あれ?おかしいな。柔らかくてうまく入らないよう」

無駄にエロい会話。しかも男女逆転。嘘みたいだろ。僕たちセックスレスなんだぜ…

こうして作戦は失敗に終わった。


今、僕は工作が得意な義父を呼びにいった妻を全裸で待っているところだ。僕は現代の裸の王様。アーアアー(嗚咽)

つづく。


(追記3)


 午後11時。妻が義父を呼びにいってから一時間経った。遅い。暗闇の中で苛立つ。なぜ、暗闇に沈んでいるのかと申しますと、妻が電気を消してしまったから。暗いよー。狭いよー。リビングから漏れるアダルトDVDの音がよく聞こえる。闇に紛れて生きていると五感が研ぎ澄まされる…ということではなく、リビングのドアを妻が開け放していったらしい。隣人にも聞こえているかも。音で、わかる。たぶん雨天のなかでセーラー服を着た長谷川ちひろさんが犬二匹を相手に無双してるシーンだ。

最悪だ。

はっとする。妻は義父を呼びに行った。僕が妻の家を追い出されたのは泥酔して洗面台で放尿したことがきっかけであった。もし、また義理のムスコたる僕がアダルトDVD上映会をしながらムスコ丸出しの全裸でトイレに閉じ込められていることを義理の父が知ったら?…破局だ。妻にTEL。

僕「実は、僕はね、全裸マンなんだ」大切なことは全部ウルトラセブンに学んだ僕が言う。

妻「こんなときに。ゼンダマンは傑作ですう。アマッタンかわゆい」

僕「全裸。全裸。タツノコプロじゃなくてトイレで裸なの」

妻「今家を出たから手遅れでごわすよ」


詰んだ。あたしなんで1人暮らしなのに鍵かけちゃったんだろう…


(追記4)

 午前零時。僕は暗闇でのウォシュレット遊びには飽きてしまった。一時間で五回ウォシュレットやれば飽きる。僕のモヤモヤとは裏腹に僕のお尻はピカピカだ。


 別居中の妻が義理の父を連れてくる。全裸でトイレに閉じ込められた僕を救い出すために。電話の妻はいう。「お父さんトイレのドア開ける気マンマンよ」。妻よ。お義父さんトイレのドアの向こう側で義理の息子チンチンなのを知らないのだろう?しかも無人のリビングでは獣皇上映会。サードインパクト=離縁が起きる条件は整っていた。整いすぎていた。どうすべきか。闇のパープルアイをギラギラさせて考える。全裸で。すると玄関のドアが開く音がした。


 父だ。父が来たんだ。と同時に便意襲来。真冬5時間全裸の代償。大小を問うのは愚問なり。ドアの向こうから妻の声。「お父さん酔っ払っていて大変」!泥酔しているなら勝機なのでは?すべてをうやむやにしてしまえるかもしれん。


 義理の父が作業を開始した。「ひまほらはけるぞ」お義父さん酔っていてしどろもどろ。なので妻が翻訳「たぶん、今から開けるぞだと思います」。すみません、僕が言うと義理の父が「ひにょうきか。びみはななしのしのごら」といい妻が「たぶん、気にするな。君は私の息子だから、たとえ裸でも見捨てたりはしない。イキロ。と言っているんだと思う」と翻訳するが明らかに原文より長い超訳。


 以降、僕「すみません」→原文「びわさすける」→超訳「今助けるから。カラダを冷やさないようにしろ。寝たら死ぬぞ」。僕「すみません」→原文「シュツットガルトひにんするな」→超訳「しっつこいぞ。義理のムスコが全裸、それくらいで見損なったりはしない。それより寒くないか?」。というようなやり取りを繰り返す。やだ…なんか超訳のお義父さん、男気溢れてて、やだ、かっこいい。と感心しているうちに耐え難い便意。


 しかし。ドア一枚を挟んだところにいる愛する妻と、僕を助けようと奮闘する義理の父の目と鼻の先で大をすることなど僕には出来ました。訓練ではなく実戦でウォシュレットをつかう僕を詰る妻の声。それを遮るように「トイレにはトイレの仕事がある。人間にはトイレで為すべきことがある」毅然とした態度で僕は言った。


 そして扉はひらいた。あっさりと。その瞬間、僕は。便座に座る僕のちょうど股間の高さにしゃがんだ義理の父の顔があった。その脇に腕を組んで立ち尽くす妻。リビングから漏れるアニマルと人間の淫らな声(なぜリピート再生?)。しかし一般ピープルには音だけでは内容は理解できない。勝機だ。僕は正気だ。


 次の瞬間、僕は駆け出している。トイレから飛び出している。駆け抜ける空間がないので、お義父さんを跳び箱のようにして飛び越え、着地。全裸で。先っちょがアリトルビット触れたかもしれぬ。さような事に気を取られたからか、足の痺れからか、着地でバランスを崩すが両手を床につき四つん這いで前進。全裸で。一匹の獣になる。それからテーブルにあるリモコンを前足を器用につかって、52型液晶テレビから、今まさに犬のアレが娘にディープインパクトする瞬間を抹消する。そう。僕はやりとげたのだ。その後、妻と義理の父からは軽く説教をされた。説教の始終僕はフルチン。39才なのに。


「今日、泊まってくだろ?」僕は言った。妻はこう言って帰っていった。「今日は無理。大政奉還ですう〜」。

妻の言う大政奉還、新しい生活に、今、僕は珍しく期待している。トイレの神様はいた。本当にいたんだ。おしまい。


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