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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

労基署に訴えんぞー!

僕はビバ!バースデー!とプラスに受け取っているのだけれども誕生日に送られてくる《年金定期便》で厚生年金の未納が判明した。いざ、積年の恨みつらみを払さんつって決死の覚悟で会社に対してアクションを起こすところだが、悲しいかな、残念ながら未納は妻の厚生年金。

一年ほど勤め遺恨だけを残して退職した職場から納められていなかった。もちろん、妻の給与から本人負担分は引かれていたので元職場の失態である。危機である。妻の年金が減ることは僕のこづかいが減ることである。しかし、ピンチのときこそ求められるのは冷静さ。僕はボケ防止のガンプラを作成しながら、冷静に、年金事務所に行って確認なさいよと助言した。

翌日つまり今朝、年金事務所に行った妻から電話があった。未納が確認された、今から元職場に電話をして直談判するという内容。刺激しないようにマイルドに「頑張ってよ。愛してる」「それなら今から来てください。年金事務所にいます」普段なら何でそーなるの?と萩本欽一さんのマネを入れるところだが抑えて「大丈夫。君ならひとりで出来る。愛してる」というと妻は「集団的自衛権です」などと流行語大賞を口にするものだから思わず僕も雑踏の中で「ダメよ〜ダメダメ」をやってしまう。

妻の理屈によれば、私が不利益を被っているのですから同盟国のあなたは一緒に交戦しなければならないというもの。なるほど然り。「君には君の役割を果たす義務があるのです」と夫としての役割を説く妻に返す言葉はなかった。いや、交戦より交尾を、とかあるにはあったけれども夫の役割を「オスプレイです」と言う妻のセンスに笑っちゃって何も言えなかった。

早退して年金事務所に行き妻と年金事務所の人と話をして、さ、電話という段階になって受話器を渡される僕。「僕が話すの?」「オスプレイです」遺恨退職のせいで話をしたくないらしい。僕が名前を名乗り、妻が作成したカンペに従ってよくわからないままに、厚生年金料が納められていないこと、届けられた資格喪失日が遅いこと、12ヶ月勤務なのにひと月分多く引かれていることなどを告げた。

先方は僕の名を聞くと明らかに警戒感を示して、僕が文節を区切るたびに「でも…」「それは…」「忘れてたわけじゃなくて…」と否定的な相槌を入れるものだから、淡々と終わらせるつもりだった僕も、恨みがあるわけではないが、ざけんなよ、って文句を言いたくなるのを堪える。

「別に事を荒げるつもりはないので速やかに対応お願いしますよ。恨みっこなしで、さもなければ…」と僕はいい、続けるはずの《また電話しますよ》という決め台詞は、隣にいた妻が僕の持つ受話器をガシッと掴んで「労基署に訴えんぞー!」とアニメのような声で言うものだから永遠に葬られてしまう。

《さもなければ》《労基署に訴えんぞー!》

結果的に啖呵を切ったみたいな形になったのと、妻を守らねばというオスプレイから、アニメ声との整合性を保つためにオカマのような裏声で「それではお願いします〜」と言って僕は電話を切った。今しばらくは相手の対応を待つしかない。妻は満足気だが僕は温厚な妻の恐ろしさを垣間見てしまい、勃たないものがいっそう勃たなくなりそうだ。年金定期便はよくチェックしないとダメよ〜ダメダメなのである。