Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

リスクをとらない人の文章がマジで面白くない理由

この日記こそがまさにその典型といえるのだけれど「リスクをとらない人の文章は面白くない」という内容の非常に面白い文章がタイムラインに流れてきたので読んだ。北条かやさんという大変な才媛ライターが書いたブログ記事らしい。告白しよう。僕は人生観が変わるほどの感銘と衝撃を受けた。当該ブログ記事に拠ればフリーで生きている方々の書く文章は切実だからこそ面白いらしい。当たり前だ。通帳記入が趣味であるような平凡な会社員の僕の書く文章が、数々のリスキーでビッグな仕事をしてきたフリーな人たちが血で書いたような切実文章よりも面白かったら悲惨でしかない。リスクだけ背負って面白くなかったらただのアホではないか。

もちろんリスクを恐れずにチャレンジすることは大事で、見習いたい。しかしリスクを恐れず挑戦することと、わざわざリスクをおかすことは違う。地雷が埋まっている地域を駆け抜けるのと地雷をわざわざ踏むのでは似ているようでまったく違うように。わざわざ地雷を踏みに行くのはただのバカである。その2つを混同してる人が最近ものすごく多い気がする。わざわざ地雷を踏むようなことを言って注目を集めようとするのだ。僕は必要としないけれど「バカにされている」を「評価されている」に変換する能力は現代を生き抜くのに必要な力なのかもしれない。

とはいえ僕はリスクを恐れずフリーで戦っていらっしゃる人たちへの尊敬の念を一瞬たりとも忘れたことはない。「すげえなぁ」と素直に感心する。しかし同時にフリーの方々には大きく分けて二種類のフリーがいるのを忘れないようにしている。組織におさまらない器を持っている有能な人と、能力的に組織でやっていけないだけの残念な人だ。僕はそのあたりの識別を間違えないように気をつけてフリーランスの方々を尊敬するようにしている。わざわざ地雷を踏むのは圧倒的に後者が多いのは大変興味深い。

リスクをとらない人の文章は面白くない、フリーでリスクを恐れずに攻めてる人の文章は面白いなどと、リスクを冒さず、当たり前のことを言っているのは、地雷を踏みに行っているのと何ら変わらない。僕が当該ブログ記事に感銘を受けたのは、そのリスクをおかしてない内容とネタのようなブーメラン具合に対してである。このようにあえてリスクをとり、特定の個人を貶すような文章であっても特段面白いものになるかといえばそうでもないのでリスクの有無はあまり関係ないように思われる。(所要時間16分)