Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

小室哲哉氏の引退とぼくらの七日間戦争

多くの肩書があるけれども僕にとって小室哲哉さんは今までもそしてこれからも未来永劫ずっとTMネットワークのリーダーである。先日、引退会見に臨んだ小室哲哉さんは、追い詰められ、疲れきった老人に見えた。30年前に赤く燃えるサバンナを眺める金曜日のライオンのように逆立てていた金髪はすっかり落ち着き、白髪と見間違えるようになってしまった。時折涙ぐむ弱々しい姿は、このままUTUになってしまうのではないかと心配になってしまうほど。不倫と介護疲れによる引退。その行いと対応の是非は受け手側それぞれの考え方により違うと思う。ただ、会見で小室さんがEDを患っていると告白されたときに僕の頭に浮かんだのは「戦友」の二文字だった。同じ病、敵と戦うレジスタンス。数年前、胸にズゴックが描かれたTシャーツ姿で逮捕されたときに覚えた親近感よりも強い絆を感じた。そして悲しかった。追い詰められているのは想像に難くないがEDを言い訳に、無垢や純粋さの根拠にしていることが。僕はTMネットワークから「戦うことの大切さ」と「強くなれる」可能性、その二つを教わった。どんなに離れていてもひとりきりで泣かないでと励ましてくれたことも。それがどうだ。一人きりで泣きながら「僕EDなんで男女のアレはありません」とは。不倫の是非はともかく、僕は同じEDマンからそんな言い訳だけは聞きたくなかった。「EDの分際でチープなスリルに身をまかせてしまってサーセン」と潔く謝って欲しかった。よく「EDだから性欲ないはずだよね」と言われる。何百回、もしかしたら何千回も聞かされたかもしれない。思い出したくないくらい酷い言われ方もした。お前はすでにオスとして死んでいる、と。完全に誤解だ。性欲はある。今でももし自在にセルフコントロール出来ればちょめちょめしたいと思っている。個人的にはJDと朝までビートゥギャザーしてみたい。もちろん以前のように見境なしにカモンエブリバディというわけにはいかない。だが、1週間ほど禁欲して魔法のお薬のパワーをお借りすれば、タフかどうかさておき、ゲットワイルドできるときもある。運がよければ、タイヤを切りつけるアスファルトみたいに、向かい風に逆らうように、強くなれる。僕が今もEDや禁欲の1週間を戦えるのは小室さん、あなたが、TMネットワークが、「SEVEN DAYS WAR」で、《僕たちの場所この手でつかむまで》と力強いメッセージをくれたからだ。1988年。中学三年のあの夏に“Revolution”とノートに書き留めた僕を失望させないで欲しかった。もちろん同情は禁じ得ない。EDになってしまったことへ、そして本来必要のないEDのカミングアウトをするほど精神的に追い詰められてしまったことへも。おそらく小室さんはEDビギナーで不安なのだと思う。少子高齢化を嘆きながら、ED対策を真面目に講じていない現実を象徴している。奥様の介護が孤独であったように、EDもまた孤独なのだ。誰も助けてくれない僕らは僕らでもっと連帯するべきだと思う。必要なのはネットワーク。EDネットワークに介護ネットワーク。力を合わせれば、ひとりでは解けない愛のパズルも解けるかもしれない。傷ついた夢も取り戻せるかもしれない。そしていつか。奥様の介護の負担が大きく、無理かもしれないが小室さんにはいつか週刊文春と戦ってほしい。ゲス週刊誌との戦い、セブンデイズウォー。小室さん。僕もあなたと違う場所で闘うよ。ただ素直に生きるために。(所要時間14分)