Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

会社評価ビリの営業マンが1年で社畜度を40上げて中間管理職になった話

先行きの見えない、誰もが不安の時代だ。仕事、とりわけ理不尽な上司に直面し肉体的精神的に限界に達している人も多いと思う。今日はそういった上司を受け流して心身を守りながらも出世に繋がる会話テクニックを教授したいと思う。僕は、掛け値無しに、といったら大袈裟に聞こえてしまうけれど、断言できる。このテクニックで課長になれたのだと。ポイントはただ一つ、立派な社畜になりきること。感情と口先が完全に分離するまで、夢に出てくるくらいまで文例を頭に叩き込んで欲しい。

1.「私とはレベルが違いますよ〜/私にはとても無理です」

アホーな上司が大したことがない実力・業績を披露したときにはこの文例を口にしよう。その際、目や口を大きく見開いたり、「かなわない」と言うように首を振ったり肩をすくめたり、うわっと驚きを口にしたりすると効果倍増だ。
 心身を壊してしまう一番の理由は言動を強要されること。ところが上司はこちらがやりたくもない賞賛を求めてくる。そんなクライシスはこのテクニックで回避できる。「私とはレベルが違う/私には無理です」は、「あなたは私からみればレベルの低いウンコです/ウンコと同じことは無理です。なぜなら私は人間だから」の意味だが、マゾなのか知らないし知りたくもないが言われた上司はなぜか喜ぶので積極的に使おう。

2.「部長自らわざわざ手を下さなくても…/ご助力は大変ありがたいのですが」

アホーな上司は部下を使えないので自ら前線に出てきては貴重なツイッタータイムを奪いがち。これはインターネットピーポーの心身の破壊に繋がる。出てくるな!と言いたいところだけれど、それを口にした途端にパワハラやモラハラで攻撃してくるのが上司。
 そんなときは、一歩へりくだって、そんな汚い手でこちらに来るなの意味を込めて、わざわざ御手を下さなくても…と言おう。プライドをくすぐれ。1.の場合よりも感情をストレートに身振りに投影すると効果万倍。君手をくだすことなかれ。君手をくだすことなかれ。悲しみをたたえた顔に上司がいい気分になるのは間違いない。

3.「最終チェックだけお願いします」

アホーな上司がいる会社は全体的にダメなので可能性のある若者は早期退職。結果的に平均年齢高めの一人一人の負荷は大きくなりサービス残業、家庭生活が崩壊している上司が嫌がらせで帰らずに監視するおかげで日付変更線オーバーも日常茶飯事だ。近くにいるだけで心が晴れず鬱になりかねないので、私たち下層社畜がやっておきますから、どうぞ、最終確認だけお願いいたしますと懇願しよう。
 アホーな上司はプライドをくすぐられ、十中八九、明日の朝確認すると言って定時で上がり赤提灯に向かうので、姿が見えなくなったら仕事は放って帰ろう。馬鹿め。そんなことをしたら明朝チェックでバレるじゃないかと危惧される方もおられるだろうが、アホーは仕事の全体が見えていないのでチェックしようがないから心配無用。明日は明日でダラダラ仕事してイライラさせて上司の脳血管が切れるのを待つだけだ。

4.「うわっ。こんな荒っぽいバカな仕事を僕はしていたのか。生きていられない。恥ずかしい。腹を切りたい。親の顔がみたい」

かつて上司がやった拙い仕事ぶりが発覚して、責任の所在が上司にあると明確にわかっているけれどもそれは言えないだって僕らサラリーマン弱い立場だからという状況のときに使おう。アホーな上司は自分の非を認められない。その空気を汲んで、主語だけを自分に置き換えてウサを晴らそう。自虐とゲスの極み。冒頭に「部長がこんな幼稚園児みたいな仕事をするわけないだろ!」と嘆きを入れて先制しておくと効果一億倍。

5.「ハイ/わかりました/アイアイサー」

イエスかノーかアホーな上司からきかれたら感情を切り離してハイとだけ言う。なぜなら上司が求めているのは評価や判断ではなく同意だから。会社とはポケットの中の戦場。上司の意に反する返事をしたらお終い。
かつて。僕は上司からこんな仕打ちを受けたことがある。故人なので悪口は言わないが上司は30センチほどの至近距離から息を何度も吹きかけ「俺の口、臭え?」と尋ねてきたのだ。パワハラでバイオハザード。ゲロ以下の臭いだ。臭いと正直に答えれば、会社での未来は断たれ、いい臭いと自分に嘘をつけば精神が壊れただろう。
そのとき僕は、オゥエー!ゲホッゲホッゲボゲホッ、と言葉にならないプリミティブな呻きで逃れた。時にはマニュアルを離れて命を守る行動をとることも大事なのだ。余談になってしまうけれども、死人に口無しというが、あの酷い口臭ごと鬼籍に入ったと思うとあの世の衛生面が心配でならない。

以上である。僕は感情と口先を切り離し社畜に擬態することによって会社評価ビリから課長になれた。一連の文例を完全にマスターして会社や上司に心身を壊されないようにして欲しい。これらのテクニックは口先だけで実力を養成するものではないので完全にマスターしてもせいぜい課長止まり。そのへんは自己責任でよろしく。

 また、皆様におかれましては、このエントリーも含めて世に出回る立身伝には騙されないように気をつけてほしい。僕は社畜から!俺は底辺から!私は偏差値40から!課長になりました、大会社を築きました、一流大学に入りましたというサクセスストーリーは、よくよく観察してみると前提となっているスタート地点が低すぎるだけ。普通にやって偏差値が40になる方法があったらむしろそちらを教授されたいものだ。