銀行をはじめとする金融機関は出向という名で中小企業にゴミを送り付けるのはやめてほしい。僕が勤めている給食会社は銀行から融資を受けている。そのかわりに、出向を受け入れている。送られてくる方々はバブル期に入社した世代で、当時大量採用されたものだから、銀行内で役職が足りず、出向という名目で融資先に送り込んでいる。出向してくる方々に足りないのは役職ではない。能力だ。マジでポンコツばかり。有能であれば銀行内で役職を得ているか、本部栄転を約束されて大手有力融資先へ出向しているか、どちらかだ。
なぜ当社のような中小規模の給食会社にポンコツが送られてくるのか。それは給食業というものがローリスク・ローリターンなビジネスモデルで、ホームラン級のバカをやらないかぎり潰れないからだ。利益が見込める企業であれば、さらなる成長と事業拡大を見込んで有能な人物を送り込みガンガン融資ズンズン利益という流れをつくる。残念ながら当社にはそこまでの潜在能力がないが、一方で安定していて倒産リスクが少ない。出向先として適役なのだ。
ポンコツ、産廃…酷い言い方をしているが、個人的な感情や怨恨からではない。ここ10年間、銀行から送り込まれてきた方々が全員、揃いも揃ってポンコツという事実に基づいている。彼らは出向(課長)から数年で取締役になる。融資を受けている弱みから泣く泣く、嫌々、取締役に据えているのだが、当の本人である彼らは、己の能力と成果によって取締役になったと思い込んでいる。最悪だ。そして彼らはその席を守ることに必死だ。ミスをしないことを第一に活動している。ミスを回避するために何もしない。まず、業界の知識や実際の現場を学ぼうとしない。そして、重大な決断が必要なとき、責任を取らなければならないとき「給食のことは何もわからないから決めていい。私が決めるわけではないから責任は取れない」的な発言をするのである。些末な、どうでもいい決定のときだけ存在感を出してくるのも厄介だ。先日も「受託している社員食堂で毎日おはぎが食べたい。おはぎ大好き」と騒いで栄養士チームを困らせていた。
もっとも面倒なのは、銀行に勤めていたときの感覚を維持していること。たとえば、どんな相手でも必ず話を聞いてくれると信じている。そりゃ銀行のように金を貸す側なら聞く耳を持たれるだろうが、中小規模の給食会社の営業マンの話なんてコンタクトをとって実際に会ってくれるのは10数パーセント程度。その実態がわからない方々の助言は的外れであるし、銀行時代のポンコツぶりもあって紹介できる案件もないのだ。
出向課長から取締役へと異例の出世をするなかで、ポンコツ→産廃→危険物と順調に進化してきた当社の会社上層部は、最近、ようやく会社の将来について考えるようになった。会社がなくなったら終りだからである。当社が抱えている問題のひとつにパートスタッフの確保がある。当社はパートスタッフを千人規模で抱えている。パートスタッフが欠けると社員で埋めることもあり、事業の停滞に繋がる。パートスタッフの雇用条件のアップと職場環境の向上は喫緊の課題だ。
本日、その課題解決のために会社上層部がとある施策を打ち出してきた。「パートスタッフの時給アップと役員報酬の原資を確保のために社員の昇給を見送ろうと考えている。営業部長はどう思う?」と社員の僕に訊いてきたのだ。真顔で。どうやら真正のバカらしい。会社上層部と接するときは心を虚無にしている僕も、さすがに冷静さを欠きました。すかさず「役員報酬をカットすることから始めないと理解が得られません」という意味内容をもっとも強い言葉で返したが、「どうしてそんなことをする必要がある?」と言われて当惑した。ポンコツが限界突破していて手に負えない。まともに相手をしていると心が死ぬ。いや、すでに死んでいる。
金融機関様に言いたいのはご自分のところで処分に困った人間を融資先に送り付けるなということ。自分たちで処分しろ。あるいは余裕のある大手企業に送り込め。わかるよ。大手にゴミを送り付けたら大事になるから中小企業に送り付けているんだろ?でもさ、中小企業はポンコツに金を払うATMでもなければ、ゴミ箱でもないのだよ。(所要時間25分)給食会社、中小企業のリアルについてはこの本にもあります→【電子版限定特典付き】 給食営業マン サバイバル戦記 カスハラ地獄、失注連鎖、米の仕入れも赤信号