Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

胎教をはじめた。

胎教をはじめた。まだ見ぬ我が子にクラシック音楽やヒーリング効果のあるミュージックを聞かせるのだ。子供の健やかな成長のために。42才の現在まで神童と言われ続けている僕と比べられても恥ずかしくない、授業参観で鼻高々になれる子供であってほしいという親のエゴのために。僕と妻は完全なレスなので胎児などいない。処女懐胎、あるいは湯船の中でキタチョー遊びをしていて「エキゾチックジャパン!」と叫んだ勢いそのままに肉テポドンを誤射したことがあるのだがその後続いて入浴された妻が億千万の確率で懐妊されていれば話は別だが。


「備えよ常に」これはボーイスカウトの創始者パウエル卿の言葉である。この言葉はボーイスカウトの下部組織であるところのカブスカウトを体験入隊3日目で逃げ出した僕の心にもしっかりと刻み込まれている。僕はその言葉の奴隷。さあ子供に備えよう。胎教するぞ胎教するぞ胎教するぞ胎教するぞ、つっても肝心要の胎児がいない。ならばって始めたのがまだ僕の中にいるオタマジャクシ以上子供未満の素敵な奴らに対する胎教である。


深夜。僕が大好きなメタリカやビル・エバンスやムソルグスキーをiPodに繋げたミニスピーカーで股関に聞かせてみた。効果を最大化するためにパンツははかない。ミニスピーカーの微かな振動が冬眠中の僕の男を刺激する。ボリュームを上げれば上げるだけ振動は大きくなり刺激は強くなった。ヘブンに近づいている気がした。しかし太陽に近づきすぎたイカロスが羽根を焼かれて墜落したようにあれがレスの僕もその堕落ぶりを妻に見つかってしまう。さよならヘブン。


音がうるさいというクレームであった。しかし胎教をやめるわけにはいかない。ここでやめたらただのバカだからだ。子供のためではなくエゴのため、何より気持ちエエことのために。深夜。家人が寝静まったあとに僕はすべてを脱ぎ捨て、これはサイズが小さい男性や敏感な男性にはなかなか想像しがたいと思うが、腰を振り振りして僕自身をすぱーんすぱーんと打ちつけた。全裸パーカッション。DIY胎教。ときおり「サンバ!」「アミーゴ!」「はっ!」「うっ!」と気合いの声を上げる。熱くなりすぎないよう時々ドアを開けた冷蔵庫の前ですぱーんすぱーんすぱーん!


この胎教がうまくいくのかどうか僕にはわからない。チャンスがあるのかどうかさえ。ひとつだけ言えるのはこれが原因で出血性膀胱炎になり血尿が出るようになってしまったことだ。胎児なき胎教。その荘厳な言葉の響きは、僕に国境なき医師団の気高さを思わせる。(所要時間12分)

花束を君に

当たり前の、何気ない、毎日の暮らしこそが尊く、美しい。そんなことに気づくのに40年もかかってしまった。今、僕は忘れてしまいがちな、素晴らしくもありふれた生活に花束を贈りたい。そう、マジで思っている。
 
今日、会社を休んだ。普段より遅い朝でも、いつもと同じようにフジテレビ系列の「めざましテレビ」。妻のお気に入りは愛犬紹介コーナー「今日のわんこ」。コーナーの始まりをキッチンにいる妻に知らせるのが僕の役目。「今日の○ンコ始まったよー」「はーい!○ンコ~ちょっと待って~」
 
僕はコーヒーをすすりながら、彼女はエプロンの裾で濡れた手を拭きながら画面を見つめた。画面の中で散歩する雑種犬。子犬時代の写真。ありきたりの幸せなエピソード。「この○ンコ、子供のときは白くて可愛いのに、なんで大人になると黒くなっちゃうんだろう?」彼女は言った。
 
僕は適当に相槌を打ちながら早起きして皮を剥いたタマ○○について考えていた。ネギは長ネギよりも断然タマ○○。長ネギの長さとタマ○○の硬さが両立すればいいのに。皮を剥いたタマ○○はいつも僕を悩ませる。やれやれ。視線を落とした先にはボロボロの○ックス。テレビには北朝鮮のミサイルの映像。よく見ると先月の発射映像。近いうちにまた発射するらしい。将軍様のバースデーミサイルの火を吹き消すことは出来ない。世界の誰にも。
 
「これ何?」と彼女は訊く。「北朝鮮の、いや、金○○のミサイル」と僕は答えた。「凄いの?金○○のミサイル?」彼女の声の鋭さに思わず驚く。「大型で危険。射○数千キロ。何発もある」「そんなに射○長いの?」「アメリカに届くヤツもあるらしい。安保に影響あるよ」「○ンポ?」「○ンポ。日米○ンポ」チン黙が僕らを包んだ。「金○○の、長い、射○」彼女は一語一語、まるで重要文化財に指定された庭園に置かれた踏み石を一歩一歩踏むように、丁寧に紡いだ。
 
「じゃあイッてくるね」彼女には学友と○ンチする約束があった。テラス席でオシャレ○ンチ。「○ンチ楽しんでおいで」僕は彼女の背に声を掛けて送りだした。ひとり残された部屋で僕は皮を剥いたタマ○○を弄りはじめた。このように何気ない日常も、見方によってはエロチックな美しさをたたえるのである。僕は自分のどうしようもない人格に菊の花を供えたい。(所要時間16分)