Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

オカダとボクと、時々、おせん


 好きか嫌いかっていうと岡田准一は好きなタレントになるのだけれど、僕は岡田と顔が似ているせいで本当に困っている。チョー大迷惑。怒り心っ頭。眠りは浅くなったしやっとの思いで眠っても網膜の裏でオールナイト上映されるのは岡田が超人的活躍をする「SP」。ウゲー。鏡を見てるみたい。岡田に似ているということで恩恵を預かったことなど一度としてない。合コンに行けば頭の弱いオールナイターズに「目力ありスギー」「おかしな性癖ありそうー」「道具使いそー」「SPってサンピーのこと?」なんて心無い言葉の十字砲火を浴びてドイツ飛行船バームクーヘン号だかなんだか号みたいにボカーンメラメラメラメラと大破炎上して焼け焦げた骨組みだけの惨めな姿を晒してスタートラインに立った時点で背中からパンパパンパンパーンと君が代ブラスバンドを従えて白旗が上がっていたし、歯医者で歯科衛生士さんにピンセットみたいな道具でガガリって歯石を取り除いてもらっているときに「時計じかけのオレンジ」で有名なアレックスさんを手本に目を思い切り開けて眼球をグリッと可動範囲目一杯に動かして白衣の下でプルプルルルルしているオッパイを眺めていたら「すみません目を閉じてもらえますかー」とかマスクの下から籠った声で言われる始末。僕の目線はバイ菌かっつーの。尿の切れが悪いのも不眠が悪化したのも埼玉女に逃げられたのも部長のワキガが臭いのも理不尽な事件が立て続けに起こるのもあれもこれも全部岡田が悪い。世の中のWAの中心では岡田がランララランランラーンと呑気に禍を呼ぶシャーマンダンスでも踊っているに違いない。


 先日岡田と蒼井優の交際が発覚してからは、普段親しくさせてもらってる商店街のオッサンたちまでがアサヒ芸能のグラビアのなかで腐らせていた闘争本能を突如目覚めさせて僕に敵意を剥き出しにするようになった。八百屋オッサンには「お前茄子を何に使うつもりなんだ」と因縁をつけられて特別値引きはつけてもらえなくなったし、床屋オッサンには前髪をパッツンと切断されてのび太オッサンにされるし、魚屋オッサンにはいらないと言ってるのに売れ残りのカズノコを無理矢理買わされ、しじみを投げつけられた。しじみ痛いっつーの。街中を歩くだけでシュプレヒコールの波。お約束のスローモーション。僕と岡田は腐ったミカンの皮いはなのれふけろも←カズノコ飲み込んだ。知らないガキどもには「不良集団V6の岡田だ!」と罵られ、町内会には電柱に「危ない!岡田似の男に注意!」捨て看板を貼り付けられ、ブサ犬には「Vow!Sex!」と一喝されてから左足をガビルっと噛まれ、右足は下水道に吸い込まれた。蒼井優を返せ!とか言われてもマジ困るっつーの。だって僕、岡田じゃないもの。正確にいえば僕のほうが若干早くこの世に生を受けているので岡田が僕に似ているというのが正しい。


 「男の顔というのはそれまで歩んできた人生と心がにじみ出てきたものなのよ」と言った占い師が座っていた薄暗い路地は五反田だったか横浜黄金町だったか。まあどこでもいいのだけれどそれに拠れば陰険で短気で我儘でインポでイカ臭くてDVDショップで「これどんなプレイが収録されているの?いやいや「ハ?」じゃなくて。君は自分で売っている商品の中身知らないのかい。やれやれ」なーんて店員に大人げない詰問をするようなキモメンである僕と顔が瓜二つである岡田は同じキモメン人間ということになる。僕が岡田で岡田が僕で。鳥が先か卵が先か。よくわからないけれど「僕=岡田=キモメン」っていう公式だけがぽっかーっと中空に事実として浮かんでくる。まあ僕と同様に性格が激悪くてインポで、インポのくせに「ベローチェ」って単語を総務のマヤちゃんに言わせて軽く興奮する変態であろう岡田と蒼井優がお泊まりデートをしたところで、インポじゃ何も出来ないはず。蒼井優はインポ神に防衛されている。ミッション・インポッシブル。岡田……インポなめんな。謝れ!インポさんに謝れっ!!


 ま、変態キモメンの僕=岡田と付き合うような蒼井優も所詮そのレベルってことで僕のなかでは既に過去の遺物。僕はもう未来を見つめている。「成海璃子」という光輝く明日を。僕は今から最後の砦、南斗最後の将、人類の希望、成海璃子のためにアラモ砦だかソロモン要塞だかに篭城して、性欲丸出しで迫りくる芸能人や財力に物をいわすIT社長をマシンガンで軒並み根こそぎ蜂の巣ミンチにしてやるつもりだ。お前らには死の舞踏がお似合いだ。やられはせんぞ、やられはせんぞ、貴様ごときに。やられはせん。ズボボボボズボボボボ。