Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

不登校YouTuber君を批判する人たちは「自分の人生を否定されたくないだけ」である。

SNSで情報収集できない中高年なのでネットの情報収集はヤフーアプリに頼り切りで、頼みのヤフーがユーチューバ―の情報をトップに載せるものだから、そこそこユーチューバーに詳しくなっている。そのなかで先日クラファンで日本一周を達成した不登校ユーチューバ―君が大きな話題になっている。だがコメントのほとんどは批判だ。SNSにおいても彼に対しては批判や否定的意見が多いようだ。中には誹謗中傷のようなものもある。彼のチャンネルはユーチューブのおすすめに出てきたタイミングで観たことがあるくらいでまったく詳しくない。だが、ヤフーが取り上げるくらいなのだから、日本国内でトップレベルの登録者数と再生回数を誇っているのだろう。注目されているからある程度の否定的な意見や批判はしかたない面はあるけれども、彼に対するものは「しかたないレベル」を超えている。有名税という言葉で許されるものではない。

「学校に行かずに遊んでいる」「他人のカネに頼っている」「取り返しのつかない人生になるぞ」という彼に対する批判の根底には、僕たちが歩んできた学校に通い卒業して就職して働くという人生が否定されているようで、なんとなくムカつくという感情があると思われる。人間は、自分に出来ない人生を歩んでいる人に対して二つの感情を持つ。ひとつは「羨ましい」であり、残りは「何かムカつく」である。両者がごちゃまぜになって、成分の多いほうに支配されるのだ。不登校ユーチューバ―君が「何かムカつく」という感情を喚起させるのは、「多くの人間がやってきたことを踏んでいない」うえで「まだ何も為しえていない」からだろう。スターが、スター足り得るのは、多くの人がやってきたことを踏まえていなくても、為しえている圧倒的な実績と結果があるからである。まだ若い不登校ユーチューバ―君が結果や実績を出しているはずがない。当たり前だ。それを批判するのは大人気ないというものだ。

実は僕らは不登校ユーチューバ―君が羨ましいのだ。羨ましくてムカつくのだ。告白しよう。彼が滅茶苦茶うらやましい。学校に行かないという生き方を、僕もやってみたかった。子供の頃、小学校を卒業するくらいまでは、学校に行かないで冒険する日々を毎日想像していた。馬鹿な、何の才能もない子供だったので、学校に行かなくなったら社会の落伍者になると気が付いた。気が付いたのは中学生になったときだ。ごくごく平凡な人間はその年齢で気が付く。「あ、やべえぞ」と。だが不登校ユーチューバ―君は平凡な人間ではない。ひと目でわかる。ルッキズムっぽい視点になるけれども不登校ユーチューバ―君は聡明な顔と表情をしている。結果はまだまだだが結果が約束されている男の顔だ。中学生時代の僕とはレベルが違う人物に見える。彼に対して批判する人たちは、彼がこれから叩きだすであろう圧倒的な結果を認めたくないのだ。なぜか。自分の人生が否定されるからだ。彼は学校に通わなくても僕らとはまったく異なる成長曲線を描いていくのは明らかだ…弾道ミサイルのロフテッド軌道のような、通常より高い高度を飛ぶ成長曲線を描くのではないかと個人的には想像している。ロフテッド軌道は通常の軌道よりも飛行距離がでないという意見もあるけれども…それはさておき、ああ、僕は彼が滅茶苦茶羨ましい。学校に行かないことも圧倒的な才能も約束されている結果も、羨ましすぎる。

不登校ユーチューバ―君は人生を賭けている。人生を賭けている人間を部外者が馬鹿にしたり、批判したりするのは少々大人気ないと言わざるを得ない。学校に通わなかったらどういう人生になるのか。僕らはそういう人生がどうなるのか経験と教育からほぼ正確にイメージできる。だから普通はしない。止める。結果は分かり切っているが、あえて一度きりの人生を賭けてテストしてくれている彼は現代の勇者である。僕らのイメージを超えるような人生を見せてほしい。上に超えても下に超えても他人様の、他人様がすすんで選んだ人生なのでどうでもいいではないか。批判や誹謗中傷などもってのほかだ。人生の先輩として、関心を持たないのなら動画を再生せず彼の話題をミュートして彼が結果を出すまで生温かく見守ればよい。批判はいらない。一人の男の、人生を賭けた実験を見守りたい。僕はそう考えている。余談になるが、不登校ユーチューバ―君の父親が、僕のような学校に通って会社で働く、思考の硬直した人間を社畜と呼んでいるという内容のネット記事を見た。ロフテッド軌道で高く上がっている優秀な人からは下々の人間はそう見えてしまうのだろう。マンモス悲ピー。その理屈なら学校に通わずに家に居つづける人は家畜になってしまうのではないか、と愚考する次第だが、このようなつまらない思考をしてしまうのも学校教育を受け続けて硬直化した思考のもたらす哀れな結果なのだろう。きっつー。(所要時間28分)