Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

アダルト業界出身の人が人生経験豊富な感じで物事を語るのがマジでイミフ

  有名人でも有名だと錯覚している人でも知人でもそうなんだけど、なぜ、風俗やアダルト業界を経た人は人生の全てを知ってるような、経験豊富な感じで物事を語るのか意味がわからないでいる。僕が「別にそのギョーカイ経てなくても…」と言い返したりすると「職業差別だ!」「職業に貴賎なし!」と火がついたように激怒するから厄介で無敵。被差別の立場から差別してないかいそれ。

 アダルトな世界にいる私はスペシャルなんだ!裏の世界を知っているんだ!人間の本質を垣間見てきたんだ!そういう意識がそのような言動をとらせるのだろう。家田荘子的な何かだ。実のところ特別だと思っているのは当人だけだったりするのだけど、刺激的でスゲーことを言ってる人に対して日本人は総じて優しいので、その特別な感じは折れることなくスクスク育つのだ。ちなみに僕に一般人が知らない世界、知らないでいい世界を教えてくれた家田荘子先生は知らないうちになぜか仏門に入られてました。

 アダルトな世界出身の人は、夜の世界、人生の裏街道で鋭い観察眼が養われたようなことを仰るけれども、どの世界にいても人生を知ることは出来る。むしろアダルトな世界は人間観察が超簡単。観察対象が裸になっていたり、ベロベロに酔ってたりして本性を曝け出しているのだから特別な観察眼なんていらない。苦労せずに人間の本性を垣間見られる。

 必要とされるのは自分はスペシャルだと思い込める自意識の強さなのだ。会社勤めでも公務員でも自営業でもあらゆる経験は積めるし人間の本質を知ることができる。裸になっていない分、幾層もの厚いベールに覆われている分だけ、難易度が高いだけなのだ。

 アダルトな世界を経てきた人がスペシャルなのは能力でも経歴でもなくその恵まれた自意識の強さ。つーか夜の世界のことを己の立身のために白昼に引きずり出さないでほしい。それは野暮というやつだ。僕がこのような文章を書いたのは飲み屋のスタッフが僕の酒飲んでウェーイ!な姿をお店のブログに載せるという野暮な行為に対する抗議、つまり義憤からに他ならない。

 それはただの私怨じゃないか。一部のアダルト業界出身者を貶めている貴様の自意識こそがスペシャルじゃないのか。そんな反論もあるだろう。はっきり言って僕はスペシャルだ。確信がある。確信したのは数年前。日本語でいう想像クラブの通勤電車を模した個室で天井からぶら下がっているつり輪に手をかけた僕の耳元にゴーストが息も荒々しく、こう囁いたのだ。「凄い…あなたは特別…」

 その声が後ろめたさへの言い訳からのものなのか、神からの啓示だったのか、僕にはわからない。でも僕は信じている。それは大いなる存在からの声であったと。そして畏れから「あぷ、あぷ、あぷしっ〜」と声にならない声をあげてしまった僕の恥ずかしい姿を、ルポライターの姿を借りた神がどこかに晒していてもおかしくはないのだ。