Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

このブログは検閲を受けてます。

 このブログは妻の検閲を受けている。「嫁ファシスト?」「憲法違反じゃね?」などと誤解されたくないので、ここに至る経緯をご説明させていただく。


 「結婚とは何か?」と訊かれたときは「火葬場」と答えるようにしている。火葬場は施設を指す言葉なので、正確に記述するならば、「火葬場の業火で灰になるまで焼かれている状態」が正しい。そこまで細かくいうと果てしなくウザく、どこまでもモテそうにないので「火葬場」のひとことで済ませているだけだ。つまり今、僕は焼かれているのだ。生きたまま焼かれているのだ。


 結婚を旅路に喩え「スタート」や「ゴール」などと詩的にあらわせば、確かに「何も言えなくて夏」みたいでカッコいいだろう。結婚を墓場に喩えれば、墓石のひんやり感も相まって《結婚について過度に期待しない、自立した僕、俺、私》というクールでニヒルな感じが自己演出され、これまたカッコいいだろう。

 

 だが「スタート」「ゴール」「墓場」のどれもが、結婚をあらわすにはお上品すぎる。熱量が足りない。結婚は、もっと必死で不格好で情けなくて思い通りにいかなくてそれでいて滑稽なものだ。スタートやゴールも判然としないカオス状態。それが結婚なんじゃないか。インターネットに「結婚はスタートだ」「結婚イズ墓場」などと書いてる暇があったら、もっと熱くなれよ、と声を大にして言いたい。

 

 もっとも、現代においては熱く燃えているだけではダメで、失火しないよう火力をコントロールしていくことが大変重要だ。妻はそのあたりが非常に巧みで、僕を絶妙な火加減で踊らせ、弱らせ、生かさず殺さず確実に灰にしつつある。たとえばインターネットで。火力が強すぎると炎上、弱すぎると華麗にスルーされてしまうインターネットにおいて僕が真っ白に燃え尽きぬよう、妻はベストソリューションを考えてくれた。それが検閲だ。現在、このブログの記事はすべて妻による検閲を経て世に出されている。

 

 検閲は時に非常に厳しく、たとえば、本日早朝に執筆した「女王陛下の072」という記事は、《総入れ歯の老婆と懇ろになったら案外気持ちイイかも~》という先進的な内容が理解されず、下劣、下品、不愉快という理由で妻の検閲を突破出来なかった。

 

 なぜ、検閲を受けることになったのか。そのきっかけはこの記事であるhttp://delete-all.hatenablog.com/entry/20110901/1314885717。この記事を出した当初、妻は珍しく激怒した。インターネットの人たちから沢山の批判を受けるわ、株式会社はてなからも電子メールで注意されるわなど散々であった。なぜ、そのようないわくつきの記事を残しているのかというと、このような記事は二度と書かないという戒めの意味もあるが、当該キャンペーンが絶賛継続中だからである。

 

 そのとき妻は「今後そのクソブログにアップされるすべての文章について目を通させていただきます」と検閲を宣言、以来、妻の検閲を受け続けている。そのおかげだろうね、僕はスターダムに乗ることも失速することもなく、中途半端にインターネットを漂い続けている。全部妻のおかげだ。本当にありがたい。


 もちろん検閲を受けているからといって守りに入ることはないし、媚びるつもりもない。僕のスタンスは変わらない。シモネタ、お下劣、おゲス、何でもありだ。僕は体制に唾を吐くロックンロールブロガー。その僕が、文武両道で家事もバッチリで峰不二子並みのスタイルを持つ北川景子似の妻に媚びを売ることはなど絶対にありえないのだ。


(この文章は貴重な昼休みの27分を割いて書かれたものである)