ブログを書く理由やブログに係る収益を発表する人が増えた。誰に頼まれたわけでもなく、自発的に発表しているのだから驚いてしまう。以前は、といってもたかだか数年前だけれども、誰もやっていなかったはずだ。理由や収益は存在していた。ただコンテンツとしてそれほど面白いものになりえないから誰もやらなかっただけだ。文章とか写真とか絵といった「芸」だけで勝負する空気があった。また金の話をすることにはタブーめいた空気があった。そう。一昔前の個人ブログ界隈は良くも悪くも金の匂いのしない純粋なものだった。
そういうインターネット時代を経てきた人たちがブログを書く理由や収益といった、いわば芸の裏側を公にすることに抵抗を感じてもおかしくはない。僕もそうだ。でもどうだろう?どんな世界も成熟すれば商売めいてくるもので個人ブログだって例外ではありえない。ブログで金を稼いでいることをアッピールすることはそれほど悪いことではないと今の僕は考えている(僕自身はやろうとは思わない)。ただひとつ。お金を理由にブログを書くことも稼いだ額を公表することも構わない。どれだけ改行の数ばかり多くて内容がなく、内輪受けのオナニーでも全然構わない。第三者にはただの飲み会にしか見えない勉強会の模様をレポートするのも別にいい。「自分の価値を高める」「喜びや感動をシェア」「セルフブランディング」「地方活性化」といった言葉で飾ることなく「お金稼ぎが唯一の目的です」と誠実に表明して欲しい。情報商材の売上をブログ収益という曖昧な言葉でごまかさずに「情報商材の売上でーす」ときちんと公表して欲しい。綺麗な言葉で飾って集金する姿は怪しげなカルト教団のように僕には見える。集金するぞ集金するぞ集金するぞ集金するぞ集金するぞ集金するぞ。今にも悲しいマントラが聞こえてきそうだ。
綺麗な言葉で飾るのをやめてしまえば、ただの守銭奴に見られてしまうかもしれないがそれでもカルト教団に見られて空中浮遊を期待されるよりは幾分マシだろう。「お金稼ぎしか興味がありません」でいいじゃないか。胸を張ってほしい。僕はお金稼ぎ云々はどうでもよくて、ただ、読んでくれる人に対しては誠実であって欲しいと願っているだけだ。それは今も昔も変わらない。
僕がブログを書いている理由。それは女子大生にモテたいという後ろめたいものだけではない。評価されたいとか有名になりたいというものでもない。自分を高めたいという頭おかしい理由でも、ましてや閲覧数や金でもない。もっと個人的な理由。僕は僕のことを忌み嫌っている人たちのためにブログを書いている。僕のことを見たり聞いたりしたくない、うんざりだ、消えてくれという人たちの目に僕という存在を触れさせ嫌な気持ちにさせたい。そういう個人的かつポジティブな理由があるからこそ僕は十年以上もブログを書き続けられているのだと思う。(所要時間15分)